なでしこジャパンは五輪出場が絶望的に
阪口+川村が結果を出せず、すみません
(2016.3.5.)

昨日に、女子サッカーの五輪出場をかけたアジア最終予選は、第3戦目が行われました。

なでしこジャパンは中国と試合をしましたが、結果は1対2での敗北。

これにより、トータルでは1分2敗となり、五輪出場はもう絶望的です。

昨日の試合では、ボランチに『阪口+川村』が初めて先発起用されました。

私は昨年11月30日の日記で、「この2人こそが、日本の中心で活躍できる選手。ボランチは阪口と川村のコンビがベストだ。この2人が出れば、結果を出せるはず。」と主張した。

一昨日の日記でも、「ボランチは阪口と川村にしなければいけない」と書いた。

私は、2人の能力の高さと調子の良さを、信じていました。

だが、中国戦では結果を出せず、川村さんは前半だけで交代したし、敗戦してしまった。

極めて重要な試合で試されたのに、阪口+川村のコンビは機能せず、全く輝かなかった。

私の提言は、惨めな失敗に終わった。

これについて、誤魔化したり言い訳をするのは許されないと思う。

阪口と川村のコンビに希望を託すという私の提言は、上手くいきませんでした。

本当にごめんなさい。

阪口さんと川村さんは、現状では日本で最高のボランチだと思っています。

じゃあ何で結果を出せなかったかというと、「連係の悪さ」と「川村さんの不調」です。

まず「連係の悪さ」について。

正直な話、この素晴らしい才能を持つ2人が、美しい連係を披露する場面は、
私はまだ見たことがないです。

ボランチは広いエリアをカバーするポジションなので、2人が補い合わないとどうしようもない。

だからこそ、11月30日の日記で、「この2人をボランチのレギュラーに設定し、
合宿の中で連係を磨こう」と書いた。

最終予選の前に行われた合宿では、レギュラー組とサブ組に分けて練習したという。

初戦のボランチが宮間+阪口、第2戦のボランチが川村+上尾野辺だったのを見ると、
前者がレギュラー組で後者がサブ組と思われ、阪口+川村の連係力が強化されたと思えない。

阪口+川村の連係力はすごく心配していて、一昨日の日記でも言及した。

だが、1月~2月に合宿が(大会直前のも含めると)合計で3回も行われているし、
その間に普通に選手間の理解が高まっていると思った。
そう信じたかった。

合宿内容の情報はメディアでほとんど報じられなかったから、確信は持てなかったけど、
念入りに3回も行えばレギュラー組とかサブ組とか関係なく、かなり相互理解が進むだろうと期待していた。

だが実際には……。

テンポ良くボールが2人を経由していく事はなかった。

ボールさんは止まる事が多く、どこか寂しそうだった…。

そもそも、チーム全体に強固なものがあれば、誰が入ってもかなりの連係力を発揮できるはずです。

今のなでしこジャパンは、どのポジション(エリア)を見ても、連係が良くない。

この問題は、後で詳しく書こうと思います。

次に、中国戦で見せた「川村さんの不調」についてです。

これは、驚くしかなかった。

なぜなら、2日前の韓国戦では、彼女は素晴らしいプレイを見せており「絶好調」だったからです。

たった2日の間に、絶好調→不調になるなんて、誰に予想ができますか。

さらに驚かされたのは、同じく韓国戦に出ていた宮間さんと近賀さんも、中国戦では大きく調子が変動していた事です。

宮間さんは絶不調→普通に、近賀さんは不調→好調に、変化していた。

中島さんも、初戦は不調だったが、昨日の中国戦では好調だった。

選手の調子を、絶好調、好調、普通、不調、絶不調の5段階で分けると、
なでしこ選手のうち何人かは、わずか数日で2~3段階も変わってしまうのです。

男子の場合、こんな急激な変動はなく、1つの調子が2週間は続きます。

いま絶好調だったら、最短でも1週間は続きますよ。
そして変動しても、好調に落ちるだけです。

連戦の疲労で動きの質は落ちても、意欲や判断力は落ちず、パフォーマンスにそれほど低下はない。

男子は短期での大きな変動はないから、外からでもチーム状態をある程度まで把握できます。

「○○の調子が良くない」とか「××が絶好調」とか分かれば、それがしばらく続くので
「スタメンはこの編成で決まり」とか外からでも提案できる。

ところが女子は、これが通用しないらしい。

今までにも、数日で出来が激変するなでしこ選手を見た経験が、何度もある。

川村さんは、韓国戦では素晴らしかった。

だから、2日後の中国戦でも、当然ながら素晴らしい出来になると考えていた。

疲労を考慮しても、「きっとやってくれる、誰よりも活躍してくれる」と信じていた。

しかし、中国戦での彼女は、集中力に欠けていて、心がどこか別の所にある印象だった。

分からない、本当に分からない。

優理ちゃん、なぜなんだ……。なにが起きてしまったんだ……。

その一方で、宮間さんと近賀さんは、2日の間に調子を一気に2段階も上げていた。

顔つきも大幅に違い、やつれにやつれていた宮間さんの顔はだいぶ血色が戻り、
近賀さんの顔はハリとツヤが倍増していた。

顔エステに行って、念入りなケアをしたみたいで、その変貌ぶりに目を疑った。

覚悟を固めたとか、吹っ切れたとか、そういう言葉でこれを説明できるのだろうか。

分からない、本当に分からない。

あやちゃん、ゆかりちゃん、なぜなんだ……。なにが起きてしまったんだ……。

女性の場合、生理の影響もあって、「男性よりも調子の波が激しい」と聞いたことがある。

彼女たちの変貌ぶりが、女性選手の普通の変化具合だとすると、チームに帯同していない限りどの選手を起用すべきか分からないですね。

困ってしまいました。

一昨日の日記で、「調子の良い選手を起用しよう!」と書いたけど、調子が毎日に変動するならば、把握するのは不可能に近い。

私は、無力感に打ちひしがれている状態です。

次の話題に移ります。

中国戦で敗れた後、宮間キャプテンは記者の質問に、「今の問題部分は、正直わかりません」と答えていた。

私には分かるので、それをここからは書きます。

最大の問題は(改善すべき部分は)、解説者も指摘していますが「連係の悪さ」です。

攻撃では、ここぞという時に、パスの出し手と受け手の意思疎通がうまくいかず、
パスミスになってしまう。

出し手のイメージと、受け手のイメージに、大きなズレがある。

守備では、2人や3人でボールホルダーを囲んだ時に、連係不足でボールを奪えず、パスを出されてしまう。

昨年のW杯中の記事でも書いたと思うのですが、数人でボールを奪いにいったら、確実にボールを奪取しないとかえってピンチになります。

ボールをそのエリアから出されてしまうと、日本選手は1ヵ所に数人が固まって陣形が乱れているために、苦しい状況になる。

攻撃ではパスミスでチャンスをふいにし、守備では数人でアタックしてもボールを奪えない。

これが、今の問題点です。

私は、以前からなでしこジャパンについて、不思議に思っている事が1つあります。

良い機会なので、開陳しましょう。

『なでしこジャパンは、大会や親善試合を使って連係を高めていっても、
 数ヵ月後に再び集まると、なぜか連係力が元のレベルに戻っている。

 監督は変わらず、選手の顔ぶれも変わらないのに、どういうわけか連係力を高いレベルで
 維持できない。

 このために、連係と戦術が熟成されていかない。』

この現象が、ずっと続いています。

なでしこジャパンは、修正力の高さを売りにしています。

昨年のW杯でも、大会序盤はひどい出来だったが、試合を重ねるごとに修正されて、
良いチームに仕上がり準優勝した。

準優勝したから問題視されなかったが、本当は「大会の最初から安定した試合運び」をしなければいけないです。

なでしこジャパンは、スロー・スターターというか、追い詰められないと本気を出さない所がある。

こんな不安的な状態になるのは、チームの熟成度を(連係力を)維持できないから。

昨年のW杯では、大会を通じてチームは進化し、大会を終えた時の完成度は素晴らしかった。

チームの連係は、最大を100とすると、95くらいまで来ていた。

あの時のメンバーと、今のメンバーの顔ぶれは、ほとんど同じです。

それなのに、連係力は45くらいです。
W杯の序盤で見せたパフォーマンスと、変わらないレベルです。

理想的には、代表常連組の連係は95を維持し、新たなメンバーがそこに入って馴染んでいくのが良い。

そうして欲しいのだが、代表常連組の連係すらも維持できず、間が空くとチームのクオリティが激しく低下してしまうのです。

例えば、宮間と阪口、近賀と川澄なんて、すごい長くコンビを組んできました。

近賀と川澄は、INAC神戸で一緒にプレイしている。

それなのに、なぜだか分からないが、輝くパス交換が昨日の中国戦でも出なかった。

これは、今に始まった現象ではなく、あの澤でさえ同じ症状を見せていた。

数十試合を共にプレイしてきて、選手たちも「お互いにしっかりと理解し合っている」と
語るのだが、時には「初めて一緒に試合に出た」みたいにぎこちないパス交換を見せる。

これは、大いなる謎で、私は『なでしこジャパンの最大の謎』と考えています。

中国戦でいったら、宮間と阪口のボランチ、宮間と鮫島の左サイド、近賀と中島の右サイド、福元と熊谷の最後尾、近賀と川澄の右サイドは、素晴らしい連係ができて当然だった。

だが、私がハッとさせられる美しいパスは、1度も出なかった。

1点目の失点シーンは、川村さんの消極的なバックパスが最大の原因だが、福元ー熊谷の長年組んできたコンビなら素早く対応してほしかった。

中国戦に出たメンバーで言うと、鮫島、近賀、田中、川澄、中島は、INAC神戸に所属しています。

それなのに、「さすが一緒のチームでプレイしているだけあるね」と喜ばせてくれる連動・連係の妙技は、1回も無かった。

なんでなの? すっごく寂しい状態だと思う。

逆にいうと、大儀見と横山の2トップは、初顔合わせに近いので上手くいかなくても仕方ない。

横山さんは、得点を決めたし、頑張っていましたね。

でもスピードが無いのはやはり辛く、相手DFに走り負けて何度もチャンスを潰していた。

美しいパスが見られなかったのは、司令塔の宮間さんがパスミスを連発したのも大きい。

彼女は、中国戦では最終予選で初めてキレのある動きを見せて、絶不調から普通まで調子を上げていたが、パスミスの多さは改善せずチームの勢いをそいでいました。

私は、川村さんのパス能力をずっと買っていて、キック力はあるし、柔らかいパスを出す技術もあるから、「川村、もっとゲームを作れ」と何回も指摘してきた。

縦にくさびのパスを入れるのも、すごく上手いんですけどねー。

宮間さんのパスが良くないなら、他の人がゲームを作ればいいのだが、その力を持つ川村と阪口が遠慮してやろうとしない。

周りも川村と阪口がフリーでボールを持っても、本気で動き出そうとしていない気がする。

なでしこジャパンには、ある種の「宮間神話」が出来ているのではないか。

宮間さんは今、セットプレイでのキックは素晴らしいが、ゲームの中でのキックは不調期にある。

顔の血色と動きのキレは改善されてきたが、ゲーム中のキック精度はまだ改善していない。

宮間さんの復調を悠長に待っていてはいけない。

もっと皆が、良いパスを出そうと、良いパスをもらおうと、努力しないと。

こうやって書いてくると、今の苦境には様々な理由があるなあ。

一番の理由は、一昨日の日記で書いたように、最終予選に連れてくるメンバーの選考おいて、佐々木監督が保守的な人選をしすぎたことです。

佐々木監督は、「今回のリオ五輪を最後に退任する」と、しばらく前に発表しています。

彼が今までにしてきた事(W杯の優勝など)を考えば、五輪出場を逃しても「ありがとう」と言って拍手で退任を見送るしかない。

なでしこの選手達は、彼の花道を飾るためにも、残りの2試合は勝ってほしいです。


日記 2016年1~3月 目次に戻る