一昨日と昨日に、衛星放送でアニメ「ちはやふる」の一挙放送をやってました。
チャンネルが合ってたまたま見たのですが、面白かったです。
暇な時間に見たので、飛ばし飛ばしの視聴となりましたが、だいたいストーリーは分かりました。
「ちはやふる」は、かるた(百人一首)競技を題材にしています。
まず、そこが面白かったです。
かるたって、正月にやる軽い遊びだと思っていました。
あんなにガチンコでやる人が居り、駆け引きもあるものだとは。
ちょっとした衝撃を受けました。
記憶力や予想力や心理的な駆け引きが重要となる頭脳戦なのは、将棋や囲碁と似ています。
でも「かるた」だと、さらに反射神経や俊敏力という身体能力も大きく影響します。
だから、見ていると格闘アニメみたいな躍動感があり、スリリングなのです。
廃れている遊びで一見地味ながら、漫画やアニメに向きますね。
それに着眼したセンスに脱帽です。
ちはやふるは、ストーリーも面白いです。
登場人物の1人1人にきちんと背景があり、それぞれにドラマがある。
だから飽きさせないし、グイグイと話に引き込まれてしまう。
伏線をきちんと回収するし、「作者は素晴らしいストーリーテラーだ、構成力が半端ない」と感嘆しました。
私が好もしく思うのは、出てくる人達が皆、良い人だということ。
嫌な奴が出てこないんですよ。
だから安心して見られるし、長時間見ても疲れません。
癒しの効果すらあると思いました。
もう1つ傑出している点は、コメディ色の強い場面でも、下品にならないことです。
常に上品さがあり、一定の美のラインから落ちることがありません。
かるたという歴史と伝統のあるものを題材にしているからなのか、笑いの場面でもくだけすぎない。
ほとんどの漫画やアニメは、笑いをとる所で絵と話が汚くなるんですよね。
この作品は原作は漫画で、私は一度も見たことはないですが、独特の美が展開されているのでしょう。
それをアニメで再現しようとしている努力の跡が、端々から感じ取れるのです。
アニメのスタッフの注いでいる情熱が、画面から溢れてきます。
そこいらのアニメとは、なにやら気配が違います。
絵は綺麗でスマートでも、私にはビリビリした緊張感が伝わってくるのです。
惰性で作ってる大半のアニメと、品格が違う。
背筋がピーンと伸びてるような、やる気で目が輝いているような、見る者の目を覚ます覇気がある。
それが気持ち良くて、ついつい次が見たくなる。
こんなに次を見たくなるアニメ、なかなかないよ。
久々に、ベタ褒めできるアニメ作品を見たなあ。
まだ見たことない方はチェックしてみて下さい。
(同日に追記)
原作の漫画がどんな感じか少し見てみようと思い、ネットで立ち読みしましたが、どうもアニメの方が質が高そうです。
漫画がアニメ化される場合、ほとんどは漫画のほうが見応えがあるのですが、ちはやふるはアニメの方が楽しめるのかもしれません。
アニメの方が作り込まれていて、絵が格調高くて透明感があり、綺麗かつ洗練されています。
漫画(原作)だと、もっと絵がシンプルで丸みがある。
私としては、アニメの方が感動的に思えました。