数日前のことですが、「大阪都構想」についてネットで勉強をしました。
以前から気になっていたので、検索して情報を集めたのです。
すると、構想の実体は一般に知られているものと全く違うようで、非常に驚かされました。
(大阪の人は知っているのかもしれませんが、私のような他県の者は詳しい事は知らない)
勉強する中でなかなか面白い事実を入手したので、それを書こうと思います。
まず、検索したらすぐに、『大阪市長の橋下さんと、学者/評論家の藤井聡さんが、激しい論争をしていること』を知りました。
大きな話題になっているらしく、大阪都構想で検索すると上位に出ます。
基本的には、橋下さんが公開の場で口撃をしていて、藤井さんは防戦に努めている。
そうして、ネット上では橋下派が多いようで、藤井さんはボロクソに叩かれているのです。
面白そうだったので、両者の主張について調べる事にしました。
まず、橋下さんの主張について調べると、自民党の大阪市議と討論しているTV番組を見つけました。
で、それを見たところ、橋下さんは「大阪都構想を実現させれば、無駄をはぶけて、財政を健全化できる」と言っています。
彼の主張にはそれなりの説得力を感じていたのですが、彼が無駄をはぶくための具体例をパネルで提示した時に、一気に白けてそこで見るのを止めました。
彼は具体例として、「水道事業の民営化」「2つある公立病院の統合」など、民営化と公的機関の統合を挙げました。
こうした政策は、住民にとって大きなマイナスになるために世界中で問題になっており、特に「水道の民営化」は大問題になっています。
民営化した結果、水道料金が上がって、貧困層では料金を払えず水道を止められる人が続出して、深刻な事態になっている国もあるのです。
橋下さんは、「民営化や施設の統合をすれば全てが良くなる」と考えているようですが、完全に間違った考えですよ。
私は、深く失望しました。
次は、藤井聡さんの主張を調べようと思いました。
そして、彼のホームページ(サトシフジイドットコム)に行き着き、『大阪都構想の内容について語る動画』を見ました。
この動画の内容が、衝撃だったのです。
藤井さんは丁寧に説明してくれて、説得力に満ち溢れているのですが、私は構想の真相を知り本当にびっくりしました。
まず驚いたのは、『そもそもこの政策案(構想)は、大阪を都にするものではなく、大阪市を5つに分割するものである』という事実です。
私は大阪府民ではないので全く知りませんでしたが、今回の構想は大阪府を対象とするものではなく、「大阪市」を対象とするものです。
そのため、大阪府が無くなるわけではなく、必然的に大阪都は生まれません。
私は、「え~、そうなの!! イメージと全然違うじゃん。」と拍子抜けしました。
騙されていたような気になりましたよ。
橋下さんらは、この政策を「大阪を東京と勝負できるような自治体にするために、大阪を都にする」と言ってきたわけですが、実際はそういうものではないのです。
今回の大阪都構想は、実際には『大阪市を、5つの区に分けるもの』です。
私は知らなかったのですが、自治体の「区」と「市」は、位置づけから法律で違うそうです。
市のほうが自立性・独立性が高く、区のほうが都道府県への従属性が高い。
つまるところ、『大阪市を区にする事で、今までよりも強く大阪府の管理下に置くこと』が、この政策の目的らしい。
管理下においた上で、民営化を進めて、一部の企業に儲けさせる。
これが、橋下さんが本当にしたいことなのだと思います。
藤井さんの動画を見ていて、彼の誠実な人柄をひしひしと感じました。
彼の人格を非難するなんて、橋下市長も橋下派のネット右翼も、どうかしていると思います。
実のところ、藤井さんが真実を明らかにしてしまったため、橋下さんは激しく非難することで誤魔化そうとしているのでしょう。
そう考えると、今の事態をきちんと説明できます。
大阪都構想は、公明党が選挙対策のために維新と談合して手のひらを返したこと(住民投票の実施について、反対から賛成に転じたこと)により、住民投票にかけられる事になりました。
5月に投票が行われるのですが、おそらく否決されるでしょう。
橋下さんは、「住民投票で否決されたら、政界を引退する」と言っています。
しかし、彼は簡単に前言を撤回するタイプなので、おそらく引退しないと思います。
事態の推移を、注視していきたいと思います。