後半では、バレーボール女子代表の「オリンピック最終予選に向けた合宿に参加するメンバー」が発表されたので、その感想を書きます。
このメンバーから、最終的に半数ほどに絞られて、オリンピックの最終予選を戦うことになります。
まず、セッターとリベロの選考については、何の不満もないです。
選ばれたメンバーは、今シーズンのVリーグで活躍した人が中心だし、私が評価する人がきちんと選ばれているからです。
私がイチオシのセッター、田代佳奈美もちゃんと入りましたね。
リベロでも、私の推してきた、佐藤あり紗、佐藤澪、丸山亜季が入りました。
リベロでは、座安さんが選ばれなかったのが、唯一の心残りです。
昨年のW杯でも活躍したし、実力は申し分ない。
だが、彼女は怪我を抱えており、最近になっても太ももにぐるぐると厚いテーピングをしたままプレイしていた。
いつ離脱するか分からない選手を、代表には入れられない。
だから、彼女を外すのは理解できます。
ミドルブロッカーについても、あまり不満はないです。
しかし、『岩坂が外れた』のだけは承服できません。
岩坂さんは、現状ではブロックで最も期待できる選手です。
ブロックに弱点のある日本には、必要不可欠な選手のはず。
日本代表の眞鍋監督は、ブロッカーに守備力よりも攻撃力を求めている気がする。
だが、それでは上手くいかない事が、W杯で明らかになったではないですか。
眞鍋監督は、ブロックでは荒木さんに期待しているのかもしれない。
彼女は合宿メンバー入りしている。
正直なところ、絶好調の時は、荒木さんが日本一のブロック能力です。岩坂でも勝てない。
荒木さんが好調ならば、彼女を選ぶ道もある。
だが、荒木も岩坂も選ばれなければ、日本は苦しい状況になるでしょう。
大きな不満があるのは、ウイングスパイカーの選考です。
私は、選ばれたメンバーに「レシーブの上手い選手が少ないこと」で、危機感を持っています。
1月の日記で、「日本人で最もレシーブの上手いウイングスパイカーは、新鍋、竹田、近江だ。怪我明けの近江はともかく、新鍋と竹田は代表に入れるべき。」と書きました。
この助言が、完全に無視されている。
大手メディアは、古賀さんを「将来の日本代表のエースだ」と持ち上げている。
そして、代表に彼女が入るのは当然との空気を作っている。
だが、私に言わせれば、彼女は『代表に入れるレベルにはない』。
古賀さんは、レシーブに問題がある。
所属するNECもそれを把握していて、重要な場面になると、後衛に回った時には彼女を外して、レシーブの上手い岩崎をコートに送っています。
つまり、「古賀のレシーブ力は信用できない」と、チームが認識しているのです。
これは、宮部さんも同じだと思う。
彼女は昨年に代表デビューをしたが、レシーブ技術は物足りなかった。
あれから1年も経ってないし、まだレシーブ能力は未熟なはず。
古賀さん宮部さんも、才能がある若手なのは間違いないです。
だから、代表戦で経験を積ませるのは理解できる。
しかし、いまオリンピックで通用するのかと言われると、「ごめん、無理。通用しないです。」と答えるしかない。
新鍋、竹田、近江の3人は、すでに完成された選手で、プレイに安定感があります。
どんな強豪が相手でも、どれだけサーブやスパイクで狙われても、この3人なら耐えられる。
私はそう信じています。
特に新鍋は、数年も連続してVリーグのレシーブ賞を獲るなど、「レシーブの鬼」です。
新鍋さんは、レシーブ能力の高さで有名なので、Vリーグでもあまりサーブで狙われない。
だが、たまに狙われるし、ごく稀に(年間に数回でしょう)レシーブ・ミスしてサービス・エースをとられることがあるのです。
その時に、相手を睨みつける新鍋さんの目の怖さは、凄まじいものがある。
私はそれを発見し、怖いもの見たさで巻き戻して数回見て、さらにスロー再生して細かく確認してみた。
本当に、怖かった。
私はこの時、「新鍋は、のほほんとした態度をインタビューで見せるが、裏の顔がある。彼女はレシーブに命を懸けている。」と理解したのです。
こうした「レシーブの鬼」が、強豪国との厳しい試合では必要になる。
私は、それを確信しています。
強豪国との試合で、サーブやスパイクで狙われて、ミスを連発して顔面蒼白になる古賀と宮部の姿が、私には予想できてしまうんですよ。
正直な話、古賀をあそこまで特別扱いするテレビ・メディアは、どうかしていると思う。
私が代表監督だったら、古賀を安易に特別扱いする大手メディアに鉄槌を下すためにも、古賀は代表から外します。
ぶっちゃけた話、木村沙織さんのレシーブ力にも、私は納得していません。
昨年のW杯でも、サーブで狙われて、連続失点している時があった。
彼女については、多くの解説者が「完成度が高く、レシーブでも日本で屈指の実力を持つ」と言うのですが、「嘘を言うな」といつも思ってます。
レシーブで信頼できるウイングスパイカーが、どうしても必要なんです。
現在の代表メンバーでは、長岡や迫田など、数人しか信頼できる選手がいません。
5月にあるオリンピック最終予選で、レシーブとブロックに安定感がなかったら、(オリンピック出場権を得た場合)まだ時間はあるのでスペシャリストの新鍋や岩坂を招集しましょう。
ぎりぎりの招集だが、何も手を打たないよりはいい。
これで、代表メンバーの発表について、感想を終えます。
最後になりますが、木村沙織さんについて、どうしても報告したい事があるので、ここからはそれを書きます。
少し書くのは辛いが、これを胸にしまっておくのは正しくないと思う。
あれは、昨年のW杯での出来事でした。
私は女子代表の試合は全て観ることにし、できるだけ生で観るようにしていました。
大会が始まり、日本代表の3~4試合目を観ていた時の事です。
私の隣りで一緒に観戦していた母が、こう言ったのです。
「木村沙織の背中がおかしい」
母は、批判するような口ぶりで、こう続けました。
「木村の背中は、脇の下にお肉が付いている。
見てごらん、肉がはみ出ていて、形が崩れているでしょ。
あれは、典型的な中年女性の特徴だ。」
確かに、そうなのです。
木村さんの背中は、他の選手と大きく異なっていました。
脇下がもこっと盛り上がっていて、肉が余っている感があり、ラインが美しくない。
最近のバレーボールのユニフォームは、ピチッと身体にフィットしているため、体型が詳しく分かるのです。
W杯が始まった当初から、私は脇の下の膨らみに気付き、「あれっ?」と違和感があった。
普通だと、バレーボールの選手は背中の筋肉が発達するので、引き締まった無駄のない直線的なラインになる。
そんな中で、木村さんの背中だけラインがうねっている。
だが、私にとってその現象は、どうでもよかった。
試合に入り込んでいたし、女子代表の試合ぶりにしか関心がなかった。
だから、気付いていたけど、完全にスルーしていた。
ところが、次の母の発言は、さすがに看過できなかった。
母はこう言ったのです。
「木村沙織は、ちゃんと練習してないんじゃないの?」
代表のキャプテンである木村沙織が、練習不足でお肉が余っている?
代表キャプテンが、練習不足でまだ20代なのに中年体型になっている?
あり得ないでしょ!
W杯の前に放送された、女子代表キャプテンの木村さんを追う特別番組では、彼女は涙目でこう発言していた。
「私は、キャプテンに向いていません。
不器用だし、チームメイトの心に響く言葉は言えないけど、プレイで皆を引っ張っていきたいです。」
こんな発言をする人が、練習不足で無駄な肉が付いているはずがない。
そんな事は断じてない、と私は思った。
私は、木村さんを深く信じていた。
だから、「反論しなければ。反論して木村さんの名誉を守らなければ。」と思ったのです。
私は急いで思考を巡らし、木村さんの背中の脇下のふくらみを説明できる論理を見つけ出そうとした。
そして、こう言った。
「いや、あれはお肉が余っているんじゃないんだ。
ブラジャーのサイズが合ってないから、肉がはみ出しているんだよ。」
正直なところ、私は男なので、ブラジャーを着けたことも買ったこともない。
ブラジャーの知識は、ゼロに等しい。
だが、「ブラジャーのサイズが合っていないと、身体のラインがおかしくなる」との情報を、耳にした事があった。
木村さんを守るために、必死でこの『ブラジャー合ってない説』を考え出したのです。
他に説明できるものは思い浮かばなかった。
母は、特に反論もせず、私の説に感想を述べなかった。
私は、「木村さんの名誉を守れたようだ」と一安心しました。
そうして、「彼女がブラジャーのサイズを変えれば、脇下のラインは改善されるはずだ。それを見届けなければ。」と、決意しました。
W杯が終わり、2ヵ月ほどするとVリーグの新シーズンが始まった。
木村さんの所属する東レの試合がテレビ放送されたので、試合を楽しみながら、さっそく彼女の背中をチェックしてみた。
私は驚愕しましたよ。
彼女の背中の脇下にあった不自然な膨らみが、7割方なくなっていたからです。
そして、ブラジャーのサイズを変えた形跡は、全くなかった。
木村さんはW杯の時よりも、全体的に身体が細くなっていた。
「無駄な肉を絞りました」という雰囲気があった。
私は激しく動揺し、「まさか……」と嫌な予感がした。
それからさらに2ヵ月ほど経ち、新しい年(2016年)になった。
東レの試合が放送されたので、試合を楽しみつつ、やはり木村さんの背中をチェックした。
すると、さらに脇下はスリムになり、もはやあの『不自然な膨らみ』は全く存在しなかった。
彼女の身体はさらにシャープになっていて、動きはとても軽快で、ここ数年で1番の出来と言えるくらいにパフォーマンスは良かった。
そして、ブラジャーのサイズを変えた形跡は、全くなかった。
この段階で、私は認めるしかなかった。
「あれは、ぜい肉だったのだ」と。
木村さんの名誉を守るために、『ブラジャー合ってない説』まで唱えて頑張ったのに、裏切られてしまった。
本当にショックです。
木村さんが暴漢に襲われそうのなっているのを見つけたので、急いで駆けつけた。
そして木村さんと暴漢の間に、ガッと入った。
木村さんを後ろに守りつつ、「沙織、下がってろ! 俺が守ってやる!」と言った。
そうしたら、いっきなり後ろからブスッと刺されてしまった。
そんな心境です…。
もう私は、木村さんを信じることが出来ない。
だが、彼女を再び眞鍋監督はキャプテンに指名している。
私はだいぶ前から、「木村さんはキャプテンに向いてない。座安とか江畑とか竹田が向いていると思う。」と言ってきたんですけどねー。
木村さんの脇下がもう1度膨らんだら、もう守ることはできないです。
他の説を編み出す意欲は、かけらも無いです。
この件では、完全に心が折れました。