沖縄知事選で翁長さんが勝った、本当に嬉しい
これを機会に米軍基地について再考しよう
(2014.11.25.)

11月16日に行われた沖縄知事選では、米軍基地の辺野古移設に反対する翁長雄志さんが当選しました。

私は、大変に喜んでいます。

この知事選では、翁長さんと現職の仲井真さんとの一騎打ち状態でしたが、私は仲井真さんには当選してほしくなかったのです。

というのは、彼は辺野古移設に反対して当選したのに、日本政府から圧力を受けるとあっさりとそれを覆して、辺野古移設を推進する第一人者になってしまった人物だからです。

このような裏切り行為をした人物を、安倍政権は強力に後押しして、「沖縄振興に多額のカネを出す」と言って、カネで県民の心を買おうとしました。

カネの力で解決するという、最悪の解決法に、いまだに自民党は固執しています。

県民を裏切った仲井真さんと、カネで県民を買収しようとする自民党。

この勢力が勝ってしまったら、沖縄の未来はどうなってしまうのか。

もし仲井真さんが当選していたら、私はショックで2日ほど寝込んでいたでしょう。

県民の6~7割は、辺野古移設に反対しており、県外移設を求めています。

今回の選挙結果は、その民意がしっかりと反映されたものと云えます。

沖縄の人は、こう言っています。

「もう我慢するのはたくさんだ。

辺野古移設が実現したら、米軍基地はさらに何十年も固定化されてしまう。

子孫にそんな沖縄を委ねるのは、申し訳ない。

『米軍基地が地域振興になる』と日本政府は言い、それを信じてきた。

だが、米軍基地は経済発展を阻害している。それが分かった。」

まったく正当な意見だと思います。

我が家が購読している毎日新聞やしんぶん赤旗日曜版では、沖縄の声が定期的に載っています。

それを読むと、彼らの切実な思いがひしひしと伝わってきます。

今回の沖縄知事選をつらつらと考えるに、もはや米軍基地を受け入れる土壌が、日本には無くなっていると思います。

最近の日本人を見ていると、米軍基地に好意的な視点はゼロだと思います。

せいぜい、「米軍基地は迷惑だが、安全保障上で仕方ない」という意見の人がいるだけです。

アメリカ軍は、かつては「世界の警察官」などと(西側陣営では)賛美されていました。

しかし、冷戦が終わってみると、『実は世界が混乱しているのは、アメリカが世界中に基地を持ち、他国にちょっかいを出すからだ』との真実が、ばれてきました。

アフガニスタンやイラクに嘘の情報を撒き散らしながら侵攻するアメリカを見た以上、もはやアメリカ軍を「正義の軍隊」などと考える人は皆無です。

現在は、「中国が勢力を拡大してきているので、とても危ない。その抑止のために米軍の駐留が必要だ」との意見が、日本では主流となっています。

しかし、冷静に考えましょう。

中国の周りには、日本よりも軍事力の低い国がたくさんあります。

でも、中国から戦争を仕掛けられた国はありません。

もちろん中国には、チベットに侵攻して自国領にした過去はあるし、海洋進出をして他国と揉めているし、随分前ですがソ連と軽い戦争状態になった事もあります。

しかし、日本に戦争を仕掛けてくるなんて、まずあり得ないです。

第一、日本は世界でも屈指の軍事力を持っているんですよ。

なぜ自国の防衛をするのに、アメリカの助けが必要なのでしょうか。

日本よりも軍事力が無くても、外国軍の駐留なしにやっている国はたくさん居ます。

それに、中国を牽制するために、米軍は韓国などにも駐留しています。

日本から居なくなったからといって、いきなり軍事的な空白ができるはずはありません。

世界の現代史を学べば、中国よりもアメリカの方が危険な国である事、アメリカはいざとなったら簡単に他国に侵攻する事、アメリカは軍事産業で食べている国である事、が分かります。

はっきりと断言しますが、世界で最も警戒しなければならない国は、アメリカです。

そのアメリカに、無条件に近い状態で付いていこうとする自民党は、何の創造性もない惰性による行動をする党ですよ。

(もともと自民党は、アメリカのCIAから秘密資金をもらって政権を維持してきた党史があり、本質的に対米従属です)

沖縄県民の望む米軍の県外移設が実現したとしても、それは基地が別の場所になるだけであって、他の日本国民が苦しむ事になります。

実際に、危険性が指摘されているオスプレイの運用は、「沖縄の負担を軽減する」という名目で、全国の基地に拡がってきています。

沖縄の負担軽減は大切ですが、本当にしなければならないのは、『米軍を日本から追い出すこと』ではないでしょうか。

翁長さんの勝利は、単に辺野古移設の問題だけではなく、日本にいる米軍全体について考える機会にすべきです。

私は、『日米同盟は解消したほうがいい』と確信するようになっています。

日米同盟という縛りから抜け出した上で、新たに日本の外交・安全保障を再構築しましょう。

「アメリカ軍が居ないと、日本は成立しない」なんて考え方は、あまりに情けないです。

それに慣れきっているので感覚が麻痺しているのでしょうが、冷静に見れば「奴隷根性」ですよ。

私は、「中国やロシアの方がいい」と言うのではありません。

そうした大国たちにも、それぞれ問題があると思います。

私が言いたいのは、『日本は、自由に判断・決断ができる状態を取り戻し、その上で国民的な議論を経ながら、各国とのやり取りをしていこう』という事です。

しごく当然の考え方でしょう?

対米従属の日本史は、1945年以来で続いており、もうすぐ70年にもなります。

もう卒業してもいいでしょう。


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