昨日(28日)に、なでしこジャパンはW杯の第5戦目となる「対オーストラリア」の試合をしました。
これは、W杯の準々決勝の1つです。
結果は、1対0での勝利でした。
なでしこジャパンは、ベスト4まで進むことになりました。
とりあえず、おめでとうございます。
メディアの報道を見ると、「日本が今大会で目指す最低ラインは、ベスト4」という感覚があったみたいです。
解説者やアナウンサーは、今までになくほっとした表情を見せていました。
多くの識者が言うように、この試合では日本が主導権を握り、危なげない試合運びでした。
試合終了間際に日本はCKから得点したのですが、1対0のスコア以上にオーストラリアを終始圧倒していましたよ。
試合後のインタビューで佐々木監督と宮間キャプテンは、「日本は良いサッカーをするようになってきている。0対0の状況が長く続いたが、負ける気はしなかった。」と語りました。
私も同じで、0対0の状況が続く中でも日本選手は焦らなかったし、内容で上回っていたので「これなら、そのうち得点できる」と感じていました。
私は準々決勝の1つである「ドイツ対フランス」の試合も見ました。
ドイツが勝ちましたが、PK戦にもつれ込む接戦でした。
私は、「ドイツが最も強い」と考えていたので、フランスのほうが良いサッカーをするのには驚きましたねー。
負けてしまいましたが、フランスはパスワークが見事で、中心選手のネシブさんは素晴らしいテクニックを見せていました。
この試合を見るかぎりでは、ドイツは大会中に調子を上げてきておらず、日本の方が現状では良いサッカーを見せていますよ。
日本は大会当初よりも格段にクオリティが上がり、現状では勝ちあがってきた他の3チームよりも良いサッカーをしています。
ですから、優勝する可能性も高まってきました。
私は3月のアルガルベ杯での惨敗を受けて、「W杯まで時間がないから、サッカーの質は大きく変えられないだろう。日本の連覇は厳しい」と思い、危機感を持って見つめてきました。
しかし実際には、W杯が開幕してから大きく質が上がり、もはや別のチームです。
なでしこの選手たちの適応力やサッカーIQの高さには、驚かされっぱなしです。
まさか大会中にここまで進化するとは。
もちろん、なでしこの急激な進化は、周りのサポーター達の応援やアドヴァイスがあってこそです。
私も日記で取り上げて、改善すべき点をたくさん指摘してきました。
サッカー日本代表は男女ともに、「修正」とか「課題」という言葉が大好きです。
選手のインタビューでは、しょっちゅう出てくるフレーズです。
「真面目な人達だなあ」と感じつつ見つめてきましたが、男子はなかなか修正をできないのに、女子は問題点をすぐに克服(修正)してしまうのです。
この差は何なのでしょうか。
なでしこジャパンが修正をしなければならなかったものの1つに、「試合を通してしっかり動き続ける」というのがありました。
W杯の1~2戦目は、動きが重くて、後半には運動量が落ちていました。
この点も、きっちり修正されましたねー。
もともと日本は運動量(動きの質)で相手を上回るのが特徴なので、そこを表現できるかは勝敗を分けるポイントと言えるくらいです。
ここが改善(修正)されたのは大きい。
ここからは、オーストラリア戦の感想を書きます。
まず感じたのは、ボランチで出場した宇津木さんの素晴らしさです。
この試合での彼女は、今まででベストのパフォーマンスだったと思います。
守備も攻撃も最高でしたね。
特に守備では、ボールホルダーへの寄せがとても早く、相手に前を向かせないようにプレッシャーをかけ続けていました。
大儀見さんも、最高でしたね。
ボールをもらえばほぼキープし、味方が上がるのを待って、時には逆サイドまでパスを出していました。
今までの彼女は、逆サイドまで見る力は無かったですよ。
視野が広がり、パスの精度も上がって、ゲームの組み立てに参加できるようになってきました。
もう少し、味方のサポートがあるといいんですけどねー。
大儀見さんがボールをうけた時に、近くに誰もいない状況がかなりあり、「誰か1人は居てあげないと、可哀相だな」と思いました。
この試合では、出場した選手の全員が、パフォーマンスは良かったです。
あえて言うなら、宮間さんがいつもよりもパスの判断が遅い気がしました。
彼女は、少し疲労が出てきていると思う。
ずっと出場し続けていますからね。
次の試合は、状況しだいでは途中で彼女を下げるのも手だと思います。
GKの海堀さんは、前試合の対オランダで失点につながるミスをしていたので、先発メンバーに入ったのに驚きましたが、安定したセービングをしました。
使った監督も、それに応えた海堀さんも、素晴らしいなあと感じました。
不満に思った点は、「鮫島さんと阪口さんのセンタリングの精度」です。
ペナ内の状況が「良いセンタリングを上げれば、決定的なチャンスになる」という場面で、誰にも合わないパスを何回も出していました。
彼女達がクオリティの高いセンタリングを上げていれば、1点は入っていたと思います。
阪口さんはパス技術があるのだから、落ち着いてパスを出せばいいだけなのに。
もっと輝ける人ですよ、貴方は。
あとは、攻撃のテンポが遅いのも気になりました。
特に、最終ラインでのパス回しが遅い。
CBやSBのパス回しは、ミスしたら失点に繋がるので慎重になるのは分かるけど、もう少し速いスピードでパスを回せると思うし、そのほうが前線と中盤の選手はフリーになりやすくなる(もっと楽になる)。
状況にもよるし、ゆっくり回したほうがいい時もあるから、難しい選択ではあるけど。
守備に関しては、ほぼ完璧でした。
カウンターを食らった時に、まだ少しばたつく事があります。
オーストラリアは最後はパワープレイをしてきましたが、ああいう時にペナ内でファウルをしてしまうのだけは避けないといけない。
冷静さを保てるかどうかが重要なのですが、日本の守備陣はこの点で優れている。
だから大丈夫だと思うが、いちおう注意を喚起しておきます。
(2015年6月30日に追記)
準々決勝の「アメリカ対中国」を録画してあったので、観ました。
そうしたところ、アメリカが素晴らしいサッカーをしているのに気付きました。
攻撃も守備も選手の連係が素晴らしく、常に中国を圧倒していました。
予選の試合ではぱっとしなかったのですが、調子を上げてきていますよ。
私は「この出来だと、おそらくドイツに勝って決勝戦まで進む」と感じました。
アメリカは、選手全員がドリブルに達者で、ショート・パスが次々と繋がります。
最初のほうで「日本は他の3チームよりも良いサッカーをしている」と書きましたが、アメリカは日本と同等かやや上のレベルのサッカーを見せています。
私は認識を改めました。