国民の過半数が違憲だと理解し、反対もしていた『安保法案』が、国会で自公により強行可決されました。
「違憲だ」と憲法学者が指摘し、かつて裁判官をしていた者達も指摘し、世論調査でも50%以上の人が「違憲だ」と答えていたのに、です。
この事態を受けて、意識の高い国民は「今の日本は危機的な状況にある。最高法規である憲法がここまで軽視されていては、国家の行く末は真っ暗だ。国政を大きく変えなければならない。政権交代を実現させなければならない。」と痛感しています。
この認識は、実は『日本に暮らす志士たち』の間では、もっと前から共有されていました。
話は少し脱線しますが、私は日本の事を本気で憂えている者は、『今回の安保法には反対し、アメリカに従属する体制の打破を目指している者達』と考えています。
私を含めた、そうした真の日本の独立を目指す愛国者達を、「志士」と呼ぼうと思います。
かつての日本では、西郷隆盛や勝海舟や坂本龍馬が日本の未来を憂えて、新しい日本を生み出そうとしました。
今の日本でも、多くの者が『これからの日本が進むべき新たな道』を示そうとしています。
彼らは、「原発はもう要らない。再生可能エネルギーに変えよう」とか、「日米安保は不平等条約である。これを改正もしくは解消しよう」とか、「弱者を切り捨てる今のシステムは間違っている。私達はお互いに助け合う必要があり、弱者に寄り添う事が大切だ」と訴えています。
志士たちはいつの時代も、底辺から国を変えようとし、庶民に訴えかける。
勝や坂本は、士農工商の時代に、貧しい武士や農工商の身分の者に「新しい日本はこう在るべきだ」と語りかけました。
真の愛国者は、決して安倍晋三らではありません。
本物は、庶民に新しい姿を(時代の先をゆくビジョンを)語りかけます。
お友達や金持ちに語りかける者が、本当の変革を行えるはずもない。
物事をじっくりと観察・理解している人ならば、私の言う事に頷くと信じます。
話を戻しましょう。
「志士たち」は、安倍政権が発足する前から、危険性や暴力性に気付いていました。
というのも、第一次・安倍政権の時に、どうしようもない政治をした実績があったからです。
本当に見る目のある者は、安倍晋三が自民党の総裁に返り咲いて以降ずっと、「自公に票を入れてはいけない。彼らが政権を担当したら、日本は破壊される。」と訴えてきました。
だが耳を傾ける国民は少なく、安倍は首相となり、その地位に留まってきました。
それがようやく、ここまで日本が破壊された後に、国民の大多数も「安倍らはろくな政治をしない。それどころか、危険で愚かな政策ばかりをし、嘘をつきまくっている。」と気付き始めました。
国民は、志士たちの言葉を軽視していたが、「どうやら正しいらしいぞ」と認め始めています。
「安倍さんは『景気は良くなり、国民の暮らしは向上している』と言い続けているが、実感はない。嘘じゃないか。
そもそも、経済を重視すると言いながら、安保法制など自分のやりたい事ばかりしている。
アベノミクスに期待したが、裏切られたよ。
アベノミクスの第二弾というものも、全く期待できないなあ。」
これが、人々が口には出さずとも感じている事でしょう。
前置きが長くなってしまいました。本題に入ります。
この現状を見て、先日に日本共産党は、『国民連合政府』なる構想を提唱しました。
名前はいかめしいですが、これは要するに、「安保法案に反対した野党5党が連携し、選挙協力をして政権をとろう。政権をとったら、安保法の廃止など『日本を取り戻す作業』をしよう。」というものです。
そうです。これは、日本を取り戻すための提案です。
「日本を取り戻す」と豪語して、日本を破壊し戦前に戻そうとしている安倍晋三。
「戦前の日本よりも今の日本の方が良い」と知っており、安倍らの目論見を打破しようと頑張っている者達。
どちらもが、日本を取り戻そうとしている。
戦前の日本を取り戻すか、戦後に続けてきた日本を取り戻すか。
この合戦が、今の日本では繰り広げられているのです。
安倍らが、戦前の日本を取り戻そうとしている事に疑問を持つ人は、「大阪にある塚本幼稚園」をネット検索して調べて下さい。
この幼稚園は、安倍らが肩入れしているのですが、恐ろしい教育を施してます。
この教育を評価できる人は、そうはいないでしょう。私は鳥肌が立ちましたよ。
この合戦は、後者(戦後の日本社会を取り戻そうとしている側)が勝つでしょう。
なぜなら、戦前の日本に戻るのを好む人は少ないし、後者には新しい日本を創造しようとする意欲(前向きなエネルギー)もあるからです。
霊的な話になりますが、この世界は、「前向きなエネルギー(愛)」と「後ろ向きなエネルギー(不安)」で成立しています。
そうして、前向きなエネルギーが勝つように出来ています。
だから、より民主的な社会を求める人々は、心が折れて諦めることをしなければ、必ず勝ちます。
現在の日本では、底流で新しい動きが起きています。
虐げられてきた庶民たちは、生活が限界にきており、大きな変革を求めています。
多くの国会議員など既得権益の享受者たちは、この流れ(動き)を理解していません。
彼らは、「日本人は保守的だから、なんだかんだ言っても現状で諦めるはずだ」と信じています。
自分達の利権や地位は安泰だと、たかをくくっている。
だが、人々は目覚めつつあります。
デモや集会が復権してきて、公の場で自分の意見を(本心を)述べる者は増えてきました。
ネットサーフィンをすると、意識の高い人が多いのに驚かされます。
彼らは大手メディアの情報を鵜呑みにしないし、自分の意見をきちんと述べています。
そしてその意見は、へたなジャーナリストの記事よりも、内容が濃いです。
この胎動を一番感じている政党が、日本共産党です。
驚く人もいるでしょうが、今の国会にいる政党の中で一番感受性が高い(庶民の暮らしに精通している)のは、この党なのです。
そもそも日本共産党は、貧しい人々が支持層になっています。
党員は全国にいますが、彼らの多くは社会の弱者を助ける活動に関わっており、弱者の生活や要望に詳しいです。
この点は、私は高く評価していますよ。
元から日本共産党には弱者に寄りそう傾向がありましたが、党是が極端で硬直的だったり、インテリが上層部を占めていたりして、「庶民の味方」という雰囲気ではなかったのです。
それが最近、党の方針に柔軟性が出てきたし、インテリ色(頭でっかちで理論闘争ばかりをする感じ)が無くなってきました。
正直な話、多くの国民にとって(私もそうですが)、共産主義の理論なんて、どうでもいいです。
皆で富を分かち合ったり、弱者を切り捨てないことに、理屈なんて必要ですか?
理屈も理論もいらない。
愛の心を忘れなければ、人間は皆で分かち合う道をいつだって自然に歩けるのです。
理論闘争(共産党の内部での理論を掲げた派閥抗争や、他党との口論)くらい不毛なものはない。
あれは、共産主義を殺す、最悪の行いです。
私は何が言いたいかというと、「日本共産党は弱者の目線に立てるので、ポテンシャルはとても高い」「党として社会の問題部分を熟知している」「最近は柔軟性が高まってきた」です。
この事実があるから、選挙で躍進するのが続いているのです。
野党の大胆な連携についても、庶民の気持ちを知っているからこそ、打ち出してきました。
かつての日本共産党は、弱者の要望は知っていても、それを実現するよりも党の方針を優先していました。
ここが、大きく変わってきたと思います。
残念なことに、共闘・連立政権を求められた民主党は、あまり乗り気ではありません。
民主党のだめぶりが、顕著に現れていると思います。
私は先日に、TV番組に出演した民主党の細野豪志さんの話を聴きました。
彼は、「共産党とは政策が大きく異なるので、連立政権は無理。選挙協力なら検討する。」と言っていました。
この意見の是非よりも、私は細野さんが「自民党と大差ない政治を指向していること」、「政権を担った経験をやたらと強調し、それにあぐらをかいていること」、「なぜだか分からないが、自公が失速したら民主党の時代が再び来ると盲信していること」に、失望しました。
はっきり言って、細野豪志さんはバカだと思います。
国民生活を良くしようという気概が感じられず、権力をもう一度握ることを夢見ているだけ。
彼は、「我々は政権を担当した事で現実を知っている」と強調するのですが、「改革を実行する気はありません」に聞こえてしまいます。
ぶっちゃけた話、民主党は小沢一郎、鳩山由紀夫、菅直人らが居なくなって以降、改革の意欲は後退し、『料理した後の残りもの』みたいな状況にあります。
(※小沢と鳩山は、自民党を倒して政権交代を実現させた時の中心人物でしたが、その後の党内抗争に敗れて党を去りました。
菅はまだ居るが、もはや存在感はないです。)
民主党内の左派には私も共感できるのですが、いざとなると右派と(細野豪志らと)妥協するので、党全体として「中途半端で煮え切らない」状態です。
それなのにもう1度自分達だけで政権を運営できると考えるなんて、バカと言われても仕方がないです。
あの共産党が歩み寄ってきたのだから、今度は民主党が歩み寄る局面なんですよ。
なんでそれが分からないかなー。
その一方で、共産党の側にも問題があります。
というのも、「選挙で勝って連立政権を成立させたら、安倍政権のつくった安保法を廃止する。その後は、共闘してきた他党と一緒には続けられないので、再び国政選挙をする。」と言っているからです。
せっかく選挙で勝って(国民から票を入れてもらって)政権をとったのに、いくつかの政策を実行したら解散・総選挙をすると言うのです。
バカか、あんた。
そもそも国政選挙は、大変な金額とエネルギーを国民に強いるものです。
それについて、軽々しく「解散・総選挙をする」と言うな!
安倍晋三じゃないんだから、自分の都合で解散をするんじゃない。
国民が1票を投じてくれる事を、もっと深刻に考えないといけない。
野党5党がきちんと選挙協力をすれば、政権交代を実現できるのは間違いないです。
それは、多くの人が感じていると思います。
だからこそ、野党5党はもっと話し合って、政権についた時にどう協力していくか(合意できる政策は何なのか)を決めなければなりません。
最初から「政策が違う」と言っていたら、何も進まないでしょ。
自民党と公明党の結びつきは、私欲まみれの野合そのものですが、お互いに歩み寄る態度では野党5党よりも優秀です。
逆に言うと、そこしか優っている部分はないです。
野党5党は、何度も何度も話し合い、『この政策では一致して取り組める』というものを、出来るだけ沢山、見つけ出す必要があります。
そうして、「合意した政策を、政権をとったら最優先で行う」と約束しましょう。
こうすれば、4年くらいは一緒に活動できます(つまり政権運営ができる)。
衆院選で勝って政権交代を実現してから、次の衆院選まで一緒にやれます。
日本共産党は、もっと冷静に考えるべきです。
考えてみてほしい、あなた方は長い党史を誇りにしているが、1度も政権の座についた事はないではないか。
ようやく、政権の座が見えてきたのじゃないか。
旧来の政治を打破し、日本に新風を起こす機会が現れているのだから、もっと本気になるべきじゃないか?
私は日本共産党に言いたい。
「君が一番実力があるのだから(日本の問題点を知っているのだから)、もっとリーダーシップを発揮するんだ。
知識の深さや度量の大きさを、国政の場で見せつけてしまえ。
新しい日本を創るんだろ、もっと身を捨ててかかるんだ。
気迫を持って、腹を割って、民主党らにぶつかっていけ。
『長期政権を担って、弱者をみんな救済してやる』という気概を持て。
軽々しく解散・総選挙を口にしてはいけない。」