浅田真央が落ち込んでいる 私の思うこと 
(2016.11.14.)

一昨日~昨日に、フィギュアスケートのフランス大会が行われました。

で、浅田真央さんも出場したのだが、点数が伸びず低位(9位)で終わった。

私はそんな彼女の姿をテレビ放送で見たのですが、ショックを受けたのはフリーの演技を終えた直後のインタビューでした。

彼女はレポーターの質問に答えている途中で涙目になり、最後には完全に泣いていた。

演技に満足できないのは分かるけど、泣くことはないじゃない。

膝が悪くて練習不足なのだから、「出場して試合勘を鈍らせなければOK」くらいの気持ちで挑めばいいのにさー。

普通の選手だったら、「いやー、やっぱり不本意な出来になっちゃいましたよー。ちゃんと怪我を治して出直します。」と言って終わりにすると思う。

それなのに浅田さんは、「こんな私を見せる日が来るなんて。出口が見えない、もうダメ。」みたいな絶望感の漂う状態なのです。

今回ばかりは、傍から見てもマジにやばい。

今の彼女は、単にスランプというレベルではなく、鬱病の一歩手前まで来ていると感じています。

私は自らが鬱病的な状態になった経験から分かるのですが、鬱状態になると色んな事のネガティブ面ばかり気になり、落ち着いて自分や周りを見られず、すべてを悲観的に考え出します。

浅田さんの態度を見ていると、この症状が現れていると思うのです。

競技生活をしていれば、思わぬほどの低位に沈むことや、全力を傾けたのに練習の成果が出ないことって、あるでしょ。

普通だと、「次があるさ」とか「くそっ、負けてなるものか」とか、そんな感じで乗り越えていく。

ところが浅田さんは、1つの結果をずっと引きずり、落ち込みまくっている。
で、それが演技にまで出ている。

彼女は本来はとても明るい人なのに、笑顔はなく、眉をしかめてばかりで、強迫観念に囚われたように焦りがあり、異常な状態と言わざるを得ない。

ジャンプはともかく、他の部分は良い出来なのだから、あそこまで落ち込むのはよけいに異常に感じる。

私が友人だったら、電話して相談に乗る局面です。

あれは精神病に片足を突っ込んでいると思う。

冗談でも何でもなく、本気で心配しています。

近くに居る人は、気をつけて見てあげてほしい。

この日記では何度か浅田さんを取り上げており、今月2日の記事でも彼女について書いています。

読むと一目瞭然なのですが、どの記事でも少し浅田さんをいじる(からかう)部分があった。

私は30歳頃に気付いたのですが、強く好意を持つ女性に対しては、からかいたくなるのです。
少しいじりたくなる。

普段は我慢するのですが、浅田さんは強い心を持っているので、こちらも安心し我慢しないで放出してみた。

そうしたところ、彼女はどんどん表情に活気がなくなり、ついにはインタビュー中に泣く始末です。

彼女が泣いたのは私の記事のせいじゃないと思うけど、深く反省しました。

彼女に元気になってほしいので、ここからは私なりのアドヴァイスを書いていきます。

記事を書くにあたり、フランス大会の浅田さんのショートとフリーの演技を5回ずつ見て、優勝したメドベデワと日本人で最上位になった樋口新葉の演技も見返し、さらに過去の浅田さんの演技も見た。

今回の私は、本気の真面目一辺倒で書きます。

真央、安心してくれ。今回はからかわない。

ちなみに、今回の勉強(取材・分析)はユーチューブに頼りました。

ありがとう、ユーチューブ。

ここからは、浅田さんの演技の分析と、私の助言に入ります。

まず言いたいのは、『やはり今の浅田の踊りはすばらしい、傑出している』です。

浅田より上位に入ったメドベデワと樋口よりも、踊り全体の精度が高く、細部まで美が宿っている。

私が感心したのは、「ステップワークをスロー再生した時に、どの瞬間も美しい姿になっていること」です。

スローで見た時に全身が常に美しい姿勢・動作を見せているのは、超一流のダンサーにしか出来ないこと。

それを達成している浅田に、私は拍手を惜しまない。

真央、君はすごい。

その一方で、やはりジャンプには物足りなさがある。

過去の浅田さんの演技や、樋口さんと比べてみて気付いたが、全体として滑りにスピード感がないのです。

膝の怪我が主因だろうが、今の彼女にはスピードとキレがなく、それがジャンプの回転不足につながっている。

だが、スピードを上げればいいというものではない。

今の完成度の高い研ぎ澄まされた踊りは、1つ1つの動きを丁寧にさぼらず行う事から生まれている。

やや遅く感じる流れだからこそ、そこで行う所作に気を配れる。
スピードを上げてしまったら、この美しい踊りは維持が難しいと見ます。

樋口さんの演技や、過去の浅田さんの演技に顕著なのですが、ジャンプを成功させる事を優先していて、それ以外の動きの時はかなりサボっている。

体力と集中力をジャンプに傾注するスタイルだが、それが現状では高得点をとれるスタイルとなっています。

浅田さんが今ジャンプに苦しんでいるのは、ステップとか上半身の動きを美しく見せる事にエネルギーを注ぐ結果、ジャンプに注ぐエネルギー不足になっている面があると思うのです。

私は今の浅田スタイルが大好きで、「芸術だな~」とつくづく感心し、深く共感しているけど、勝つためには最善のスタイルじゃないな。

あと思うのは、高難度のジャンプをするには、今の浅田さんは少し体重オーバーな感じがする。

これについても、私は否定的には見ていなくて、「昔よりも今のほうが、女性らしい成熟した美しい身体をしている」とプラスに評価しています。

ふくよかなまろやかな身体つきだからこそ、ステップワークなどに甘さとか優しさが出て、深みのある表現になっていると考えています。

過去の優勝を度々していた頃の浅田さんもじっくり見た上で、私は「今の浅田の方が美しいし、芸術的である」と結論を下しました。

さらに言えば、今大会で優勝したメドベデワよりも、低位に終わった浅田のほうが芸術を表現しており、後世に見返した時には評価されると思う。

難しいのは、どれだけ美しくて踊っても、ジャンプで点を稼がないと上位に入れない事です。

何のかんの言って、フィギュアスケートは「スポーツ」だからね。

私としては、浅田さんに今の路線を続けてほしい。

どんな順位になろうが、それよりも芸術を追求していったら、「この女は、何て素晴らしいんだ」と心底から惚れてしまうでしょう。

だが、低位に終わった今大会で落ち込みまくり、泣いている彼女を見て、「ジャンプ重視の路線に戻ったほうが彼女は幸せなのかな」と思ってしまった。

ジャンプ重視の路線は、過去の彼女に戻る道でもある。
それはそれで険しい道になるだろうな。

どんな道を選ぶかは彼女に任せよう。

ここからは、芸術家気質の私が、「こうやったらもっと芸術的になるぞ」と思う道を書きます。

この道は1つの選択肢であり、浅田さんが選ぶかどうかは自由です。

いま浅田さんが取り組んでいるプログラムは、ショートとフリーが1つの物語になっているのが売りです。

私はこれを高く評価しているのだが、現状だとあまり人目を引く物語になっていないと感じています。

一言でいって、全体として雰囲気が暗すぎる。

ショート・プログラムは、衣装的にも踊り的にも悪魔とか魔女を感じさせるものだから、思い切って野蛮で力強いダークな雰囲気を全面に出してみたらどうだろうか。

で、フリー・プログラムではその人が改心とか変身して、多様な表現を見せる成熟した女性になったように演じる。

私としては、フリーでも唇を黒くしたり目尻を黒くしたりする演出(化粧)に、違和感が拭えない。

浅田真央という女優は、清純さとか優しさを出した時に最も輝くと見ています。

今回のプログラムは、今のやり方(演じ方、解釈の仕方)ではその輝きを表現できない。

どこか翼をもがれた鳥みたいな印象です。

解釈を変えて、フリーではそういう部分を表現しようよ。

ずっと暗い雰囲気じゃあ、真央らしくないと思う。

音楽と振付がすでに付いているので、限界もあると思うが、フリーをもっと明るい演技にしたら、ショートとのメリハリも生まれるはず。

氷上のビーナス浅田よ。
フリーでは清純さや一途さ、優しさや柔らかさを存分に表現して、天高く羽ばたきなさい。

地上で悩み苦しみ暴れていた妖女が(ショート・プログラム)、天女に変身して天に昇り華麗に舞う(フリー・プログラム)。
べたな展開だが、これなら見ごたえが出る。

今の浅田さんならば、多様な表現をものに出来るはず。

それだけの潜在能力を感じています。

このところメドベデワが演技派と呼ばれているが、10代の女の子に演技力で負けてちゃ駄目。

今の状況は、浅田さん的には落ちるとこまで落ちた感じだと思う。

実際は別に落ちていないのだが、そう思っているのが見てとれる。

ここまで来たら、自分をドカーンと爆発させてもいいんじゃないかな。

失うものはないでしょ。

最近の浅田さんは、滑りが守りに入っている。
だから不完全燃焼になるし、満足感も得られないのだ。

高い芸術センスがあるのだから、自信をもって攻めの気持ちでやってほしい。


日記 2016年10~12月 目次に戻る