6月25日の朝に、W杯の日本の第3戦目となる『日本対コロンビア』がありました。
結果は、皆さんもご存知のとおり、1対4での敗戦でした。
これで、日本はグループリーグでの敗退が決まりました。
さっそく試合の感想に入りますが、『日本は良い試合をした』と思います。
特に前半は、コロンビアを圧倒していたし、終了間際に岡崎さんが同点ゴールを決めて最高の形で終わりました。
前半が終了した時点では、1対1でしたが日本のペースだったため、「よし! このまままならばいける! このままならば後半に日本が得点して勝てるぞ。」と感じました。
ハーフタイムの時点では、日本の勝利の匂いがしていたのです。
そうして、同組のギリシャ対コートジボワールは1対1の同点でした。
日本のグループリーグ突破は、目の前にあるかと思われました。
ところが、後半になると温存されていたハメス・ロドリゲスさんが、ピッチに現れました。
「まずい…。いちばん嫌な選手が登場した。嫌な予感がする…」と思ったのですが、その通りの展開になってしまいました。
私は、6月20日の日記にも書いたのですが、ハメス・ロドリゲスさんがコロンビアでいちばん危険なプレイヤーだと考えていました。
日本代表の人々もそう思っていたはずだし、実際に青山さんに代えて守備力のある山口さんを投入しました。
青山さんの出来が良かった(良いパスを出していた)だけに、私としてはやや不満な交代だったのですが、ハメス対策としての山口投入だったと思います。
しかしながら、大変に残念な事ですが、『ハメスさんを抑えられなかった』のです。
彼に次々と華麗なプレイをさせてしまい、アシストやシュートを決められてしまった。
見ていて思ったのですが、彼は『スーパー・プレイヤー』ですね。
順調に成長していけば、メッシさんなどと並ぶくらいの、サッカー史に残る選手になるでしょう。
はっきり言って、彼1人に日本は負けたようなものです。
たまにいるんですよ、1人で試合を決めてしまうスペシャルな選手が。
失点を重ねる日本を見ながら、「ハメス・ロドリゲス、すげーよ。だめだこりゃ、こんな選手が出てきたらアウトだわ。」と脱帽しました。
彼は、要所で見せる決定力が、はんぱじゃないです。
W杯のグループリーグは、勝ち抜けが決まったチームは「主力を温存する」のが普通なのです。
決勝トーナメントに備えて、主力選手は休ませて回復させるわけです。
ハメスさんも前半は出てこなかったのに、なんで後半で出てくるかなー。
今回のW杯は、勝ち抜けが決まっているのに第3戦でも本気を出すチームが多いです。
今までだと考えられない展開ですね。
フィジカルの向上により、体力を温存しないで毎試合に出ても大丈夫だと考えているのですかね。
非常に残念ですが、今の日本の守備力では、ハメスさんのようなスーパー・プレイヤーがコンディションの良い時には止められないです。
というか、世界屈指のDFでも彼を止められるのか微妙です。
相手が悪かったなあ。
彼は、フランス・リーグでプレイしているんですよね。
私はフランス・リーグには詳しくないので、ぜんぜん彼の事を知りませんでしたが、すんごい選手です。
コロンビアが羨ましいなあ。
彼は、ブラジルのネイマールよりも凄いと思います。パスも上手いですから。
(ネイマールは、パス・センスはいまいちです)
ここからは、日本代表について書いていきます。
まず言いたいのは、『皆の出来が良かったこと』です。
ここまでの2戦ではいまいちの出来だった、香川さん、岡崎さんも、良いプレイをしていました。
皆の出来が良かったので、日本は試合を通して押し込んでいました。
繰り返しになりますが、ハメス・ロドリゲスさんさえ出てこなければ、日本は勝てたと思います。
特に出来が良かったのは、『吉田さん』です。
4失点してしまったため、活躍がかすんでしまいましたが、彼は素晴らしいプレイをしていました。
私が見た中では、ベストのプレイをしていたと思います。
守備も良かったですが、冷静なボールさばき(的確なパス)に感心しました。
これまでの2戦よりも、圧倒的にパフォーマンスが良かったです。
香川さんも、ようやく本領を発揮していました。
積極的にプレイしていたし、攻撃チャンスを生み出していましたよ。
初めて先発した青山さんも、良かったです。
良いパスを繋いで、攻撃を活性化させていました。
彼は、パスの配給センスが優れていますよ。
逆に守備力はいまいちの気がします。
パス・センスだと、遠藤さんが一番とされていますが、パス・センスは異なりますが青山さんも同等のレベルにあると思います。
彼が代表に定着して連係を高めれば、もっと素晴らしいパスを見せると思います。
唯一いまいちの出来だったのは、本田さんです。
前半の最後にアシストを決めましたが、試合全体を見ると相手に封じ込められていました。
本田さんはエースと見られているために、相手チームのマークがきつかったのですが、きついマークを受けても活躍できなければならないのがエースなんです。
ネイマール、メッシ、ハメス・ロドリゲス、ロッベン、アレクシス・サンチェスといった各チームのエースは、厳しいマークを受けても活躍しています。
こういうエースを育てない限り、日本がW杯で優勝する事はないですね。
後半を観ていて痛感したのは、『日本はすべてにおいて、少しづつ足りない』という事でした。
例えば、現代表では最も1対1に強いのは長友さんですが、彼でもコロンビア選手が相手だと1対1なのに抜けないのです。
かわしてセンターリングを上げる事はできても、抜ききって大チャンスを作る事は出来ませんでした。
中盤の選手も、パスの選択肢が4つあったとしたら、その中で最適の選択を出来ないのです。
もっと良い選択肢があるのに、それを認識できずに、チャンスを逃していました。
1トップの大久保さんは、決定的なシュートチャンスで外してしまいました。
DFは、カウンターを食らった時に、攻撃を遅らせることができずに、ファウルで止める事すらできずに、失点していました。
『あと少しの差が、積み重なって大きな結果になってしまい、敗戦につながっている』と感じましたねー。
ギリシャ対コートジボワールの試合結果は2対1だったので、日本がコロンビアに勝っていればグループリーグを突破できました。
可能性があっただけに悔やまれます。
振り返ってみると、日本がいちばん勝てる可能性があったのは、初戦のコートジボワール戦でした。
あそこでは勝たなければならなかったです。
初戦でコロンビア戦くらいのパフォーマンスが出来ていれば、間違いなく勝てたと思います。
今回の日本代表は、『追い込まれないと本気を出せなかった』のですが、それが最大の敗因かもしれません。
ザッケローニ監督は、退任になってしまいました。
私は彼のサッカー観が好きだし、攻撃的なスタイルを貫くのを高く評価していたので、すごく残念です。
彼が目指したサッカー・スタイルは、日本にとても合っていたと思います。
W杯では結果が出ませんでしたが、着実に代表は強くなってきています。
ザックは、今までの歴代の日本代表監督の中では、最も有能な指揮官だったと思います。
後任が誰になるのか分かりませんが、上手くいかなかったらザックを呼び戻すのも手だと思いますよ。
最後に、日本代表が強くなるためにはどうすればいいかを、書きます。
日本代表と直接の関係がないので読者は拍子抜けするかもしれませんが、私の考えはこれです。
『Jリーグのレベルを上げること』
これが、日本代表を強くする一番の近道だと考えます。
サッカーの強豪国は、どこも国内リーグが充実していて強いです。
やはり国内リーグが世界トップレベルにないと、W杯でも結果がでないですよ。
私は、フォルランさんがセレッソ大阪に入団して以来、2試合に1回はセレッソの試合をTV観戦しています。
観ていて思うのは、「普段みているスペイン・リーグよりも、かなりレベルが落ちる」という事です。
今の日本代表は、メンバーの半分が「国内組」です。
そして「海外組」も、元々はJリーガーだし、しばらくすると戻ってくる人が多いです。
ですからJリーグのレベルは、代表にダイレクトに繋がっています。
たしかセルジオ越後さんだったと思いますが、「日本だと、海外で経験を積んだプレイヤーが国内リーグに戻ってきても、海外で得た経験を活かさない。すぐにJリーグの空気に染まってしまう。」と言っていました。
かなり鋭い指摘だと思います。
Jリーガーのほとんどが、「強化や育成は、サッカー協会がやればいい。自分はサッカーをしていればそれでいい。」と考えていると思います。
それが間違っているわけではありませんが、海外経験のあるようなトップクラスの選手は、もっとさまざまな提言・指摘をしていいと思います。
私は、海外のトップ・リーグで横行している「大金を使って、良い選手をかき集める」やり方を嫌悪しています。
中東の王族がポケットマネーでチームを買収し、札束で選手を集めるスタイルなどは、最低だと思います。
Jリーグのレベルアップは必要ですが、拝金主義のスタイルは取り入れてはいけません。
地道な育成や、最新の戦術やトレーニングを研究して取り入れるなど、マネーに頼らないやり方で進めていってほしいです。