本日の午前2時から、リオ五輪のバレーボール女子・日本代表の準々決勝「日本対アメリカ」がありました。
眠いのをこらえながら生で観戦しましたが、予想通りに日本は0-3で完敗しましたね。
この試合は、スタメンのセッターに注目していました。
というのは、『セッターが宮下だったら、100%勝てない。田代なら2%位は勝てる可能性がある』と考えていたからです。
田代が絶好調で魅惑のトスワークを見せれば、アメリカ相手でも少しは勝てる可能性があると思っていた。
だが、スタメンのセッターはやはり宮下だった。
眞鍋監督は、予選リーグ最終戦の対アルゼンチンで、スタメンの顔ぶれを初戦と同じに戻した。
これを見た時、「自分が決めたスタメンで、勝とうが負けようがここからは闘う」というメッセージを、私は感じた。
で、私の感じた通り、アメリカ戦でもそのスタメンが起用された。
この眞鍋監督の決断は、ある意味では潔い姿勢だが、私は「このスタメンではメダルは獲れない」と確信していたので、がっかりした。
初戦(韓国戦)で大敗し、予選リーグで苦戦する元凶となったスタメン構成を、再び信頼するなんて、どうかしている。
眞鍋監督のとった態度は、なでしこジャパンがオリンピック出場を逃した最終予選で佐々木監督がした事と、そっくりだった。
佐々木は、初戦で惨敗したメンバーを、反省なく北朝鮮戦(最終戦)でも起用した。
アメリカ戦のスタメン構成は、あの時を思い出させましたね。
アメリカ戦では、日本のレシーブはかなり良かった。
リベロの佐藤、サポートレシーバーの座安、パスヒッターの木村と石井など、皆が良いレシーブを見せていた。
だから、日本のペースになってもおかしくなかったが、日本は主導権を握れなかった。
日本が主導権を握れなかった原因は、次の2つです。
① 木村が、スパイクを全くといっていいほど決められなかった
② 宮下のトスワークが良くなかった
この試合を放送したフジテレビは、放送開始のオープニング映像で、木村と宮下の映像を流していた。
大手メディアやバレーボール解説者は、この2人を、現在の日本代表の中心選手と報じてきた。
だが、この2選手が、ブレーキになった。
この事実は、大手メディアやバレーボール関係者の「無知さ」「見識のなさ」を、象徴する出来事でしたね。
結局、日本は2セットを簡単に取られて、3セット目では宮下のトスが乱れまくるので、田代と交代になった。
すると、日本の攻撃は一気にリズムが出て、けっこう盛り返した。
「田代を最初から出しておけば良かったのに」と思いましたよ。
田代が出てきてからは、トスの切れが宮下と全く違うので、試合に緊迫感が生まれた。
ああいうテンションの高さが、こういう重要な試合では必要だよ。
田代が荒木に上げて、荒木がドカン!と決めたDクイック攻撃(ブロード攻撃)は、今大会の日本のクイック攻撃では最高のものだった。
荒木は、ここまでトスが合わず苦戦していたが、最後でついに1回だけだったがビタッと合うクイック攻撃を見せた。
あれがもっと出ていれば、強豪とも互角に闘えたのだが…。
この試合では、長岡がずっと出場したのが、印象的でした。
ここまでは、調子は悪くないのに、迫田と途中交代させられるのが続いていました。
長岡は、苦しい場面で打つ事が多かったが、かなりの決定率を叩き出した。
日本のエースにふさわしい活躍を見せていました。
石井のスパイクも決まっていて、準々決勝まで来て、ようやく長岡と石井の久光コンビが機能しましたね。
これに対して、木村の不調さは深刻だった。
木村がスパイクを決められなかったのは、宮下のトスが悪かったのも大きい。
宮下にはアタッカーへの配慮がなく、ブロックがたくさん付いていても木村に上げてしまう。
高いブロックが2枚がっちり付いている状態で、打たなければならない木村は、とても苦しそうだったな。
だが宮下は、それに気づいている様子はなかった。
アメリカ戦については終わりにして、ここからは今大会での日本代表の総括に入ります。
まず、準々決勝での敗退という結果ですが、『なんの驚きもない、予想通りの結果』というのが正直な感想です。
予選リーグの面子を見れば、そこは突破できるが、おそらく4位で通過するので準々決勝で負ける。
これが、バレーボール有識者の本音だったと思う。
私も、「普通に闘ったら、準々決勝で負ける」と思っていた。
だからこそ、「正セッターを田代にしよう」とか、現状を打破できそうな提言をした。
眞鍋監督は、代表を強化できる策を、ほとんど打たなかった。
打った手は、古賀をメンバーから外したことと、サポートレシーバーに座安を起用したことくらいじゃないかな。
迫田を左に置く、田代を正セッターにする、新鍋などレシーブの上手い選手を呼ぶ。
こうした事を早めに実行すれば、オリンピックまでに機能する状態にできたと思うのです。
私は提言したのに…。
日本代表が思うような強化ができなかったのは、「木村をキャプテンにしたこと」と、「宮下を正セッターにしたこと」が大きいです。
木村がキャプテンに向いてない事は、本人にも自覚があり「私はキャプテンに向いてない」と発言していたし、この日記において私が何度も主張したことです。
「竹田、座安、江畑」と、キャプテンシーのある選手を見つけて推薦したのに、眞鍋さんは木村にこだわった。
木村にキャプテンシーが無い事を指摘されると、眞鍋さんは「ああいうほんわかしたキャラがキャプテンになるのもアリだと思う。チームを引っ張るタイプだけがキャプテンの在り方ではない。」と答えた。
だが、木村がキャプテンをする事で、今の日本代表には腰の据わらない軽さがある。
アメリカ戦でも、木村は試合中に歯を見せて笑っていた。
他の選手は誰一人笑っていないのに、木村だけが笑っている。
長岡や佐藤や荒木は鬼気迫る形相をしているのに、木村は笑っている。
チームをリラックスさせるために、意図的に笑っているならまだ分かるけど、そうじゃなかった。
木村は、極度の緊張にさらされると、笑ってしまう人なのだと思う。
そういう人っていますよね。
別にそういう人が居てもいいけど、キャプテンになっちゃ駄目でしょ。
木村がキャプテンでいる事で、日本代表は常に2割の力が削減されている状態だったと思う。
女子バスケ代表のキャプテンとして今オリンピックでも大活躍している吉田と比べると、木村がどれほど駄目かがよく理解できるはずです。
眞鍋監督の人選は、100%間違っていたと思います。
それに同調し、木村キャプテンを称賛し支持した大手マスコミらも、100%間違っていたと思います。
次に、宮下を正セッターにした事について。
宮下さんは、ここ3~4年くらい、眞鍋監督およびバレーボール協会が最も育成に力を入れてきた選手です。
実力不足は明らかだったが、日本代表に呼び続けて、相棒となるセッターに中道や古藤というベテランを起用し、彼女達にサポートさせた。
誰もが分かるほどの優遇措置をとり、特別扱いを続けてきたが。宮下のトス技術はほとんど上がっていません。
これを見れば、宮下の育成は失敗したと言わざるを得ない。
一方、田代は今年になってから代表入りしたセッターだが、オリンピックという大舞台で宮下以上のトスワークをした。
数年かけて丁寧に育成したセッターよりも、代表入りしたばかりのセッターが活躍した。
この事実から分かるのは、『トス能力には持って生まれた才能がある、才能のある選手を起用しないといけない』です。
これは、トスだけではない。レシーブやブロックでも同じです。
人間は、努力して成長していく。
そこが素晴らしい所です。
だがその一方で、持って生まれた才能もある。
それを見極められるのが、名指導者です。
率直に言って、田代のほうが宮下よりも、トスの才能があるんですよ。
私はVリーグで田代のプレイを初めて見た時から、「彼女にはセッターとしての才能がある」と感じました。
宮下さんは、最近は自分のトスが拙いのを自覚し、「私はトスではチームに貢献できないけど、レシーブなど他の部分で貢献したいです」と発言している。
自分の力量をきちんと把握した事は褒めたいと思いますが、セッターがトスで貢献できないというのは致命的ですよ。
バレーボールは、セッターはトスで貢献する、リベロはレシーブで貢献するなど、それぞれに役割があります。
その役割をこなした上で、「セッターだけどレシーブでも頑張る」とかの状態にならないといけません。
レシーブでも、才能がある。
眞鍋監督らは、「守備力を高めるのが最優先だ」と述べていたが、『石井などスパイク能力の高い選手を選び、その選手たちにレシーブ練習をさせて、レシーブ力を高める』という道を選んだ。
だが、石井らにレシーブの才能がないため、上手くいかなかった。
石井や古賀といったレシーブの下手な選手は、もともとレシーブが好きじゃないんですよ。
だから練習しても、あまり伸びない。
新鍋、近江、竹田といった、レシーブの上手いウイングスパイカーは、レシーブをとても重視しているし、レシーブの大切さを理解している。
所属チームの守備を支えているし、「自分がきちんとレシーブしないと、チームが崩壊する」という立場でプレイしている。
こういった事を理解して、チームのレシーブ力を上げたいなら、レシーブに長ける選手を招集しないといけないです。
眞鍋監督は、「レシーブが下手な選手でも、練習させればモノになる」と考えていたのですが、あれは大ミスでしたね。
まだ書きたい事はありますが、長文になってきたので今日はここまでにして、2回に分けることにします。