バレーボール女子代表の試合を観て
(2015.8.20.)

7月のことなのですが、バレーボール女子代表の試合が3つ、TV放送されました。

これは、「ワールドグランプリ2015」という大会の、日本シリーズでの試合です。

8月に始まる重要な大会『ワールドカップバレー』の前哨戦というべきものであり、私は全3試合を観戦しました。

『ワールドカップバレー』はオリンピック出場をかけた大会で、22日に開幕します。
私は、とても楽しみにしています。

そこで直前になった今、7月の3試合の感想を書こうと思います。

ちなみに『ワールドカップバレー』は日本で開かれるので、現地観戦しようかとも思いましたが、チケットが高値なので断念しました。
最高額の席が1万円とは、完全にぼっていると思う。

「日本戦以外にも2試合見られるから、高くないぞ」という事なのでしょうけど、日本戦以外も見る人がどれほどいるのだろうか。

さて。
試合の感想に入りますが、私にとってはかなり拍子抜けするものでした。

というのも、本来ならばエースとして活躍しなければならない人、木村、長岡、江畑、迫田の4人が、全く活躍しなかったからです。

代表入りして間もない、若手の2人(古賀さんと宮部さん)が活躍したので、何とか誤魔化せましたが、危機的な状況と言っていいでしょう。

江畑さんは、負傷で離脱していたので、仕方ないです。
彼女はここまでの試合で活躍をしていたようなので(放送してないので詳細は分からないが、ダイジェストを見ると活躍していた)、負傷してしまったのは残念です。

私が許せないのは、『長岡さんの腑甲斐なさ』です。

今や日本のエース最右翼なのに、相手のブロックに止められると簡単に心が折れてしまうのです。
そして、泣きそうな情けない顔でうなだれるばかり。

あまりの腑甲斐なさに、私はキレる一歩手前になりましたよ。

「何をやっているんだ、長岡! お前が日本のエースなんだぞ。
 古賀と宮部にいい顔をさせているんじゃない。
 2人が全く目立たないぐらいに、お前が決めなくてはいけないんだぞ!」と、怒りが爆発しそうになりました。

出来る事ならば、彼女の後ろに回りこんで、ケツにかんちょうを決めたかったです。

あれだけの才能を持ち、左利きという貴重な個性も持っているのだから、活躍してくれないと困る。

古賀さんと宮部さんは、まだ10代ですが、かなりスパイクを決めてみせ、すでにある程度世界レベルで通用する事を証明しましたね。

古賀さんは、すでに完成度の高いスパイクをしているので、経験を積むだけでもっと良い選手になるでしょう。

いっぽう宮部さんは、スパイクの姿勢が悪いので、それを直さないと厳しい。
今は、ジャンプ力と勢い(若さ)だけで活躍している状態です。

宮部さんは、レシーブ技術も未熟です。
でも、まだ高校生なので、これから伸びていくと思う。

この3試合では、ミドルブロッカーの「島村さん」の活躍が目立っていましたねー。

私は彼女を推していたので、大活躍を嬉しく誇らしく見守りました。

ここまで実力を見せた以上、代表に定着するのは間違いないでしょう。

私にとって嬉しい誤算だったのは、ほぼ初めての代表選出にも関わらず、全く物怖じせず、むしろ古参の選手のようにキャプテンシーを発揮していた事です。

「そんな能力まで持っていたか、よしよし」と、満足感で一杯です。

島村さんは、所属するNECでも新たにキャプテンに指名されたという。

さらなる成長を期待してよさそうです。

私が以前に「良いスパイクをしている」と評した鍋谷さんも、なかなかの存在感を示しています。

眞鍋監督によると、ブロックが上手いとの事。
私はそれには気付きませんでした。でも、気をつけて見ると、確かに上手い。

私が「キャプテンシーがある、日本屈指のリベロだ」と評した座安さんは、もう代表でもリベロの中心になりつつある。

佐藤澪さんも、初選出なのに頑張っていますね。
彼女はポジショニングや判断力を磨いてほしい。

3試合では、「レシーブのミス、レシーブ技術の不足」が目立ちましたね。

強豪国と比べると、レシーブに安定感がない。

女子代表の試合を見始めてから1年ほど経ちますが、日本は高さとパワーではどうやっても勝てないです。
そして、いくつかの部門で世界一にならなければ、金メダルを取るのは不可能です。

こう考えると、『レシーブとサーブで世界一』にならないと、金メダルは無いのではないか。

あとは、トス(セッター)の技術でも世界一になりたい。

正直な話、スパイクとブロックでは、どれだけ努力しても世界一は無理です。

もちろん努力しなければならないが、世界一になれないのを自覚しておく必要がある。

眞鍋監督もレシーブの必要性を悟ったようで、先日に放送された日本代表を宣伝するTV番組では、女子代表は『レシーブ練習を重点的に行って』いました。

私は「同じ感覚を共有している」嬉しくなりました。
でも、練習方法にやや疑問を持ったのです。

というのは、飛び込みレシーブを練習している様に見えたからです。

私が女子代表のレシーブで不満を感じるのは、「身体の正面に来たボールなのに、それをきちんとセッターに返せないことが多い」点なのです。

つまり、もっと基礎的なレシーブ技術の問題であり、『身体の正面に来る速いボールを、くり返しレシーブさせる練習』の方が効果が出る気がするんですよ。

激しく飛び込んでレシーブしなければならないボールは、そもそも取れなくても仕方ないです。

そういうボール(スパイク)については、ブロックを改善して、減らす工夫が大切だと思う。

私は放送された3試合を見て、『ブロックを強化するために、岩坂さんを呼ぶべきだ』と思いました。

中国のシュテイさんのような特大の選手がスパイクをすると、現代表のブロッカー達だと触る事すら出来ません。

日本のブロッカーで最も身長のある岩坂さんを呼び、ブロック技術を徹底的に鍛え上げて、シュテイさんらの高い打点のスパイクにも触れるように育てましょう。

ブロックに当てられず、ダイレクトに高い位置から強烈なスパイクが飛んできたら、レシーブ技術が高くても取れないですよ。

ブロッカーでは、島村さんと山口さんが技術の総合力で抜けていますが(あともう1人、荒木絵理香もすごい)、相手が高さのあるチームの時は岩坂さんを起用すればいい。

セッターでは、ベテランの古藤さんが頑張っていますね。

私は以前の日記で、「彼女は頭は良いが、トス技術が平凡」と書きました。
しかし、このところ成長を見せており、トスのフォームが美しくなってきて、すごく安定感が出てきています。

「良いセッターになってきたなあ」と、感心しております。

ベテランらしくチームを引っ張れれば、さらに高評価になります。

少し話は変わりますが、先に触れたTV番組では、1つ私は驚いた事がありました。

それは、木村キャプテンのインタビュー時のコメントです。

彼女は、「私はキャプテンに向いていなくて、皆の心に響く言葉は言えません。でも、皆をプレイで引っ張れるように頑張りたいです。」と、涙目で語っていました。

普通の人なら「大変なんだなあ」と同情するだけの場面でしょうけど、私は「ドキッ!!」としてしまったのです。

というのも、私は日記で女子バレーを取り上げた際に、2回も「木村さんはキャプテンに向いてない」と指摘し、「座安さんに替えたほうがいい」とまで書いているからです。

なので、木村さんが涙をためながら話すのを見て、「えっ! もしかして俺のせい?」と思ってしまい、平常心ではいられませんでした。

私の知る限りでは、「木村はキャプテンに向いていない、替えたほうがいい」と言っている方は、他にはいません。

むしろ、「よくやっている」という評価が多いと思う。

だから、私の発言を受けたコメントのような気になってしまったのです。

彼女の泣く一歩手前の顔を見て、「悪い事をしたのかなあ」と少しだけ反省しました。

彼女が悩みながらキャプテンをしていると知り、「彼女なりに自覚を持って取り組んでいるんだなあ」と気付きました。

とはいえ、木村さんだけでは物足りないのも事実です。
だから、座安さんを副キャプテンにして、大幅に彼女にサポートしてもらうのが良いと思う。

木村さんの「なごみ色」と、座安さんの「知的な情熱色」を合体させれば、良い形のリーダーシップが生まれるかもしれない。

さらに話は変わりますが、木村さんは、久しぶりにショートカットの髪型にしましたねー。

数年ぶりだという。そういえば、木村沙織といえばショートカットのイメージがどことなくある。

すごく若返り、かわいくなったと思う。

ちなみに、迫田さんもショートカットにし、同様に若くかわいらしくなりました。

私が思うに、バレーボールではショートカットが王道です。
ロングだと、髪がバッサンバッサンするので、見ていて見苦しく(暑苦しく)感じます。

金髪(茶髪)だと、バサバサしてもあまりビジュアル的に見苦しくない。
だから、長髪にするなら髪を染めると良いです。

皆が短髪なのも詰まらないので、ロングの人物もほしい。

私の好みでいうと、山口さんはロングが似合っている。
大人の女という雰囲気が出ていて、クールだと思う。
彼女は髪を染めていますね。ぜんぜん暑苦しくない。

私は、『女子バレーボール選手のほとんどが黒髪』なのを、高く評価しています。

美しいと思うし、日本らしいと思う。
「何て綺麗なんだ、日本女性は」とすら思ってしまう。

私がなでしこジャパンに抱く一番の不満は、実はプレイではなく、『茶髪が多いこと』なのです。

正直に告白するが、品がないと思ってます。

「澤、お前はえらい。周りに流されず黒髪だからだ。」と、澤さんの黒髪ロングを高く高く評価しています。

サッカーは外でのプレイだから、「黒髪だと暑い」という事情もあるのだろうと推測します。

でも、黒髪の方が綺麗に見える。(少なくとも私の目には)

茶髪で顔が黒いと、美しい色合いにならず、顔のイメージがかなりダウンする。
配色バランスを考えてほしい。

話をバレーボールに戻し、まとめに入ります。

今の女子代表は、選手層という面では、私がバレーボールを見始めた1990年代前半からでは最高だと思います。

古賀、宮部という2人が出てきて、アタッカーでは誰を使うか迷うほどの陣容となりました。

こんなに才能のあるアタッカーが揃っている事は、今までなかったと思う。

これほどの陣容は、率直にいってなかなか集まらないでしょう。

つまり、オリンピックの金メダルを目指すならば、来年かその次がベストです。

「数十年に1度のチャンスだ」と自覚して、選手やスタッフには取り組んでもらいたいです。


日記 2015年7~9月 目次に戻る