バスケットボール女子代表の試合を観に行った
(2016.7.29.)

今月の8日に、バスケットボール女子の日本代表戦を観戦してきました。

女子日本代表は、オリンピック出場を決め、このところ注目度が上がってきていますよね。

私は、高校生の時期にはNBAをしょちゅうTV観戦していたし、休日に友達とミニバスケをしたりもしていました。

しかしその後は、NBAの試合をたまに観る程度で、興味を持ってこなかったです。

そんな私が、なぜ突然に代表戦を観に行ったのか。

その理由は、『地元の小田原アリーナで試合が行われたから』です。

聞くところによると、小田原で日本代表の試合をするのは初めてで、開催招致にあたり小田原市は「会場を満員にしてみせます」と約束してしまったという。

こんな話を聞いたら、小田原を愛する市民の私は、行くしかないでしょ。

で、チケットをぴあで買うことにしたのですが、発売されてからしばらく経っているのに、全席種がまだ残っている状態でした。

「大丈夫かいな。満員にすると約束しておいて、ガラガラだったら面目丸つぶれだぞ。」と心配になりましたよ。

当日は、代表戦を観られるワクワク感よりも、会場にどれだけ人が入るかを心配する気持ちの方が強い状態で、家を出ました。

小田原アリーナに着いてみると、入り口にかなりの人がたむろっていて、ホッとしました。

観客のうち半数くらいは、小学生~高校生でした。
制服やジャージで来ている子が沢山いました。

小田原市は、子供達に観てもらおうと考え、チケットを無料もしくは安価で配ったのかもしれない。

会場に入ると、超大型の映像パネルが天井から下げられているなど、代表戦らしい装いにはなっていました。

音響は、普通のイベントに使われる小型の業務用スピーカーが使用されており、これが酷い音でしたね。
聴き取りづらいし、品のない音だった。

今回のような大音量のイベントでは、もっと大型でパワーのあるスピーカーを使わないといけません。

心配していた観客数ですが、きっちりと会場は埋まり、試合中の御礼放送によると3千数百人が集まったそうです。

小田原アリーナは満員状態でしたが、4千人に届かないのは代表戦では決して多いとはいえないと思う。

でも、関係者も選手たちも大満足の表情をしてました。
たぶんバスケ女子代表では、これだけ入れば多いほうなのでしょう。

さて。

ここからは日本代表の試合ぶりの感想を書いていきます。

基礎情報を書くと、日本代表の世界ランキングは16位で、対戦相手のセネガルは24位です。

ぶっちゃけた話、どちらもあまり強くない。

試合が始まってみると、ランキング通りに日本のほうが強くて、ダブルスコアになる場面もありました。

セネガルのほうが身長は高いのだが、日本は技術力と連係力で勝り、明らかに上回っていました。

最終スコアも、きちんと数字は憶えていないのですが、ダブルスコアに近い圧勝でした。
(ネットで確認したら、83ー54です)

ちなみにセネガルとは、この試合を含めて3連戦をしたのですが、どの試合も大勝です。

これは、日本が強いのではなく、セネガルが弱いのでしょう。

この試合には、いまの日本代表で最高の選手とされている「渡嘉敷さん」は出場していませんでした。

彼女はアメリカ・リーグでプレイしているので、招集できなかったのです。

だから、本来の代表はもっと強いことになる。

渡嘉敷さん以外はきちんとベストメンバーが招集されていたようなのですが、「PGの吉田亜沙美さん」と「SGの本川紗奈生さん」が傑出した能力を持っていますね。

吉田亜沙美さんは、28歳とチームの中で年齢が高く、キャプテンを任されているのですが、ゲームの組み立て能力が素晴らしく、戦術眼がずば抜けています。

無駄のないプレイを続けられて、彼女が出ていると安心して観ていられた。

これに対し、控えのPGの町田さんは、無駄なプレイが多いです。

小技にこだわり、ノールック・パスをしたりするのだが、「要らないんだよ、そんな遊びは。堅実なプレイをして、ちゃんとチームに貢献しろ」と思いましたね。

吉田という素晴らしい手本(先輩)がいるんだから、そのプレイを吸収してほしい。

SGの本川紗奈生さんは、身体能力(特に俊敏性)が高くて、1対1に強いです。

技術がしっかりしていて、ドリブル、シュート、守備のどれも上手い。

特にドリブルは、低い姿勢で素早くカットインでき、切れ味が抜群です。

プレイを観ながら、「持っている潜在能力は、いまの代表で一番だ。まだまだ伸びる余地がありそうだし、世界で活躍できる選手になれる可能性もある。」と感じましたよ。

彼女の課題は、筋力不足・体力不足の解消です。
激しい動きをした後には、肩で息をするし、姿勢が崩れてしまう。

この弱点は、他の選手にもいえる事です。

日本は全体的に、身体が細くて筋力が不足していると思いました。

それに体力がなくて、交代せずに15分くらい(1クォーター半くらい)出続けられる人が、1人もいない。

吉田と本川は、他とはレベルが違っていました。

この2人に渡嘉敷を加えた3人が、いまの代表では核なのだと思う。

他の選手では、栗原さんが守備力で目立っていた。

あとは、高田さんが身体の強さで多少は存在感があった。

この選手たちは、皆がスタメンになっています。

総じていえるのは、「スタメンの選考は正しい」です。

内海監督は、選手の力量を見極める力はありますね。

私が非常に気になったのは、『スタメンと控え選手の実力差が大きすぎること』です。

この試合では、スタメンの面子がコート上にいる間はセネガルを圧倒し、ダブルスコアの展開に持っていけた。

ところが、吉田や本川がベンチに下がると、いきなりセネガルに押され始めて、互角のシーソーゲームとなるのです。

最終的なスコアは83-54だったが、その内実は、「最初はダブルスコアだったが、控えに替わったら失速して同点に追いつかれ、スタメンがコートに戻ったら再びダブルスコアに戻り」という感じだった。

もし控えのメンバーがスタメンと同じ位に実力があったら、100-35で勝っていたと思います。

控えの中でも、センターの王さんは特に拙いプレイをしていた。

身長は高いが、それだけの人という状態で、動きは遅いし技術はないしで、代表に入っていいレベルにはないと思いました。

控え選手の人選は、再考の余地があると感じましたね。

なにしろ1試合しか観ていないので、情報不足ではありますが、世界ランキングが16位なのと、控えの質が低いことを考えると、オリンピックでメダルを獲るのは難しいでしょう。

吉田と本川は、素晴らしい選手なんですけどねー。

さて。

観戦していて印象的だったものの1つに、チアガール達の存在がありました。

応援団はどんなスポーツにでも居るけど、バスケでは休憩タイムになる度にチアガールがコートに現れて、踊り始めるのです。

サッカー等では考えられない演出なので、新鮮だった。

正直なところ、最初に出てきた時は、「試合の邪魔をするな、うざいから去れ」と思いました。

代表戦の緊迫したムードが、一気に緩和されてしまうので、台無しになると感じた。

ところが、何度か登場するのを観ているうちに、「可愛いじゃないか」と思い始めた。

そして、ハーフタイムの長い休憩中に、彼女達が一生懸命に踊り、最後にラインダンスをする(横に皆が一直線に並んで、足上げダンスをする)のを見たら、「おおっ、宝塚歌劇団みたいだ。なかなかやるな。」と感心してしまった。

選手たちが泥臭く真剣に試合している中で、間に全く違う和んだ空気の爽やかなショーを入れてしまうのが、アメリカのセンスなのだと思う。

日本人には発想できない構成ですねえ。

本場アメリカのチアリーディングは、むきむきの筋肉を活かしたアクロバティックなものですが、この日本のチームは違いました。

アスリート路線ではなく、アイドル路線を採用していて、宙返りみたいな大技は一切つかわず、可愛く踊るのを重視していました。

ハーフタイムのラインダンス(足上げダンス)は、宝塚歌劇団の真似なのだと思います。

あれは見栄えが良いし、採用したのはなかなかセンスが良いですね。

気になったのは、観客からすると、背中しか見えない人が出てくること。

宝塚だと、観客は1方向(正面の客席)にしか居ないけど、バスケだと四方にお客さんが居ます。

だから、単純な足上げダンスではいけない。

『横一列で並んで足上げダンスをしながら、その隊形で180度(できれば360度)の回転をする』

これをするのだ!

つまり、最初は背中を向けている側に、足上げダンスをしながら回転していって、身体の正面を向ける。

技術的には、可能だと思う。

宝塚みたいに、「ヒュー」とか声を出しながら、回転しちゃおう。

これが出来たら、それが1つの目玉になるよ。

あと思ったのは、『もっと外見で個性を表現したほうがいい』ということ。

チアガール達は、ショーを担当しているのに、メンバー達が皆が同じに見えるし、目を引く個性がないのです。

チームには15人くらいのメンバーが所属しているのですが、皆が黒髪で長髪で、同じような化粧をしていた。

あれだと見分けがつかず、華やかさに欠けるし面白くない。

現在は、外見について厳しく制限されているのだと思う。

もっと規制緩和して、各人が個性を打ち出せるようにした方がいいです。

私は、スポーツ選手が赤とか青とかの髪にするのは好きではないです。

でも、チアガールはショーをする人なのだから、そういう奇抜なスタイルもOKだと考えます。

今の時代に短髪の人がいないのは、むしろ不自然な感じがしました。


日記 2016年7~9月 目次に戻る