私が最初に『加計学園と安倍政権の癒着』を取り上げたのは、3月中旬でした。
当時はまだほとんどテレビで報じられてなかったのですが、その後ぐんぐん注目され、新情報も次々と出てきて、今では「疑惑」ではなく「確定事実」になりましたね。
もはや疑惑ではないのですが、前回の記事の続編として書くので、タイトルは変えないでおきます。
この加計学園問題では、当事者の加計孝太郎・理事長が雲隠れしています。
いくつもの学校を運営する法人のトップが、世間の目を恐れて逃げ隠れている。
そんなんで学校は大丈夫なのかな。それが不思議で仕方ないです。
もう一方の当事者である安倍晋三・首相は、口では「反省している」「真摯に国民の疑念に答える」と言うが、行政文書の開示を拒否し、関係者の証人喚問も拒否しています。
加計理事長と安倍首相の行動を見れば、「こいつらクロだ」と皆が分かっちゃうんですよね。
だからこそ世論調査で、「安倍首相は信用できない」が50%を超えるのです。
まあこの「信用できない」は、これまでに積み重ねてきた嘘や裏切りの結果で、加計問題だけじゃないですけど。
それにしても、国民の過半数が「この人、信用できない」と思っている人物を、いつまでも支持して担いでいる自民党と公明党って、何なのだろう。
惰性で政治をしているとしか思えません。
他方では、民進党もバタバタしてますね。
蓮舫代表が辞意を表明し、一時は有力な代表候補とされていた細野豪志が離党しました。
私は細野さんを評価してないので、そっちは別にどうでもいいです。
新たな代表の候補として5人ほど名前が挙がっていたが、その中で立候補を表明したのは枝野さんと前原さんの2名です。
この2名については、「新鮮味がない」との批判が出ているが、説得力を感じています。
いまの民進党の退潮傾向を変えるには、もっと大胆な人事が必要と思います。
私は名前の挙がった中では、山尾さんが良いと思ったのですけどね。
彼女は蓮舫さんと違って浮ついてないし、国会での発言に鋭さと深みがある。
で、まだそれほど知名度がないし女性だから新鮮さもある。
同じ女性でも、蓮舫と山尾ではかなり実力差があると見てます。
山尾さんには蓮舫さんのようなギスギス・トゲトゲした感じもないし。
まあ民進党の問題は、過去の栄光にしがみついているのと、いつまでも二大政党制に固執している事ですね。
「二大政党制を目指す」と政治家が主張するのって、私からすると「2党独裁制を目指します。2党で利権を交互に貪ります」に聞こえます。
政治家だったら、『公平かつ透明かつ清潔な選挙で、我が党がいつでも第一党になるのを目指す。どのような党が現れるかは、有権者が決めることだ。どんな党がライバルとしてきても相手になる、かかってきなさい。」と言ってほしいね。
さて。そろそろ本題に入りましょう。
ここからは、加計学園や獣医学部にからんだ、知っておくべき情報を書いていきます。
(以下はリテラの2017年8月5日の記事から抜粋)
岡本嘉六(鹿児島大学の名誉教授)は、7月7日にネット上に論考『獣医学小史』を掲載した。
この中では、安倍首相が6月24日の講演で語った「要請があれば2つでも3つでも獣医学部を承認する」との考えを、「何の根拠もない戯言」と一刀両断している。
『獣医学小史』ではこう述べている。
「それぞれの教育分野について、大学基準協会が最少基準を
定めている。
6年制の専門教育をする医師や獣医師は、養成に多額の税金が
使われる。
過剰な人員を養成することは、税金の無駄使いとなり、
就職できない者も生む。
市場原理で安い労働力を得るためにある程度の失業者が必要で
ある、との乱暴な見解もあるが、命を預かる専門家の質の
低下になる。」
安倍首相の目指す方向は、「獣医師のレベル低下」という国益を損ねる愚行なのか。
本ウェブサイトは、岡本嘉六氏にインタビューした。
質問者
安倍首相は「岩盤規制にドリルで穴を開ける」と言っています。
岡本
加計問題で不思議なのは、『日本の獣医学部が国際レベルに達していないこと』と、『文科省が共同獣医学部の構想を進めていること』が報道されていないことです。
(若干は報じられており、私はそれを見て既知でした)
まず知っておくべきは、「日本には国際的な獣医学部が1つもないこと」です。
欧米に比べてレベルが低いのですが、6年くらい前から文科省が『共同獣医学部』を提案しています。
これは、2つの大学の獣医学部を1つの体裁にしてレベルアップを図るものです。
いま進行している最中です。
こうした状況下で、昔ながらの獣医学部を作るというのが、加計学園の新設計画です。
規模(学生数)は大きいが、昔と同じで教員が少ない。
獣医学科160名と獣医保健看護科60名で、合計220名の学生数ですが、教員は70名。
3対1の割合です。
既存の学部は学生と教員がほぼ1対1だから、国内最低のレベルです。
実習さえまともにできず、国家試験に合格しない学生が続出するのではないか。
質問者
文科省がレベルアップのために共同獣医学部を進めているのに、横槍が入ったと。
岡本
(時代遅れの獣医学部の新設を)安倍首相の主導で、官邸が進めたわけです。
安倍首相は「国際的なレベルの獣医学部をつくりましょう」と言うが、逆行することを進めた。
質問者
あなたの論文では「学部新設ではなく、獣医師の待遇改善がレベルアップに最も有効だ」と指摘しています。
岡本
鹿児島県では、数年前に獣医師の給与をアップしたところ、鹿児島大学の獣医学部に入る地元出身者が充足しました。
獣医師の需給データを持っている農水省は、「獣医師は足りている」と言っています。
内閣府の役人や国家戦略特区の諮問委員会は、みんな素人で獣医学に詳しい人が入っていない。
質問者
安倍首相や加戸守行・前愛媛県知事は、「口蹄疫や鳥インフルエンザの対策で四国に獣医学部が必要だ」と言ってますが。
岡本
獣医学部があれば口蹄疫や鳥インフルの対策になるというのは、素人の戯言です。
獣医学部が水際対策の先頭に立つわけではありません。
宮崎大学には獣医学部がありますが、口蹄疫や鳥インフルを防げたわけではない。
家畜伝染病の拡大の阻止は、国や地方自治体が主体です。
行政獣医師の待遇改善などで十分な人員を確保し、しっかりした体制を作るのが重要です。
(安倍首相や加戸さんは大学について)地域振興の話を先行させています。
しかし地域振興に大学教育を利用してはダメです。
彼らのしている事は素人のゴッコ遊びで、日本のために何らプラスになりません。
(以下は東京新聞の2017年8月7日の記事から抜粋)
加計学園の獣医学部新設に対し、同法人が運営する千葉科学大の加藤元・客員教授が批判している。
加藤元は1964年に開業した獣医師で、コロラド州立の獣医科大学の客員教授もしている。
彼の持論は、「世界レベルの獣医学部をつくるには、最先端をいくアメリカのやり方を導入する必要がある」だ。
具体的には、アメリカの基準「AVMAスタンダード」を取り入れるべきだという。
これは、学生1人に対して常勤の教授が1.2倍以上いることや、羊やヤギが十分にいることを、学部設置の条件としている。
加藤
「日本には獣医学を学べる大学が16あるが、どれもこの基準を
満たしていない。
教育環境が十分でないため、専門的な獣医師が育っていない。
今の16から、4つまで減らす。
そうすれば教授陣のマンパワーも予算も集中できる。」
日本獣医師会も、「学部新設は獣医師養成の質低下をまねく」と言っている。
だが安倍首相は、「速やかに学部新設を全国展開したい。2校でも3校でも新設を認める」とぶち上げたばかりだ。
加藤
「(安倍首相のいう獣医学部の全国展開は)めちゃくちゃな
発言だ。
いかに政治家や政府が獣医学の現場を分かっていないかが
表れている。
このままでは日本の獣医学のレベルは少しづつ落ちていく。」
(以下は東京新聞の2017年8月7日の記事から抜粋)
国家戦略特区による獣医学部の新設では、政府のワーキンググループ(WG)は2015年6月に愛媛県と今治市からヒアリングした。
この際に、加計学園の幹部が同席していたのに、公開された議事要旨に名前も発言もないことが、取材で分かった。
WGの八田達夫・座長は、加計学園の幹部が同席していた事を認め、「加計学園は説明補助者であり、参加者でないので記載しなかった」と説明した。
八田氏によると、議事要旨は愛媛県と今治市が非公開を要望したが、経過をオープンにするために今年3月6日に公開したという。
加計学園と競合していた京都産業大学は、昨年10月にWGに参加したが、出席者の名前も発言も記載されている。