前川喜平さんの記者会見を見た
良い人だね、好きになった
(2017.6.26~30.)

数日前に、文科省の元事務次官の前川喜平さんが、再び記者会見を開きました。

彼は1ヵ月くらい前に、安倍政権が「出所不明の怪文書」と嘘をついてもみ消そうとした文科省の文書を、「あれは本物です」と証言しました。

権力におもねらず勇気をもって自分の知る事を正直に語った前川氏に、多くの国民は共感し拍手を送りました。

その注目人物がまた会見するいうので、私は生中継をテレビで見ようと思ったのです。

ところが、市川海老蔵の妻の訃報が重なり、そっちにテレビがシフトしていて、ちょこっとしか前川会見を扱わない。

がっかりしたなあ。
役者の妻が亡くなったのと、政権と対峙して不正を告発する者の会見と、どっちが重要かが分かってないのだもの。

市川海老蔵は、2010年に自分の酒乱な行動から不良の暴行を受け、それが世間に知られて評判を地底深くまで落とした人物です。

大河ドラマに主演した時の演技も見るに堪えないものだったし、人間としても役者としても見るべき所のない人と私は評価しています。

だから、その妻がどうとかいわれてもピンと来ないんですよね。

正直、あれだけの不祥事を起こしたのに、今でも役者業を続けている事じたいに違和感があるし、それを見て「歌舞伎界って腐っているな」と感じてます。

「良い家系だったら何をしても出世しちゃうんだ、最悪だな」と、冷めた目で歌舞伎界を見ています。

前川会見のほうが大切なものだったのに…。

海老蔵が泣く姿を放送して、それで視聴率を稼ごうなんて、安易すぎないか?

テレビでほとんど取り上げないから、業を煮やして見切りをつけ、ネットで見る事にしました。

ユーチューブにノーカット版がアップされたけど、やっぱり面白い。
海老蔵の泣き顔の、5千倍くらい見応えがある。

内容も面白いけど、それ以上に前川さんの誠実な態度にしびれたね。

見ていたら、彼を好きになりました。

どこまでも誠実に進もうとする姿に、感動すら覚えました。

「こんな人も官僚にいるのか」と少しだけ官僚を見直したし、「現役の人は、彼の後に続いてくれ」と思います。

彼は前回の記者会見で「証人喚問に応じる」と言っているから、ぜひ国会に呼んで証言させてほしいな。

そして官僚たちに「国のために行動するとはどういう事なのか」を、見せつけてほしい。

前川さんの話と安倍政権の説明は、真っ向から対立しています。
そして、国民のほとんどはすでに気付いていると思うけど、安倍政権が嘘をついているのです。

いま、「正直者(前川&一部の文科官僚)」対「嘘つき(安倍たち)」で、せめぎ合いが続いている。

正直者が勝たないといけないでしょ。
みんなで前川グループを応援しよう。

前川会見が面白い内容だったので、ノートに取ることにしました。

ここからは、それを記載して紹介します。

〇 前川喜平が記者会見で語ったこと

国家戦略特区における獣医学部の新設をめぐっては、行政が歪められたと考えています。

これについては、国民に知る権利がある。

事実が隠蔽されたままでは、民主主義が機能しなくなってしまうという危機感があります。

憲法の前文にもありますが、『国政は国民の厳粛な信託に基づくものであって、その福利は国民が享受するもの』です。

一部の者もために権力が使われるならば、国民の手でたださなければならない。

そのためには、まず事実を知らなければならない。

文科省は問題となっている文書について、「存在を確認できない」との調査結果を発表したが、その後に国民の声に押されて追加の調査を行い、文書の存在を認めました。

この存在を認めた文書には、私が在職中に目にしたものもあるし、目にした事のないものもあった。

記載された内容はほぼ100%間違いないと評価しています。

文書の内容は、内閣府や官邸とのやり取りをめぐるものですが、内閣府と官邸はこの事実関係を認めようとしていません。

その姿勢は不誠実で、真相解明から逃げていると評せざるを得ない。

「官邸の最高レベルが言っている」や「総理のご意向」との文言を含んだ文書もあるが、それを素直に読めば、『今治市における加計学園の獣医学部の開設を平成30年4月に行うこと』を言っていると明らかです。

この事について、官邸と内閣府は国民への説明責任を果たしていただきたい。

今回の問題は、規制改革を進める者達と規制(既得権益)に固執する者達の対立と見ている方もいますが、本質を見誤っていると考えています。

私自身も、無意味な規制は撤廃すべきと考えています。

在職中に、12万人いる不登校の子供の問題に取り組むために、特区で学習指導要領に依らない教育課程を編成することを実施しました。

これは非常に良い特区制度で、救われた子供がたくさん居て、まもなく全国展開する制度になりました。

また昨年12月には、教育機会確保法ができましたが、これも一種の規制改革で、不登校の子供たちに学校外で学習することを正面から認めていこうとするものです。

フリー・スクールを正面から認めていこうとする方向性です。

今回の獣医学部の新設については、規制を緩和したことよりも、緩和のプロセスに問題があると考えています。

「加計ありき」で進められたと思われるし、それゆえに最後の段階でいくつかの条件が付けくわえられた。

その条件とは、『広域的に獣医学部が存在しない地域に限る』とか、『平成30年4月に開学できるものに限る』とか、『1校に限る』というものです。

こうやって今治の加計学園しか該当しない形に持っていった。

逆に言うと、強力なライバルの京都産業大学を排除した。

この件では、規制緩和したように見えるが、緩和した後に様々な規制をのせることで1つの所だけが恩恵をこうむる事になりました。

(つまり規制緩和に偽装した、特定業者への利益供与です)

このプロセスを決めた国家戦略特区の諮問会議およびワーキンググループは、ちゃんと検討を行ったのか。

この点も非常に問題があると思っています。

国家戦略特区という制度は、特定の主体(組織)に特別なチャンスを与える仕組みです。

それだけに決定プロセスには透明性や公平性が特に必要となる。

しかし十分な検討がされなかったのではないか。

この特区制度は、国際競争力の強化と国際的な拠点の形成が目的で、法律の始めに書いてあります。

加計学園が今治市に獣医学部をつくることが、この目的に資するのかときちんと検証されていたのか。

さらに、特区については2015年6月に閣議決定された『4条件』があります。

この4条件を満たしているかの検証もされたのか。

京都産業大学が出した案より優れていたかも疑問が残ります。

農林水産省の参画も必要でしたが、私の感覚ではそれも無かった。

以上の点から、決定のプロセスには大きな疑問があります。

特区の諮問会議で議員をしている八田達夫さんは、「政治のプロセスは不透明だった」と記者会見で述べています。

そこに正に問題がある。
ところが諮問会議でこの部分はスルーされている。

諮問会議は「広域的に~」という言葉を加える修正をした事について、「京都産業大学を排除する意図はなかった」と言っている。

これを見ると、京都産業大学を排除する効果があると認識していなかったのではないか。

諮問会議は今治市に決定した事について、「まず1校ならば、長年手を挙げてきた今治市だ」「四国に獣医学部はないから」と説明しています。

2校目以降があるのが前提になっている。

だが、(獣医学部の需要からみて)2校目がつくられる保証はありません。

加計問題を通してもう1つ認識したことは、『国家権力とメディアの関係』です。

私への個人攻撃と感じる記事を、5月22日に読売新聞が掲載しました。

その背後に何があったのか。
私は官邸の関与があったと考えています。

それから、加計問題で私に最初にインタビューをしたのは、NHKです。

ところが放送されてません、未だに。

さらに、文科省の内部文書で9月22日付の「官邸の最高レベルが言っている」と書かれたものを、朝日新聞が報じる前日の夜にNHKは報じていました。

しかし核心の部分は黒塗りされていました。

報道番組を見ていると、コメンテーターの中には官邸の擁護しかしない方がいます。

(田崎史郎と強姦容疑で逃亡中の山口敬之を指していると思われます)

第4の権力ともいわれるメディア界と国家権力の関係を、国民の視点から問い直す必要があると思います。

(国民は、どの新聞やテレビ局が信用できるかをきちんと見極めなければならないのです)

『10月21日 萩生田・官房副長官の発言概要』というペーパーは、私は現職中には見てません。報道されて知りました。

おそらくこの文科省文書は、局長が(萩生田氏に)対面して聞いたことをメモに残して、局長より下のレベルで情報共有するために使った。

すべてが萩生田氏の発言ではありません。
和泉洋人・総理補佐官の発言を引用している部分があるし、発言を聞いた常盤豊・教育局長の言った事が混じっている可能性もあります。

ただし書かれている内容は、ほぼ事実ではないか。

この文書を作成したといわれている課長補佐を、私も十分に知ってますが、優秀でしっかりした人物です。
虚偽の内容を盛り込むことも、聞き間違いも、まず考えられない。

この文書には「農水省は了解した」とありますが、私の当時の感覚では最後まで話に乗ってきてくれなかった。

必要なデータを出してくれなかったですし。

「了解した」というのは「農水省はコミットしないから」という意味で、内閣府のほうも「コミットしなくていいから」との態度だった。

一方、文科省は大学の設置認可をするから、絶対に逃げられない立場でした。

加計学園の獣医学部設置はプロセスがおかしいので、文科省としては慎重にならざるを得なかった。

『10月7日の萩生田・副長官の発言概要』の文書でも、萩生田さんは「四国には獣医学部がないから、それが設置の理由になるのではないか」と示唆しています。

ですから、萩生田さんは関与していたと考えています。

核心に迫るためには、内閣府の調査が次は必要だと思います。

加計学園問題のキー・パーソンは、私は和泉洋人・補佐官だと思います。

私に直接的に働きかけてきたのは和泉・補佐官で、2016年9月上旬でした。

官邸に呼ばれて、「獣医学部の解禁を早くしてほしい」と彼から要請された。

その際、「総理は自分の口からは言えないから、私が代わって言う」との言葉もあった。

萩生田さんは10月21日の発言概要を見ると、和泉さんと話した事をうけて文科省に伝えています。

だから情報発信源は和泉さんなのではないか。

文科省から見ると、萩生田さんは頼りになる文教族の先生なんです。

当時の文科省の立場は、「逃げ腰の農水省と厚労省を引き入れたい」「性急に進めようとしている内閣府を、時間をかけて精査するように説得したい」という気持ちだった。

そして萩生田さんに調整を依頼していた。

萩生田さんは10月7日の文書では、「自分が調整する」と話している。

「農水省の協力が必要だと分かっているし、平成30年4月の開学は無理だと思う。私のほうで整理しよう」と語っている。

文科省は調整してくれると期待していたが、10月21日のなると話が変わってきた。

和泉・補佐官と話した結果、「とにかく早くやるんだ」と。

「平30年4月の開学と総理はおしりを切っていた」「農水省は了解している」と萩生田さんは説明した。

文科省としては、「期待していた調整はしてもらえず、むしろ文科省を説得する側に回ったな」と。

(※ここからは、前川さんが質問に答える形になります)

質問
「読売新聞が出会い系バーに通っていた事を報じた件について、官邸が裏で関わっていたとなぜ思うのか」

前川

「私がそこに通っていた事を、官邸は知っていました。

 杉田・副長官からご注意を受けたことがあったので。

 記事が載ったのは5月22日ですが、20日と21日に
 読売新聞の記者から私にアプローチがありました。

 『あなたの私的な行動を報道するつもりだ。ついてはあなたの
 コメントがほしい』と。

 私はそれに応じませんでした。
 正直にいって、読売新聞がそんな記事を書くとは思いません
 でした。

 21日には、和泉・総理補佐官からも、文科省の某幹部を
 通じて『私と話す気はあるか』との打診がありました。

 私は「考えさせてほしい」と言って、そのままにしました。

 報道されても構わないと思っていたし、官邸に情報を抑えて
 ほしいと頼む気はありませんでした。

 読売新聞からのアプローチと官邸からのアプローチは、
 連動していると感じました。

 この様なことが他でも起きているなら、大変な事です。

 メディアまで権力によって私物化されてしまったら、
 民主主義は死んでしまう。
 その危機意識を持ったんです。」

質問 「森友学園の問題はどう思うか」

前川

「加計と森友は、非常に構図が似ています。

 学校の設置認可と公的な財政支援がからんでいて、
 そこに政治的な力が働いている。

 森友は設置認可は地方(大阪)で財政支援は国、加計は認可は
 国で支援は地方となってますが、性急な計画を進める司令塔が
 あったはずです。

 司令塔は共通なのではないか。

 大きく違うのは、森友では情報が国から出なかったが、
 加計では内部文書が次々と出てきた。」

(※ここからは各メディアの記者が質問する時間に入ります)

産経新聞の記者

「総理のご意向などと書かれた文書は、前川さんが流したとの
 指摘がありますが、本当ですか。

 また特区の選定であなたは『行政が歪められた』と声を挙げて
 いるが、あなたが事務次官の時に文科省幹部が天下りした
 実態を承知していたと思います。

 なぜ省内の歪みについて声を挙げなかったのですか。」

前川

「文書の流出元については、コメントしません。

 天下りの発端になった吉田局長の早稲田大学への再就職の
 経緯は、人事課から報告をうけるまで承知してませんでした。

 委員会の勧告をうけて違法行為を知りました。
 知っていたのに是正しなかったというのは当たりません。」

共同通信の記者

「先ほど『キー・パーソンは和泉補佐官』とおっしゃいました
 が、和泉さんは『前川さんとのやり取りは記憶にない』と
 言っています。

 何か証明できるモノは持ってますか?」

前川

「持ってません。」

NHKの記者

「獣医学部の新設を決めるプロセスでは、文科省も結果的には
 加担しています。

 文科省のトップとしてやれる事があったのではないですか?」

前川

「もっとやれる事はあったと反省しています。

 その一方で、私がアクションを起こしても結果は同じだった
 のではないかと思う気持ちもあります。

 加担したという指摘は、ある意味で正しいです。

 11月9日に国家戦略特区の諮問会議が開かれて、そこで
 決定することで事実上は今治市に加計学園の獣医学部が
 つくられると決まった。

 その1週間~10日前くらいから、文科省は敗戦処理みたいな
 形で加わった。

 それを加担と言われれば、そうなのです。」

朝日新聞の記者

「閣議決定で(獣医学部設置の)4条件を定めた時は、大学を
 つくりたい側が需要を証明することになっていました。

 ところが諮問会議の議員たちは、規制をしている文科省の側が
 合理性を証明しなければならないと言った。

 挙証責任が180度変わったと思うのですが、お考えを
 きかせて下さい。」

前川

「私はどちらが挙証責任があるかを論じるのは不毛だと思って
 います。

 (学校と役所が)お互いに協力しながら一番良いことを
 考えるべきだと思っています。

 裁判のようにどっちに責任があるかという論法をすること
 自体が、おかしいのではないか。

 しかし、諮問会議およびワーキンググループの方々は、
 そういう議論の仕方をされました。

 文科省としては、学部新設は多額の投資が必要となる分野
 だけに、計画性をもつ必要があると。

 獣医師などは育成に(学部卒業までに)6年かかりますし、
 初期投資も大きい。

 獣医師は農水省が国家資格を監督してますから、そことも
 協議しながら将来的に需要が増えるのか減るのかを考えて、
 新設するか既存の学部の定員を増やすかと検討してきました。

 獣医学部を新設するならば、やはり需要があることを明らかに
 しなければいけない。

 文科省としては、獣医の資格を所管している農水省が需要の
 証明でメインに立ってほしいと思っていた。

 それなのに『農水省は関係ない。文科省の規制なんだから、
 文科省が規制の合理性を証明しろ』との単純な理屈を、
 諮問会議が立ててきたのです。

 そういうルールを設定されて、『証明できないから文科省の
 負け』と言われたわけで、乱暴な判断だったと思っています。」

フジテレビの記者

「キーパーソンは和泉さんとおっしゃいましたが、文科省の
 文書では随所に萩生田・官房副長官の名が出てきます。

 萩生田さんの関与を意識させる出来事はなかったのですか。」

前川

「私はほとんど萩生田さんの積極関与を意識したことはありません。」

TBSの記者

「義家・文科副大臣は、文書の存在を証言した現役職員に
 対して、『国家公務員法に違反している可能性がある』と
 言いました。

 前川さんはどう感じていますか。」

前川

「今回のは、守秘義務違反になるものではないです。

 義家さんは紙に書かれたものを読み上げただけだし、不正確な
 答弁だったと思います。」

テレビ朝日の記者

「10月21日の文書では、萩生田・官房副長官が『加計学園の
 渡邊事務局長を文科省の担当官のところに行かせるから』と
 言ったとあります。

 実際に渡邊氏は文科省に行ったと聞いてますが、どのような
 話をしたのですか。」

前川

「その件は、私のところに情報がきませんでした。

 この時点では、大臣や副大臣と直接にやっていたのだと
 思います。」

TBSラジオの記者

「あなたはまだ公開していない新しい事実を持っていますか。」

前川

「獣医学部の新設に関わるものは、もう持っていません。

 別件で官邸とのやり取りで色々ありましたが、ここでお話する
 ものではないと思っています。」

日経新聞の記者

「昨年秋に、杉田・官房副長官から出会い系バーへの出入りの
 注意をうけた時、前川さんが写った写真を提示されたという
 情報を入手しました。

 これは事実ですか。」

前川

「いや、そんなものはありませんでした。」

産経新聞の記者

「先ほど『現職中に私が声を上げても何も起きなかったと思う』
 と言いましたが、そういう思いに至った経緯を詳しく説明
 していただきたい。

 あと、それならばなぜ今になってご発言されたのか。

 私は52年間も獣医学部をつくらないことで既得権益を
 文科省が守ってきたととらえていますが、その点はどう
 お考えですか。」

前川

「その見方は単純な図式で間違っていると、先ほど申し上げ
 ました。

 改革派と岩盤規制派の勧善懲悪の話ではないのです。

 きちんと議論した上での獣医学部新設ならば、けっこうな事
 だと思っています。

 今回の場合は、特定の業者にだけ恩恵があったのではないかと。
 そこに問題がある。

 『改革勢力 対 抵抗勢力』という図式は、議論のすり替え
 だと思っています。

 前段の質問については、最後は政治的な判断で決まり
 ましたから。

 最後の判断は文科大臣がするから、結論は同じになったのでは
 ないかと思うわけです。」

フジテレビの記者

「『10月21日 萩生田発言』では、総理は平成30年4月に
 開学とおしりを切っていたとあります。

 ところが2週間前の『10月7日 萩生田発言』では、
 平成30年4月は早すぎて無理だとなっています。

 この2週間に何が起きたのですか。

 10月17日には、和泉補佐官から前川さんは呼び出されて、
 早く決断を出せと言われてますよね。

 この日には、京都産業大学が21ページの(獣医学部設置の)
 資料を提出しています。」

前川

「何が起きたかは分かりません。

 内閣府や総理官邸の方々に説明していただかないと分かりません。」

ビデオニュースの記者

「文科省から文書が出て、前川さんも証言したことで、
 加計問題は表沙汰になった。

 私たちから見ると、他にも行政が歪められた事があるのでは
 ないかと思える。

 今の政府のどこに問題があるのでしょうか。」

前川

「文科省の天下りでは、再就職監視委員会という強力な第三者
 機関がいるおかげで不正が発覚しました。

 正直に申し上げると、我々はここまでなら大丈夫と思っていた
 ラインがあったが、『それは違法だ』と言われた。

 その判断を我々は受け入れなければならない。

 このようなチェックが、国家戦略特区にも行われる必要が
 あると思います。
 そうした工夫が必要です。」

東京新聞の記者

「加計疑惑では、様々な証拠が出てきてますが、政府は説明責任
 を果たそうとしません。

 この状況でどのようにメディアが活動すれば事実は明らかに
 なると思いますか。」

前川

「重要人物でいっさい発言をしていないのは加計孝太郎さんです
 から、彼にメディアは取材してほしいと思います。」

フジテレビの記者

「前川さんは『文科省も100%の説明責任はまだ果たして
 いない』とおっしゃいました。

 その理由を教えて下さい。」

前川

「文科省には、まだまだ文書はあるはずです。
 まだパソコンに眠っている。

 しかし松野大臣と義家副大臣は、文書が表に出たことで
 「反省している」とか「謝罪する」と口にしている。
 正確性に欠けるという理由で。

 そう言わざるを得ない事情があるのでしょう。

 官邸のほうが遥かに強い力を持っているから、文科省は
 言いたいことが言えないんです。

 そういう意味では、『力の及ぶかぎりの100%』には
 なっていると思います。」

フジテレビの記者

「国会に呼ばれたら出る気はありますか。」

前川

「証人喚問が行われるなら、私は応じます。」

共同通信の記者

「成田市の医学部新設の件でも、選定過程で行政が歪められたと感じたことはありましたか。」

前川

「当時は事務次官ではなく、初等中等教育を担当していたので、
 成田市の件は十分には承知していません。

 ですからコメントできません。」

記者クラブ個人会員のタキヤマ氏

「獣医学部の新設で行政が歪められたと感じた時点で、文科省内にプロジェクト・チームをつくって是正をはかる気持ちはなかったのですか。」

前川

「国家戦略特区は内閣府が主務官庁で、文科省は協議に加わる
 立場なんです。

 内閣府の進め方に問題があると文科省は思っていたわけで、
 『これでいいんですか? 4条件に照らした判断をして
 ないんじゃないですか?』と言い続けていた。

 しかし押し切られて、11月9日の諮問会議で決定になって
 しまった。

 ですから、内閣府のトップの安倍総理の責任で行われた事です。

 プロセスの検証をするなら、内閣府に検証チームを設け
 なければならないと思っています。」

(以上で質疑応答は終了です。
 最後に前川さんの締めの言葉があったので、それも書きます)

前川の締めの言葉

「私は38年間、国家公務員をやりました。

 その間ずっと感じたのは、『自分を捨てて仕事をしてるん
 じゃないか』と。

 それではいけないと思ったのです。

 国家公務員も、尊厳のある個人である。

 自分の信念や良心をきちんと持たなければいけない。

 もう1つ、国家公務員は国民の1人でもあります。

 主権者である国民だというのも、忘れてはいけない。

 国民の立場から見て『これはおかしい』と思ったら、
 何らかの形で伝えていかなければならない。

 この言葉を後輩たちに送りたい。」


日記 2017年4~6月 目次に戻る