最近、女子バレーボールのVリーグを観ている
有望と思う選手など
(2015.1.30.)

昨年11月から新シーズンが始まった「女子バレーボールのVリーグ」ですが、テレビ放送を観るようになっています。

あまりテレビ放送が多くないので、試合数はそれほど観ていないのですが、1部リーグに所属するチームは一通りチェックしたので、今までの感想を書こうと思います。

ちなみに私は、今まではバレーボールの国内リーグは、全く観たことがありませんでした。

代表戦しか興味が無い状態でしたが、以前に日記にも書いたのですが、最近の女子代表には大きな可能性を感じています。

そこで、国内リーグにも関心を広げることにしました。

Vリーグを観ている人はよく知っていると思いますが、現在は久光がダントツで1位になっています。

外国人の助っ人がいないにも関わらず、1位を独走する久光。

その最大の理由は、『監督の中田久美さんのカリスマ指導』、『エースの長岡さんの活躍』、『チームの一体感』、この3つでしょう。

中田監督は、本当に顔が怖い。

滅多に笑わず、悪化した虫歯が6本あるくらいに、苦痛を感じさせる重苦しい表情をしています。

自分が選手だったら、「怖い、別のチームに移籍したい」と思うでしょう。

しかし、開幕戦でライバルの東レに勝った時には感動して泣くなど、感情的になる時もあります。

そこが、ただ怖いだけの男の監督と違うところです。

私から見ると不思議キャラなのですが、あれが選手からするとカリスマ性に映るのかもしれません。

バレーボールはタイムアウトが頻繁にあり、その時の監督の指示が、中継のマイクに拾われて分かる時もあります。

聞いてみると、ほとんどの監督は役に立たない指示を出しています。

「次の1本だぞ」とか「ここで集中だ」とか「盛り返すぞ」とか、そんな感じです。

それに対して、久光は具体的な指示を出している時が多いです。

「あそこを狙っていかないと」とか「ブロックがきちんと出来ていない」と、指示が細かくされています。

これが、久光の好成績の大きな要因じゃないかと思います。

逆に言うと、プロ・リーグなのに他チームは監督の指示のクオリティが低すぎると思いますね。

久光のエースである長岡さんは、高い決定力を維持し続けており、もはや日本を代表するアタッカーです。

ほとんどの選手は、試合によって出来にばらつきがありますが、彼女にはムラがありません。

そこが、一番の凄さです。

久光では、ブロックで活躍する岩坂さんも、かなりの活躍を見せています。

彼女は、日本代表にも選ばれた事があるそうで、怪我で代表から遠ざかっていたそうです。

今の活躍を見ると、スパイクでも良いものを持っているし、代表入りが確実でしょう。

新鍋さんら他の選手達も、地味なのですが安定した働きを見せています。

久光の強さは、選手の皆が安定した活躍を続けられることですね。

ここからは、久光以外のチームで、印象に残っている選手を挙げていきます。

まず『アタッカー』からです。

これでは、何といっても岡山にいる山口舞さんですねー。

多彩なクイック攻撃で得点を重ねて、絶対的なエースとして君臨しています。

クイック攻撃の上手さでは、日本ではずば抜けた存在で、他の追随を許さないレベルにあります。

代表でも活躍していますが、岡山での活躍をみると、「もっと代表でもやれるんじゃないか」と思ってしまいます。

そして、日立にいる佐々木美麗さんは良いです。

決定率が高いし、安定して得点できる選手です。

スパイクだけじゃなくて、サーブとレシーブも高いレベルでこなせるので、代表入りさせてほしいと思います。

NECにいる白垣さん島村さんも気になっています。

白垣さんは強いスパイクが打てるし、島村さんはクイック攻撃で上手さを見せます。

デンソーの鍋谷さんも、良いものを持っています。

でも調子に波があり、完全に消えてしまう時があるので、まだ代表は無理だなー。

逆に不振が目立つのは、東レの迫田さんです。

彼女は、日本代表ではバック・アタックで大活躍を見せているため、私は期待していました。

ところが、東レでのプレイを見ると、通常のスパイク(前衛における高めのトスからのスパイク)はあまり良くないのです。

私が思うに、迫田さんはジャンプする際の踏み切りに問題があるのだと思います。

彼女はがに股なのですが、それゆえに真上にジャンプする時に力強く踏ん張れていないようです。

バレーボールでスパイクをする時は、基本的には内股にして踏み切ります。

内股でふんばる事で、『走りこんできた前方へのエネルギーを、垂直方向の上に向かうエネルギーに転換する』わけです。

迫田さんは、がに股なので、その転換が上手くいかないらしい。

バック・アタックでは前方に跳ぶため、転換があまり必要ないので良いスパイクをしています。

しかし、前衛でのオーソドックスなスパイクをする際には、走りこんだ前方へのエネルギーを上方向にきちんと転換できず、ジャンプがふらついている様に感じられます。

これを改善するには、がに股は変えられないと思うので、踏み切りでもっと内股になるように意識改革をするのが良いと思います。

改善されれば、もともと高いスパイク能力を持っているので、前衛でも活躍できるようになるでしょう。

『ブロッカー』では、上尾の荒木絵里香さんが良いです。

荒木さんと前述した岩坂さんは、日本人選手では2大ブロッカーですね。

2人はスパイク技術もしっかりしているので、代表に入れてほしいです。

荒木さんは、サーブ技術もVリーグで屈指のレベルです。

彼女は、出産をするために一時引退をしていたそうです。
そのブランクは、全く感じさせません。

『セッター』では、上尾の土田さんがなかなか良いです。

彼女は、トスのフォームが常に安定しているため、精度の高いトスが多いです。

精神的な落ち着きもあり(メンタルが強そうです)、代表に入れてもいいんじゃないかと感じています。

後は、東レの田代さんも、将来性を感じさせます。

まだレギュラー・セッターになって日が浅いのですが、トスの精度が安定しているし、難しい軌道のトスも頑張ってこなしています。

数年後には、日本を代表するセッターになっているかもしれません。

すでに代表入りしている岡山の宮下さんは、圧倒的に柔らかいボール・タッチをしていて、天性の才能を感じさせますが、ゲームのコントロール能力(マネジメント能力)がマダマダだと感じます。

セッターは、野球のキャッチャーと同じで、ゲームの流れを読めないといけないんですよ。

久光の正セッターである古藤さんは、トスの技術は大した事はないと思うのですが、ゲームを読む力が(その時々で最適の人にスパイクを打たせるセンスが)あると思います。

率直に言って、Vリーグのセッターのレベルについては、不満を感じます。

なぜかというと、セッターの基本中の基本である

『ボールの真下にきちんと入っておいて、トスを上げること』

『身体の向きをネットと並行にしておいて、ボールが来るのを待つこと』

 が、おざなりになっているからです。

私が中学のバレーボール部でセッターをしていた時には、顧問の先生から上記の2つのポイントについて、口を酸っぱくして注意されました。

「それがセッターの基本だ。絶対にそこでサボるな。」と、数えきれないほどに言われました。

当時は「もういいだろ、分かってるよ。努力しているけど、なかなか出来ないんだ。」と思ったものですが、彼の指摘の正しさは十二分に理解できました。

その2つのポイントをしっかりと行えば、万全の体勢でトスを上げられます。

すると、精度の高いトスを上げられるし、相手チームからすると何処にトスが上がるのか読めなくなります。

逆に言うと、その2つをサボると、体勢が万全にならないので、トスをきちんと上げられるコースが限定され、 トスのコースが読めるので相手のブロックが付きやすくなってしまうのです。

私は、「プロリーグなのだから、セッターの基本中の基本となるこの動作は、誰もがこなしているはず」と考えていました。

ところが、私はかなり驚いているのですが、誰もこなしきれていません。

特に自分が高い要求をされていたとは思えないので、なぜ彼女たちが実行していないのかが、不思議で仕方ないです。

早急に、改善してほしいです。

最後に、『リベロ』についてです。

残念ながら、傑出した人を見つけられていません。

「こいつ、めちゃくちゃ拾うじゃん」みたいな選手がいるかと期待していたのですが、居ないです。

あえて言うなら、日立の佐藤あり紗さんが頑張っていると思います。

私が思うに、リベロの方々はもっと身体を絞ったほうがいいですね。

現状だとリベロの人は、小柄で肉付きのよい方が多いです。

小柄なのは全く問題ないのですが、あまり肉が付いていると素早い動きや飛び込みがしづらいと思うのです。

サーブやスパイクのスピードが上がっているため、レシーブにもパワーが求められているのでしょうか?

しかし、私の経験だと、レシーブで一番重要なのは、正しいポイント(手首の内側で、2~3cmほど肩方向に寄った所)に、正しい角度でボールを当てる事でした。

バレーボールはとても軽いし(バスケットボールとは全然違う)、猛スピードでも受け手に極端なパワーは必要ないと思います。

(プロレベルのボールを受けた事がないので、確信はありませんが、目で見る限りではそう感じる)

きちんと当てれば、力を入れなくても、自然に良い位置にボールは飛んでいきます。

(私の経験だと、むしろ力んだ時にミスが多かったです)

だから、素早く移動して、最適な位置にベストな体勢で手首を運べるように、身体のスリムさが必要だと思うのですが。

佐藤さんは、Vリーグのリベロの中では細いほうですが、あれ位でいいんじゃないかと思います。

彼女の動きは俊敏で、守備エリアが広いし、飛び込み(ダイビング・レシーブ)もスムーズにこなしています。

あれ位はやって欲しいなあ。

(追記)

この記事を書いた後、Vリーグがプロリーグではなく、社会人リーグだと知りました。
外国人の助っ人もいるし、てっきりプロリーグだと思ってました。

まあ、彼女達はバレーボールを中心に生活しているのだろうし、プロみたいなものだと思いますが。

チームを辞めた選手について、その後にどうなるのか気になったのでチームのオフィシャルページに行ったところ、「勇退選手の一覧」が出ていました。

彼女達の進路には、いっさい言及がありませんでした。

もしかして、解雇されたのだろうか。普通の社員になったのか?


日記 2015年1~3月 目次に戻る