『世界バレー2014』の日本代表・女子の試合を観ていて感じた事、その後半記事です。
感じた事の1つは、『日本は体格で劣るので、出来るだけ早く勝負を決めた方がいい。3-0や3-1で勝てるように、最初から全力で飛ばした方がいい。』です。
日本の戦いぶりを見ていると、後半になればなるほど疲労が出て不利になっていると感じました。
今大会では、日本は2-1の状態までいくのに、4セット目を取られてフルセットまでもつれ込む事が多かったです。
4セット目では精彩を欠くのが常態化しており、よくない癖だと思いました。
日本は他の国よりも平均身長が低く、ジャンプ1つとっても常に全力で跳ばないと対抗できません。
そのため試合が長引くと徐々にばててきて、4~5セット目になると動きにキレがなくなりがちです。
これを自覚した上で、早めに勝負を決めてしまうスタイル(3-0での勝利を目指すスタイル)を確立したほうがいいです。
5セット目までもつれ込んだら諦めるくらいの気持ちで、ガンガン飛ばしていくのが勝率を上げる事に繋がると思います。
監督の采配は、強気に選手交代をしていった方がいいですよ。
正直に言って、采配には疑問を感じる事が多かったです。
勝負所ではスパイクを決められそうな人を投入すべきだし、流れが悪い時にも選手を代えたほうがいいのにと思いました。
あと感じたのは、『レシーブをもっと磨く必要がある』です。
見ていて気になったのは、相手のレシーブやトスが乱れて、相手が苦し紛れにスパイクを打ってきた時(つまりチャンスの時)でも、日本がきちんとレシーブをセッターに返せない事が多い点です。
非常にもったいないと思いましたよ。
レシーブが正確にセッターに行かないので、セッターが上手くトスを上げられず、結果的に日本のスパイクの成功率が下がっています。
これは改善しないと、どうしようもないです。
相手が強いスパイクを打ってきた時は、正確なレシーブが出来なくても仕方ないです。
でも、弱いスパイクの時には、完璧なレシーブをしないと。
リベロがレシーブ上手なのは当然として、それ以外の人も上手くならないと世界一は厳しいです。
現代表だと、新鍋さんがレシーブが上手いオールラウンダーとされていますが、けっこうミスをしていましたね。
新鍋さんは、サーブのミスも多いです。
日本の中で、最もサーブの成功率が低かったのではないでしょうか。
トスは上手いと思うし、スパイクもそれなりに出来ますが、サーブをあれだけ外されるとがっくりきます。
冷静に考えれば、日本はあれだけ身長が低いのに、よくやっていると思います。
身長が200cmとか、女子ではありえないような体格の選手も外国には居る中で、高いブロックに立ち向かっていく日本選手は凄いです。
バレーボールは身長差がもろに有利不利につながるスポーツなので、まともに試合を出来ているだけでも実は凄い事です。
でも、どうせなら優勝してほしいし、ここまでに挙げた3点を克服すれば不可能ではないと考えます。
私としては、ピンチ・サーバーとしてだけで出場する選手をベンチに置くのならば、スパイクやレシーブの上手い選手を置いてほしいですね。
サーブのスペシャリストよりも、色んな事のできる選手の方が、戦術に幅を出せると思います。
日本は、テクニックと戦術で勝負する以外に、道は無いと思います。
身長やパワーや体力では、外国に敵わないですよ。
現在のバレーボールは、拾って拾ってのスタイル(レシーブで頑張るスタイル)では勝てないです。
選手の身長とパワーが大きくアップしているので、押し込まれて最終的にはやられてしまうからです。
だから、攻撃的なスタイルを志向するハイブリッド・シックスは、目指す方向性としては正しいです。
精度を高めることですよ。
ハイブリッド・シックスは、多彩な攻撃を目指すものだから、セッターのクオリティが抜群に高くないと完成しないでしょう。
セッターは、様々な軌道のトスを上げつつ、ブロックでも頑張り、さらには隙をみてツーアタックまでしなければなりません。
「世界一のセッター」と呼ばれるだけの人が出てこない限り、日本が世界一になる事はないと思います。
セッターの育成が、最も重要ですね。
最後になりますが、前回のバレーボールの記事(2014年9月2~4日の日記)で指摘した「キャプテンである木村さんの、試合後のインタビューにおける受け答えがひどい問題」は、かなり改善されましたねー。
木村さんは、落ち着いて答えるようになったし、話す内容も向上しました。
やれば出来るじゃないですか。
私は戦術的な話が大好きなので、そういう話が増えたらさらに高評価しますよー。