数日前に、汚職が(口利きをして賄賂をもらう行為)が判明したため、安倍内閣の1員である甘利明は、大臣を辞めました。
甘利の秘書は、UR(都市再生機構)と建設会社の補償問題で、多額の補償金が出るように口利きをしたのです。
そして建設会社から、判明しているだけでも1200万円(数千万円に及んでいるとの報道もある)を、『口利き料』として(現金や接待で)もらった。
この事件では、「甘利本人が、大臣室で50万円をもらった」とか、最大の問題とはズレた所でメディアは騒いでいる気がする。
これだけを見て、「小額じゃないか」と勘違いし、「可哀相だ」と言う一般人まで出ている。
だが一番の肝は、『URという国民のお金と資産から成る組織が、2億円を超す補償金を建設会社に支払ったこと』と、『その補償金のかなりの額が、甘利事務所の懐に流れたこと』です。
要するに、国民のお金が2億円以上も支出され、そこから少なくとも1200万円が甘利の所に流れ込んでいたのです。
弁解の余地も、同情の余地も、いっさい無い。
いまのところ、ポンッと2億円超のカネを出したURは、メディアの調査対象になっていません。
だが、私が軽くネットで調べても、経営実態は酷い。
国が運営する特殊法人や独立行政法人が、事業を下請けに発注し、受注した会社がボロ儲けをする手法は、よく知られている。
合法的な汚職が蔓延しているだが、国民の財産を「補償金を支払う」という形で着服する手法も、あるのですねえ。
甘利明については、「TPPで頑張った」とか「アメリカはタフな交渉者として尊敬している(だから甘利さんは偉い)」と述べて、高い評価をしている人がいます。
国会で決議されたのに、自民党は守ると公約していたのに、『重要5品目』は守れなかった。
それなのに、TPPで頑張ったといえるのか?
アメリカに尊敬されているというのも、彼がダメな仕事をしたからですよ。
もし本当にアメリカを困らせるタフな交渉をしていたら、評価されずに嫌われたはずです。
今回の甘利辞任を受けて、アメリカが「本当に嬉しい。あの男はめちゃくちゃやっかいな人物だった。大臣じゃなくなって、大助かりだ。」と言っているのなら、タフな交渉者だった事になる。
甘利大臣はTPPの交渉中に、アメリカの交渉担当者と仲良くしている姿が、たびたび報じられてきた。
それが、すべてを物語っていますよ。
私は、甘利大臣も、安倍首相も、安倍政権も、全く信じていません。
『安倍晋三とその仲間たち』を、全く信じていません。
彼らが行ってきた3年間の政治は、あまりに酷い。
「民主的で進歩的な政治は、全く行われなかった」と言っていい。
甘利さんは、口利きについて説明し大臣辞任を表明した会見で、冒頭にこう言った。
「国民の皆様に心配をかけてしまい、申し訳ありません。」
甘利明よ。
私は、君のことも安倍政権のことも評価していない。
だから、全く心配をしていないぞ。
ただ激しく怒っているだけだ。
国民にお詫びをしたいなら、さっさと議員辞職をしろ。
安倍晋三とその仲間たちには、こう言いたい。
「私が一番心配しているのは、『無能な君達が国政の中心にいること』だ。
国民を安心させたいなら、さっさと内閣を総辞職して、もっと国民のために働ける人にポストを譲りなさい。」
ここからは、2月2日と3日の毎日新聞から、いくつかの記事を抜粋したいと思います。
これを読めば、甘利や安倍政権に同情する人はいなくなるはず。
(以下は2016年2月2日の毎日新聞から抜粋)
2月1日に、URは、担当職員と甘利明の秘書らの面談内容を公表した。
2013年6月~16年1月にあった計12回の面談のうち、10回分を一部黒塗りで公表した。
URは独立行政法人だが、職員は法令で公務員に準じる扱いをうける。(みなし公務員)
2015年10月9日の議員会館での面談では、補償交渉をめぐって秘書は、「結局はカネか。少しイロを付けて地区外に出て行ってもらう方が良いのでは。」と発言している。
15年12月1日は、甘利秘書はUR側を地元事務所に呼び出し、「(建設会社に対応して)事務所の顔を立ててほしい」と要望した。
こうした発言にも関わらず、URは口利きを否定している。
UR側は、「先方(建設会社)に希望する補償額を聞いてしまうと、そちら(甘利側)も当方も厳しくなる。」と言い、秘書らに忠告していたという。
URは、1日に国会で面談内容を説明した。
天河宏文・理事は、「口利きや斡旋を否定できないのではないか?」との質問に、「それはあります。」と答えた。
建設会社が甘利事務所に解決を頼んだ(口利きを頼んだ)紛争は、2つあった。
最初のものは、建設会社の敷地の一部を地主が県に売り、同社の建物の一部移転が必要となったため、5億円の補償を求めたこと。
建設会社は、2013年5月に甘利秘書に相談し、同年6月に秘書はUR本社に赴いた。
交渉の結果、同年8月に2.2億円の補償金を支払うことで決着した。
その後、甘利本人が大臣室で現金50万円をもらうなど、カネと接待を受けた。
2014年になると、建設会社は「道路工事の振動で建物が歪んだ」などと主張し、新たな補償をURに求めた。
その後、甘利秘書はURと頻繁に面談してきたが、この紛争はまだ解決していない。
(この建設会社は、ヤクザ系の会社なのだと思います。
補償金を請求する理由が、いかがわしい。)
(以下は2016年2月3日の毎日新聞から抜粋)
甘利秘書の1人が昨年に、偽名を使って件の建設会社の社員になりすまし、補償問題を話すURとの交渉に参加していたことが、明らかになった。
URが野党議員に説明した。
昨年11月12日に、URと建設会社は面談したが、そこに甘利秘書が「社員の佐藤」との偽名で参加したのだ。
甘利側は、昨年10月以降、補償金の上積みを求める働きかけを、強化していた。
(抜粋はここまで)
どうでしょうか。
甘利明の腹黒な政治活動が、見えてきたと思います。
この汚職を受けて、野党は『企業・団体からの献金を禁止すること』を求めています。
だが、肝心の自民党は消極的な姿勢をしており、「これからも汚職をしていきます」と宣言している様な状態です。
(以下は2016年2月2日の毎日新聞から抜粋)
甘利大臣の金銭授受問題(汚職・口利き)を受けて、野党各党は『企業・団体からの献金を禁止する方針』で、足並みを揃えた。
民主党内には慎重論もあったが、枝野・幹事長が「検討を急ぎたい」と発表し、維新の党と共同で法案を提出することになった。
共産党は、すでに禁止するための法案を提出していたが、それを取り下げて民主などと連携する可能性を示している。
(共産党は、ずっと前から企業・団体献金の禁止を訴え続けています)
社民党も、民主党との共同提出を目指す。
おおさか維新も、「呼びかけがあれば協力する」と述べている。
現状では、政治家が支部長を務める政党支部への、企業献金が認められている。
政党が、政治家の指定する資金管理団体へ資金を移すのも可能だ。
このため、政党や政党支部への献金禁止を、法案に盛り込む。
ただし、共産党が提出した法案にある「企業・団体によるパーティー券の購入の禁止」は、見送る方針だ。
(共産党は一貫して、実効性のある強靭な献金禁止の成立を、政策にしています。私は高く評価していますよ。)
自民党は、禁止に反対の立場だ。
野党は、自民の慎重姿勢をあぶり出したい考えだ。
(抜粋はここまで)
まとめに入ります。
国民の為に政治をしているのは、どの党なのか。
今回の事件を(汚職を)きっかけに、よく考えましょう。