安倍政権は終わった
野党が結束すれば政権交代は実現する 
(2016.12.28.)

安倍晋三・自公政権は、残念ながらまだ続いている。

もともと政策に魅力がなく、民主党の自爆(分裂)で政権の座に返り咲いた自民党だが、拠り所だったアベノミクス(経済政策)ですら失敗に終わり、もうどうしようもない。

世論調査では安倍政権の支持率は50%くらいあるが、失政の連続に国民は飽き飽きしており、実質的な支持率は0に限りなく近いと推察しています。

失政の実例を挙げるならば、最近だけでも、次のものがあります。

「慎重論を無視してゴリ押ししたTPPの破綻」

「高速増殖炉もんじゅを廃炉にしたはいいが、新規の高速炉の建設計画」

「福島原発事故の処理費の20兆円超えが確定、それなのに原発推進」

「財政に余裕がないのに東京オリンピックなどを理由に建設ラッシュ(財政赤字の増大、将来世代へのツケ回し)」

「オスプレイの導入、予想通りに墜落」

「カジノ法案を成立させ、世界的に競争激化で将来性のないカジノを推進」

「新安保法制で南スーダンに自衛隊を派遣したが、同地は内戦となり自衛隊員も危機的状況」

これだけ失政を連発する政権は、私はかつて体験した事がないです。

ろくでもない首相は沢山いたが、安倍晋三は駄目さの次元が違う。

「このままいけば、東京オリンピックが終わった頃に日本は終焉を迎える」とまで感じています。

安倍政権を支持し支えてきたのは、「保守層」「保守派」と呼ばれる人々です。

ここ数年は、彼らの望みが実現する方向で(彼ら寄りの政策が行われる形で)日本は動いてきました。

その結果が、この閉塞感に満ち満ちた、ギスギスした社会状況です。

オリンピック景気に浮かれている人達もいるが、それは未来の事を考えず、今だけ良い思いをすればいいという考えに基づいた、破滅的な道です。

安倍政権は、「日本を取り戻す」とか「美しい日本の実現」と語り、それに保守層が共感して政権維持の原動力となってきました。

だが、日本は以前よりも美しく力強くなったのだろうか。

いま向かっている方向に、本当に保守層は満足しているのだろうか。

安倍晋三らが目指している日本の姿は、『原発が全国で元気に稼働し、カジノが全国展開して各地で皆が賭博に興じ、米軍が我が物顔で闊歩し、世界各地から安い農産品や商品が入ってくる』状態です。

これは、彼らの進める政策からはっきりと感じ取れる。

これって、保守なんですかね?

私は日本の国土を愛しており、日本史も尊重しているので、原発とカジノが成長戦略の要となる事や、米軍が統治者みたいな顔つきでウロウロしている事や、市場開放で日本の農産品が減っていく事に賛成できないのです。

日本の保守派と自称する方々が行う、大胆な日本改造計画に、疑問が一杯でとてもついていけない。

そんな私だが、日本ではリベラル派と見なされることが多く、周りの人々から左派に分類されている。

おかしくないかな、日本人のこの価値観。

常日頃から首をかしげながら思っているだが、どうも立場が逆転している。

私のような左派に分類される人間たちが「原発を無くして、日本の国土を守ろう」「経済優先の都市開発などせずに、日本らしさを守ろうじゃないか」と言っている。

そして右派(保守派)の人々が「アメリカの流儀がグローバル・スタンダードなんだ」「原発やカジノで勝負に出て、お金儲けにチャレンジしよう」と言っている。

どっちが伝統を重んじる保守派なのかと冷静に考えると、「私たちが保守派じゃん」と思ってしまう。

もし本当の保守派なら、安倍政権を支持しないと思うんですよ。

実際に、保守論客の小林よしのりさんは厳しく批判していますね。

彼の言っている事は筋が通っていて、正統派の保守だと感じています。

2000年頃は小林さんと私の考えは大きくずれていて、「この人とは一生分かりあえそうにないな」と感じていました。

ところが彼は、自分でも語っているが2003年のイラク戦争を機に思想を成長させた。
で、私が頷ける発言が増えていったのです。

今では、8割くらいの言葉に共感できる。同志に近い感覚で彼を見ています。

結局のところ、本当に日本を愛していれば、かなりの部分まで左派と右派でも分かりあえると思うんですよ。

私は安倍晋三らを見ていて、「愛国心」を感じないんですよねー。

自分の私欲(利権や権力の維持)を何より優先させていて、国益とか国民を最優先にしている様に見えない。

愛国心については、「それは教育で植え付けられるものではない」という意見が根強くあります。

この意見は正しいと思う。

日本で暮らしていて満足感を得られる状態が続いていくと、自然に強まってくるもの。
それが愛国心じゃないか。

安い賃金で長時間働かせたり、子育てや結婚を経済的理由で諦めなくてはならない状況下で、国を愛する気持ちが育つはずもない。

私は安倍政権の政策を見ていて、愛国心を高めようとしているとは、全く思えないのです。

アメリカに常に媚びを売り、沖縄県民を切り捨ててでも米軍礼賛を続ける姿を見たら、日本を嫌いになる人のほうが多いんじゃないの。

自分たちが自国民(沖縄県民)よりもアメリカ政府を大切にしているのに、よく「愛国心を養おう」とか言えるよなー。

その破綻した論理には、いつも感心する。

ここで声を大にして言いたいのは、日本の保守派を自称する人々のほとんどは、実のところ『アメリカ絶対主義者』と『お金儲け絶対主義者』だということです。

この2つの主義は、日本の伝統とはかけ離れており、保守でも何でもない。

日本の伝統的価値観には、『アメリカ絶対主義』も『お金儲け絶対主義』もない。

それは日本史を学べば明らかで、そもそも昔はアメリカという国は無かったし、日本では商人の地位はずっと高くなかった。

保守派と称する人の多くは、深く物事を考えず、何となく日本ではリベラルよりも保守の方がイメージが良いから、「その勢力に私は属しています」と言いたいだけなのだ。

この指摘は、心にグサッとくる人もいると思いますが、ぜひ受け入れてほしい。

そうしないと、いつまでも安倍みたいなニセ保守に騙されてしまう。

そうして、保守政治を支持していると思っていたのに、どんどんアメリカへの従属を深めて、ついには完全な植民地になってしまう。

保守の基本は、100年200年先にも存続する事を目指すことだし、自分たちで物事を決めていくことです。

原発やカジノに100年先の未来があると思いますか?

アメリカの言いなりで動いていくのが日本の伝統ですか?
大国の中国が隣りにいても、ずっと自立国家として頑張ってきたのが日本史じゃないか。

ここまで私が展開した価値観は、底流では支持が広がっていると感じています。

安倍政権の個別の政策については、世論調査で反対のほうが多いですから。

安倍政権のほとんどの政策について、世論調査では反対のほうが多数なのに、なぜか安倍政権の支持率は50%とか高くなってしまう。

日本の七不思議の1つです。

先日に、アメリカ大統領に当選したドナルド・トランプに、安倍晋三はいち早く渡米して会いに行った。
誰よりも早くトランプの家に赴き、「これから宜しくお願いします」と挨拶した。

そうしたところ、日本で安倍の支持率がぐーんと上昇したというのです。

本当なのか?
あんなにバカなパフォーマンスを選挙戦でしまくっていたトランプに、ちょっと会って挨拶しただけで、「良い政治判断だ、この人を支持しよう」とか思っちゃうの?

日本のメディアはさんざんトランプをバカ者として報じてきたのだから、「こんなバカがトップになったのだから、日本はアメリカと距離をとるべきだ」と言えばいいじゃない。

それが毅然とした、一貫性のある態度でしょ。

ところが、彼が大統領選挙で勝利した瞬間から、「トランプに気に入られるにはどうしたらいいのか」みたいな論調ばかりになってしまった。

見ていて本当に恥ずかしい。

原発の大事故を起こしたのに、「日本の原発技術は素晴らしい、ぜひ買って下さい」と各国に売り込む安倍たち。

こうした恥ずかしい行動が常態化した結果、日本人全体の程度が劣化してきている気がする。

先日にあったオスプレイの墜落事故でも、犠牲者は沖縄の人々なのに、なぜか日本政府から沖縄の人々が悪者扱いされてるんですよね。

この1点だけでも、保守派なら「なぜ日本人よりも米軍を敬うのだ」と怒って、安倍政権を支持しなくなっておかしくないと思うのですが。

「自分たちのオスプレイ導入という判断ミスで、同胞の沖縄県民に迷惑をかけてしまった。ごめんなさい。」

こういった反省の論調が、保守層にいっさい無い。
それがそもそも変だよ。どっちの味方なんだ。

「米軍がいないと日本は駄目なんだから、目をつぶろうじゃないか」という保守層の考え方は、もはや奴隷といっていい。

米軍の駐留について保守層は、「中国やロシアがいる、軍事費だって全然ちがう。だから米軍が必要なんだ」と言う。

でもさ、中国・ロシア・アメリカというばか広い国と、日本の防衛費が違うのは当然じゃない。

地図を見て下さい、どれだけ中国とロシアが広いか。

ロシアなんて、気持ち悪いくらいに広いよ。

正直、アメリカもそうだけど、国として大きすぎるので、長い目でみたら分裂すると思ってます。

国としての大きさが違うのだから、国力が違って当然なんです。

人口が10億を超える中国や国土が世界一広いロシアと、日本が張り合うこと自体が、無謀なんですよ。

それを冷静に見極めた上で、属国にならないように上手く外交や貿易をしていけばいい。

先日にプーチンが来日し安倍と会談した際、日本では「領土問題が進展する」と期待する人々がいた。

安倍らがそれを煽っていたのだが、結局目にみえる成果はなかった。

これは当たり前なんですよ。
トランプタワーに出向いて媚びを売る安倍の姿を、会談のすぐ前に見せておいて、それで「ロシアと良い関係を築きたい」と言っても、説得力がゼロです。

なんでそんな事も分からないかなあ。

プーチンと進展性のある交渉をしたいなら、トランプに会いにいかないほうが良かった。

別にまだ大統領でもないし、急いで会う理由もなかったのに。

ロシア大統領との会談の直前に「次期アメリカ大統領への忠誠心」を世界に示してしまうなんて、外交感覚なさすぎ。

プーチンの来日では、彼への独占インタビューを日テレが行い、私はそれを見ました。

見ていて思ったのですが、日本人はロシアをバカにしているなと。

ロシアを対等の相手と捉えていなくて、一段低く見て甘えた要求をしているのを、インタビュアーから感じた。

ネット右翼に代表される中国や韓国やロシアを蔑視する人々は、隣国であるこれらの国をバカにしている。

ところが中国やロシアはしたたかで、日本よりも外交力があるものだから、こうした人々は恐怖心を抱きアメリカへの従属を強める方向を支持する。

そうして何でもアメリカ頼みの状況となり、国力は低下し、さらに恐怖心が高まる。

この負のスパイラルが、今は進行している。

私が安倍政権を見ていて思うのは、『無能な人々が政権を担っていると、どんどんアメリカへの従属が強まる』という事です。

選択肢が狭まってきて、「アメリカ従属」の1択しかなくなるんです。

日本はもっとアメリカと距離をとるべきです。

「色んな国と交流をしていきたい」とのメッセージを強く発信しましょう。

今の日本は「やっぱアメリカ」とのメッセージだけになっていて、国際社会で説得力がない。

例えば核兵器の廃絶でも、日本政府は「核兵器はこの世界に要らない」と言いつつ、「アメリカの核兵器は日本防衛の要だ」と言ってアメリカの核武装を支持している。

他国から見たら、我儘な国に見えているはずです。

「アメリカを含めて、どの国の核兵器も要らない」とはっきり言えば、ロシアだってもっと日本に敬意を持ちますよ。

毅然とした態度を示そうじゃないか。

ここまでの話をまとめると、安倍政治に代表される『アメリカ絶対主義』と『お金儲け絶対主義』は、行き詰っています

心の中では多くの方がそれを感じていると、私は信じます。

公明党と維新の会は、安倍政治を追認・補完する勢力です。

そして民進党は、「安倍政治が国民に支持される路線なのかなー。そうだったらそっちに行かなくちゃ。」との下心を持ち、フラフラしている。

期待できるのは、共産党、自由党、社民党あたりになる。

これらの党はリベラルとされているが、実際には日本の国土や伝統を守ろうとする気持ちは自民党よりも強いです。

小林よしのりさんが最近、共産党を褒める事が多いのは、自然なことだと私は思ってます。
今の共産党って、自民党よりも愛国心があるもの。

民進党は、蓮舫・野田体制になってから失速していると思ってます。

岡田が党首の時は、着実に党勢を回復させていて、私は評価していたんですけどねー。

「だいぶ力をつけてきた。共産党と誠実に協力関係を築いていけば、政権交代も見えてくる。」と思っていたが、その路線に反対する勢力が暗躍し、岡田が去って凡庸な蓮舫がトップになってしまった。

共産党にも、問題があると思う。

党のイメージを改善するための努力を怠っているからです。

私は赤旗・日曜版を購読しているから分かるのですが、日本共産党は旧ソ連や今の中国共産党をきちんと批判している。

中国やロシアに対して批判的な目を持っているし、追随しているわけでもない。

だが、この真実を内輪の人々にしかアピールしていない。

多くの日本人は、「日本共産党が政権をとったら、中国みたいになる。一党独裁制を敷く」と信じている。
このように主張する人に、私は何度も出会ってきました。

一般人よりも詳しいから確信をもって言えるけど、日本共産党は議会制民主主義を重んじているし、中国を目指してもいない。

きちんとそれを説明すればいいのに、頭が固くて世情に疎いからしないんですよ。

赤旗とかで、実情をよく知っている人に「日本共産党はこうなんです」と説明してもねえ。

無駄ではないけど、「偏見にこり固まった人がいっぱいいるんだから、そこに説明していかないと」と思ってしまう。

志位委員長らは、「議会制民主主義を守っていく、一党独裁には断固として反対する」とあらゆる場所で言ってほしい。

赤旗では言ってるけど、読んでいる人は限られてるからね。

たぶん共産党の人達は、「そんなの当たり前じゃん」と思っていて、懸念している人が大勢いるのを直視できていないのだと思う。

私も、共産党と聞いただけで拒絶反応を示す人には、「そこまで低レベルの偏見を持ち続けるなんて、どこまで洗脳されてんだよ」と呆れてしまう時があるが、現実にいるのだからそこにも対応しないといけないです。

「日本共産党は中国共産党とは違う、連携してない」とか、「政権をとってもきちんと議会や司法を重んじて政治をする」と国民に知れ渡れば、もっと共産党に票を入れる人が増えるし、民進党も協力しやすくなる。

政策が一番良いし、地道な活動で弱者の救済をしているだけに、政界で4番手くらいにいるのがもったいなくて仕方ないです。

安倍政権がここまで酷いから、保守層といわれる人々で離心が増えている。

最初のほうで書いたけど、実質的な支持率はゼロに近いと見ています。

冷静に考えれば分かるけど、安倍政治は保守でも愛国でもないですから。

野党が私心を捨てて結束すれば、政権交代は実現する。

その事に気づいてほしいし、もっと地に足の着いた活動をしてほしい。
とくに民進党に。


日記 2016年10~12月 目次に戻る