LPレイザーの音質向上がすばらしい
(2016.2.15.)

しばらく前に、『LPレイザー』というオーディオ製品を購入しました。

これは、LPレコード盤を掃除して音質を良くするための、液体の小型商品です。

インターネットでオーディオの記事を見ていたところ、この製品を高評価しているものに当たり、興味が湧いて「LPレイザー」で検索したら、えらく評判が良い。

私はアナログ・オーディオを愛好しているので、試してみる事にしたのです。

使ってみると、想像以上に音質が向上します。

そこで、今日はこれの使用レポートを書こうと思います。

(※ここからしばらくは、私のレコード盤を掃除する日々を
 回想する文章になります。

 LPレイザーの使用感想だけを読みたい方は、マウスを操作
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アナログ・オーディオを楽しんでいる方なら誰でも常識として理解しているはずですが、レコード盤は埃やカビが付きやすいです。

中古で買ったものだと、100円セールの奴なんて顕著ですが、汚れが沢山付いています。

だから、聴く前に盤の状態を目視で確認して、汚れが目立つならば掃除しなければならない。

目視で汚れていなくても、聴いてみて「音質がいまいちだ」とか「ノイズがひどい」と分かれば、掃除する必要がある。

そんなわけで、私は数多くのLP盤を掃除してきました。

作業の中で、『どの掃除方法が効果が高いか』も試してきた。

私が試してきた手法を、書き連ねてみましょう。

まず最初は、「スプレー式」でした。

これはナガオカが出している製品で、スプレーのボタンを押し、霧状のクリーナーを盤にババーッとかけて、その後にベルベット状のものでふき取ります。

これは、あまり汚れが落ちません。

スクラッチ・ノイズは改善されますが、根本的な音質向上は僅かでした。

さらに霧状噴射のコントロールが難しくて、均等な量で盤面にかけられず、まだら模様になってしまう。
その点でも評価できなかった。

次に使用したのは、レイカが出している「バランスウォッシャー」です。

これは液体タイプで、A液とB液の2つをA→Bの順で使用します。

音質はかなりアップしました。

ただし、音に作った感じがあり、やや演出を感じました。
音色は華やかでお洒落になるが、低音に力が無くて、音に芯が出ないと思った。

A液とB液の2段階で掃除するから、掃除に時間がかかる。

液が乾くまで待たなければならず、1枚終えるのに20分くらいはかかってしまう。

さらに、値段が高い。

A液とB液だけで5千円近くするが、他にも専用のクリーニング・クロスがあり、クロスは使い捨てのため買い増す必要があるのです。

私は、バランスウォッシャーの能力を評価しつつも、「値段が高いので、常用はしづらいなあ」と思った。

そこで、さらに別の手法を探しました。

次に行ったのは、「水洗い」です。

この手法は、オーディオ製品を売る会社たちは勧めないが、かなり効果があります。

特に汚れがひどくて、小さな砂埃とカビが全面に付着している場合、これが一番効果的です。

この手法の問題点は、上手に洗わないとレーベル部分に水がかかり、紙のレーベルが劣化してしまう事です。

私は、レーベルに水をかけない為に、えらい苦労しました。

ところが5年ほど前に、水洗い専用のグッズがあるのを知りました。
プラスチックの透明なカバーでレーベル部分だけを覆って、全く濡らさない。

確か3千円ほどでしたが、これを使用したところ、快適に洗えるのです。
もう水洗いを躊躇うことはなくなった。

この手法は、安価なので心理的に楽に行えます。

汚れがひどいと、バランスウォッシャーだと何回もA液で拭く必要があり、盤1枚だけで金額にすると50円くらいかかってしまう。

それが、水で洗えばほぼタダだし、満足できるレベルまで綺麗になる。

ただし、音質については、潤いの無い音になります。

レコードの音は潤いがあるのが特徴なのですが、それが出ないためCDみたいな音に仕上がります。

ちなみに、水洗いする際には、中性洗剤を軽く使用するのを勧める人もいます。

試してみましたが、このやり方だともっと汚れを取れます。

ただし、音の掘りは深くなるが、潤いは水洗いだけよりもさらに無くなってしまう。

私は、水洗いのコスト・パフォーマンスに魅かれつつも、「潤いが欲しい」と思い、さらに別の手法を模索しました。

次に試したのは、「発泡メラミンで拭く」という手法です。

これは、今は亡き江川三郎さんが提唱していたもので、これも安価さを重視したスタイルです。

発泡メラミンは、今ではごく一般的になりましたね。
白い色をしたスポンジみたいな奴で、少しだけ水を含ませて使います。

食器を洗う時などに、力を入れずに頑固な汚れを落とす事ができる。

この画期的な商品を、レコードにこびり付いた長年の汚れを落とすのにも使ってしまおうと、江川さんらは考えたのです。

江川さんが「どや顔」をしながら「すっげえ汚れ落ちるよ」と推薦しているので、私はさっそく近くのホームセンターで発泡メラミンを購入してきた。

彼の説明通りに、発泡メラミンを適当な大きさに切り、水を軽く含ませて、力を入れずに盤面に当て、音溝に沿うようにゆっくりと動かしたところ、確かに効果は大きい。

今まで聴こえてなかった音が、表に出てきた。

ただし、この手法も、やはり音から潤いが無くなった。

私の経験からすると、水道水を使用するやり方は、潤いや瑞々しさを損なうようです。

とはいえ、今までのやり方では出なかった、かつてないほどの音の太さと、くっきりした音像を獲得できた。

1枚の掃除を終えても、メラミンの消耗はほぼゼロで、コスト・パフォーマンスは高い。

かなりの魅力を感じたが、発泡メラミンで(急いで拭くと盤面が傷つくので)慎重にゆっくりと拭いていくスタイルは、とても骨が折れるし、時間もかかる。

えらく集中力を求められる繊細な作業なので、2~3枚の掃除をすると(乾く時間を込みで)1時間以上もかかり、一仕事を終えた気分になるほど。

私は徐々に、「レコード盤を掃除するのに、ここまで頑張らなければならないのだろうか?まるで苦行をしているみたいじゃないか。レコードをかける前に、気力が尽きてしまう。」と思うようになった。

私は、結局のところ、完全に納得できる掃除法を見つけられなかったのです。

そうして、ここ5年くらいは、音の出来に少し不満があり、高価で作業時間もかかるが、バランスウォッシャーを使ってきました。

買ってきた盤の汚れがひどい場合のみ、水洗いをまず行い、その後にバランスウォッシャーを使用してきた。

そんな私のアナログ・オーディオ・ライフに、突如として『LPレイザー』が現れたのです。

いよいよLPレイザーの話になりますが、使ってみて驚いたのは、『音の向上が大きく、音に潤いがあり、低音が太く出ること』です。

今まで試してきた様々な手法から、長所が集められた感じです。

音の出来に(仕上がりに)、弱点がない。

掃除の仕方は、専用の液体を1~2滴、専用のクロスに垂らして、レコード盤を拭きます。

バランスウォッシャーと似ているのですが、A液とB液に分かれていないので簡単だし、クロスは水洗いすれば何度でも使える。

そして、完全に乾くまで待たずに、聴くことが出来ます。
これが嬉しい。

バランスウォッシャーや水洗いは、乾くまでに時間がかかり、季節によっては掃除後に10分以上も待たなければならなかった。

それに、「完全に乾かす前に聴くと、水分が悪さをして盤や針を傷める」とされている。

LPレイザーは簡単に掃除できて、乾いたかどうかに神経質にならなくてよく、音質はかつてないほどにバランス良く向上する。

私は、「君がナンバーワンだ」と脱帽しました。

唯一の弱点は、バランスウォッシャー並の高価さでしょう。

1個買えば100枚は掃除できると思いますが、小瓶なのに3500円ほどの値段です。

クロスに液を少量だけ垂らして拭くスタイルですが、汚れがひどい場合には使った箇所が(垂らした箇所が)すぐに真っ黒になります。
そうなれば、そのまま掃除は続けられず、クロスのきれいな箇所に新たに液を垂らすしかない。

LPレイザーの説明書では、「1~2滴で片面をきれいに出来る」と云うが、汚れのひどい盤だとそうはいかず、片面で5~8滴ほど必要になります。

高価な液体を、安易にふんだんに投下はできない。
それは、懐事情からいっても、私の気質からいっても、許されない事なのです。

だから私は、きれいな盤にしか使用していません。

汚い盤は、まず水洗いして掃除し、それからLPレイザーを使います。

LPレイザーは潤いが出るので、水洗いで無くなった潤いを補ってくれる。

LPを聴かない人やオーディオに興味のない人が、このページを見ていたら、「たかが音楽を聴くために、そんなに時間と労力をかけ、研鑽をしているのか!」と驚いているでしょうね。

そうです、それだけの価値がアナログ・オーディオにはある。

LPレコードは、情熱を注げばCDをはるかに凌駕する音を出してくれます。

CDの音には感心しかしないが、LPには感動がある。

すばらしい演奏(名盤)をLPで購入し、良い音で再生されるように努力して、大音量に設定して聴くと、スピーカーから出る音が気品に満ちてキラキラと輝く。

耳で楽しむ世界なのに、良い匂いまでしてくると感じる。
自室が、芸術の神の舞い降りた異空間になる。

目を閉じて音に浸ると、身体の奥底からグワーッと感動の波が来ます。
これが気持ちいい。

オーディオのマスター達によると、SPレコードにはLP以上の感動があるらしい。

LPよりもさらに手間のかかるSPは、私は手を出した事はありません。

オーディオの世界は、斯様に奥が深いのです。

1歩間違うと、ケーブル等にも拘り始めてしまい、オーディオの迷宮から出られなくなってしまいます。

話をLPレイザーに戻します。

ネットで情報を集めた際に、多くの方が「素手で掃除をすると、肌がヒリヒリする」と指摘していました。

私が使用しても、全く同じ現象が起きています。

私は敏感肌なので(アトピーなので)、刺激が強いのはまずい。

だから、クリーニングの時には薄いゴム手袋を使用し、防御しています。

掃除の時には、手術をする医師みたいに、両手にゴム手袋をしている。

まず机の上にターンテーブル・シートを置き、そこに掃除するレコードを静かに置く。

次にゴム手袋をはめ、LPレイザーとクロスを手に取る。

そして、「この液は高価だから、無駄には使えないぞ。LPを傷つけないためにも、細心の注意を払って手際よく作業しなければ。」と心の準備をし、覚悟を固める。

作業を開始してからは、常に盤面の状況を注視し、最適の力加減で、最適の速度で、愛を込めつつ盤面を磨いていく。

掃除を終えたら、ふうっと大きく息を吐き、すこし汗のにじんだ額を袖口でぬぐう。
そして盤の両面がピカピカになったのを、盤を持ち上げてじっくりと確認する。

最後に盤をターンテーブル・シートに再び静かに置き、達成感を感じつつゴム手袋を外す。

これが、私のLPレイザーを使った掃除(オーディオ道の修行)の一部始終です。

いつも思うのですが、オーディオに何の関心もない人にとっては、私の作業している姿は「単なるアホ」に映ると思う。

どんな趣味でも、真剣に打ち込んでいる人は、興味のない人(理解のない人)からはアホに見えますよね。

LPレイザーのネット情報では、「掃除した直後は、聴くと針先にもの凄い量の埃が付く」とも指摘していました。

これも実に正確な情報で、掃除した盤をかけると、5分くらいで針先が埋もれるほどに埃が集まります。

この埃は、新たに付いたものではなく、音溝に長年にわたり滞留していたのが、浮き出てきたものです。

ユーザー達は、「LPレイザーは静電気の除去効果が大きいので、それまで盤に付着してきた微細な埃を、針先が掻き出す」と解説しているが、その説は正しいと思う。

あと思うのは、LPレイザーの液はすごく伸びる(1滴で広い範囲に塗れる)特殊なもので、少しベタついている。

その成分の一部が、埃と一体化して浮き上がってくるのかもしれません。

私は針先が汚れて音が劣化すると、それを聴き分けられるし、我慢してかけ続ける事はできません。

だから、LPレイザーで掃除した盤は、5分ごとに止めて針先をきれいにしてます。

1度かけた箇所は、そんなに埃が出なくなるので、5分ごとに止めるのは1周目だけです。

2周目も、片面を聴き通すと、針先には埃がかなり付いている。

3周目からですね、埃が通常の量になるのは。

そして、付着していた埃が除去されていくので、1周目、2周目、3周目以降では、音がかなり違ってきます。

愛聴盤の音質が変わっていくのは、楽しい。
だが、それほど愛着のない盤だと、3周目まで音が安定しないのはやや辛い。

こうした過程を楽しめるかどうかが、アナログ・オーディオを好きになれるかのポイントですね。

この記事を書いていて気付いたのですが、LPレイザーは掃除自体は簡便ですが、その後の『盤の慣らしと、針先クリーニング』がかなりの手間ですね。

1周目は埃の量が尋常でなく、聴くことに集中できる状態ではないです。

だから1周目は、「掃除の時間」と捉えたほうがいい。
そう考えると、掃除にかかる時間は、発泡メラミンを使う手法と同レベルまで膨らむ。

やっぱり、アナログ・オーディオで良い音を出すには、時間と情熱が必要なのですねー。

ちなみに針先の埃を取るのは、LPレイザーを出しているオンゾウ・ラボ社の製品である、『ゼロダスト スタイラスチップ・クリーナー』をずっと愛用してます。

針先のクリーナーは、大抵は液体タイプなのですが、こいつはゼリーみたいなベタベタした物体で、埃を吸着する個性的なスタイルです。

手軽に埃を除去できるので、基本的にこれです。

音が著しく劣化してきたら、液体タイプの針先クリーナーを使って、頑固な汚れを除去します。

この方法を編み出してからは、針先の掃除で悩むことは無くなった。
長期にわたって良い音で聴けています。

オンゾウ・ラボ社は以前から知っていましたが、もう長くオーディオ雑誌を購入していないので、LPレイザーを発売した事は知らなかった。

地味ながら、高い創意を持つ会社ですね。画期的なものを生み出している。

最後になりますが、オンゾウ・ラボにこう言いたい。

「頼む、オンゾウ・ラボ。

 LPレイザーを、内容はそのままで、2000円に下げてくれ。

 そうしたら、私は貴社を『アナログ・オーディオの聖者』に
 認定する。」


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