なでしこジャパンの試合を観て思ったこと
(2018.4.12.)

1週間ほど前に、女子サッカーのアジアカップが始まりました。

この大会は来年のW杯の出場権をかけた重要なものですが、なでしこジャパンは一昨日の韓国戦を0対0で引き分けて、1勝1分となった。

この結果、明日のオーストラリア戦がとても重要となった。ここで負けるとやばい。

韓国の出来は良くなかったし、本当はそこで勝ってW杯出場を決めたかったんだけどねー。

なでしこジャパンについては、昨年終盤から記事を数回に分けて連続で書きました。
その後、そこで述べた提案はいくつか採用されました。
その事を嬉しく思ってるし、感謝しています。

選手の顔ぶれが改善し、チームも上向いてきたし、見てて活気が出てきたと思う。

2月末~3月初めに行われたアルガルベ杯では、鮫島さんが左サイドバックに戻ったし、私が才能に太鼓判を押していた清水さんがフル代表デビューして結果も残した。

高倉監督になってからずっと選手たちのポジションが曖昧にきたけど、ようやく各選手のポジションが固まってきたし、チームに形が出来てきた。

成績的には平凡だったけど、私は好意的にチーム作りを見てました。

アルガルベ杯で私が「おっ!」と刮目したのは、『ボランチの猶本さんの献身さ』と『菅澤さんのポストプレイ』です。

この二人は、大きな成長を見せてくれた。

猶本さんは第2戦に出場したが、攻撃では繋ぎ役に徹しており、守備では身体をはっていた。
実に献身的で、目立つプレイではないがチームを助け続けていた。

「こんなに素晴らしい猶本は、今まで見た事がない」とまで思いましたよ。

彼女については、未だに世間では「攻撃力のあるパスやシュートの上手いボランチ」と認識されている。
だが私はしばらく前の記事で、「猶本は攻撃センスは平凡である。それよりも守備力を上げていったほうが大成すると思う」と書きました。

たぶんなのだが、その記事を見てくれたのだと思う。

彼女のプレイは、明らかに今までと違った。

この日の猶本さんは、ボールを無駄に長く持つ事がなく、ボールをすぐに味方に渡していたが、結果として凄く機能しており、チームメイト達が良い状態でボールをもらえていた。

繋ぎ役として完璧に機能していて、攻撃がスムーズにいくのに貢献してました。

阪口さんはボールキープ力やパスセンスがあるので、ボールを長く持つ意味があるが、猶本さんはそこまでの力が無いので、味方にすぐに渡したほうがいい。

そう思っていたのだが、実行している猶本さんを見てみたら本当に素晴らしかった。

守備面でも、私が指摘したように身体の太さ強さを活かして、ガツッとボールホルダーに激しく寄せていた。

あの泥臭い地味なプレイ、最高だったな。

私の目に狂いはなかった、君はガットゥーゾやマケレレになれる人材だ。
この方向で努力していけば、近いうちに日本で最も守備力のあるボランチになれる。

ボールをもらった時に反転するのが上手いので、繋ぎ役にとても合ってる。

無理に難しいパスを通そうとしなくていい。それは阪口らに任せればいいのだから。

たまに前線に上がっていたけど、回数は今までよりも少なくてちょうど良い程度だったと思う。

アルガルベ第2戦での猶本さんの出来が良かったので、第4戦に使われるかと思ったのだが、使われなかったねー。

ちなみに、第2戦にセンターバックで出た高木さんも良かったし、明らかに市瀬さんより実力が上だから、第4戦に使われると思ったのだが、彼女も使われなかった。

猶本さんは、今月7日のアジアカップ初戦では先発したが、この日も素晴らしい出来だった。

良い選手になってきたなーと感心したくらい。

調子が良さそうだったし、第2戦(一昨日の韓国戦)でも連続起用されるかと思ったのに、なぜが実力で大きく劣る隅田さんが先発フル出場。

もし猶本が出ていたらかなり違う展開になったと悔やまれてならない。

アルガルベ杯では、第1戦で失点に繋がるミスを連続した市瀬さんが、その後にボランチに移してチャンスを与えられ、ボランチでも良くなかったのにさらにもう一度センターバックで使われたのに、深く腹が立った。

「高倉監督、また私情に走って寵愛を始めたな」と、イライラした。

市瀬さんは、今やっているアジアカップでも先発しているが、A代表に入るレベルにまだないと見ています。

それは隅田さんも同じで、一昨日にやった韓国戦で最も低調なプレイをしたのはこの選手だった。

隅田さんも、高倉監督が寵愛してるんだよねー。

攻撃でも守備でも平凡で、何をさせても輝かないのに、なぜかスタメンに名を連ねることが多い。

韓国戦では、彼女がボールを持ちすぎて奪われる場面が何度もあった。あれ、猶本ならすぐにパスを出すし、宇津木ならボールをキープできるよ。

隅田さんは足元の技術がいまいちなのに、一時はセットプレイのキッカーまで任されていた。

私は、今のなでしこジャパンのセットプレイに不満があるんですよ。
以前は(宮間がいた頃は)セットプレイを得意にしていたのに、今はフリーキックもコーナーキックも得点の匂いがしない。

現代表では最も阪口のキックが正確だから、彼女に蹴らせればいいと思うのですが。

阪口さんはなでしこリーグではヘディングで得点を重ねているし、代表でもヘディング要員で使いたいと思ってるらしいのだが、ベレーザと違い代表には熊谷・宇津木・高木・菅澤とターゲットにできる選手が他にいる。

だから阪口はキッカーでいいと思うのです。

チームで一番キックの上手い人が、それも世界レベルではあまりヘディングで勝てない人が、なんでペナルティエリア内で遊んでるのかなーと。

話をアルガルベ杯に戻すと、『菅澤さんのポストプレイ』にも感嘆しました。

彼女にについても、私は記事で取り上げ、「あなたのシュート力は大したことない。得点ではなくポストプレイでチームに貢献するといい」と助言しました。

なかなか厳しい指摘だったと思うが、どうも聞き入れてくれたらしく、すっごいポストプレイで活躍しだした。

第4戦では、日本はボールを持てない時間が多かったのだが、菅澤さんにパスすると9割くらいキープしてくれて味方に繋ぐのです。

「おいおい、そこまでDFとの競りに勝てるのかよ」と驚いたほど。

一昨日の韓国戦でも唯一人、前線での競り合いに勝ちまくっていた。

これに関しては、もはやワールドクラスだな。

アルガルベでは、ついにA代表デビューした清水さんの躍動も目立っていた。

とくに攻撃面では、アシストもしたし、効果的なパスや前線への飛び出しを何度も見せていた。

前から思っていたが、彼女は度胸がいいね。代表ではキャリアがまだないのに遠慮しなかったし、自分の持ち味を出せていた。

清水さんは一昨日の韓国戦でも先発したけど、皆がW杯出場をかけた一戦のため固くなる中で、積極的に動いて攻撃を牽引していた。

正直、ボランチの隅田が駄目なので相棒の阪口がサポートに追われ、その結果として日本の攻撃が停滞する中、右SBの清水が良いパスを出して攻撃をリードしてる状態だった。

以前から清水さんのサッカーセンスには感心してたけど、代表でのプレイを見てきて『前線に駆け上がるタイミングの良さは他の追随を許さない。正直、これに関しては天才としか思えない』と脱帽しました。

パスのセンスと精度も素晴らしいから、攻撃面ではすでにSBで日本一なのではないだろうか。
シュートでは鮫島に劣るけど、そこ以外はもうトップにいる。

清水の攻撃センスは天才レベルなので、彼女がダダーと前線に走り出したら、ボールを持つ選手は迷いなくパスを出していいと思う。

見ていて思うのだが、相手が油断したり陣形が乱れた瞬間を見抜く目がハンパない。

清水さんは、守備でもかなり良いね。

1対1の場面でも縦に抜かれてやられる事が無いし、裏(背後)のスペースをとられる事もない。

及第点を与えられると思うのだが、彼女の才能を高く評価しているからあえて言うと、自分がボールホルダーに一番近くて、味方の人数が足りてて寄せていってもいいのに、味方選手がボールホルダーに行くのを待つことが、1試合に2度くらいあるのが気になってます。

寄せていって抜かれると大ピンチになる場面(味方の人数が足りてない場面、勝負してはいけない場面)とそうじゃない場面の見分けが、やや出来てない気がする。

あと、相手が縦に仕掛けてきたらほぼ勝ってボールを奪うが、相手が中に入る動きをすると付いていけない時がたまにある。

ここも課題だろうね。

清水さんは、性格と体格の影響がでかいと思うが、あまりファウルをしない。

同じポジションで使われている有吉さんはカードをもらわないファウルの達人なので、対照的です。

状況次第では(カウンターを阻止する時など)ファウルも必要になるので、そういう判断力を付けるとさらに良い選手になるはず。
先輩の有吉から盗みなさい。

話の軸足を開催中のアジアカップに移しますが、非常に重要な試合だった韓国戦で、韓国が良いサッカーをしてなかったのに引き分けに終わったのは、アルガルベ杯で分かったことを活かさなかったからだと思ってます。

アルガルベ杯で分かったのは、市瀬・隅田・櫨・三宅が能力的に物足りないということ。
私はそう感じてます。

だから、今大会のメンバー選考で櫨を外して川澄を入れたのは、大賛成なんですよ。

アルガルベ杯という力を試す絶好の場で、CBの市瀬と三宅が世界の強豪には通用しない事が分かったはずだし、私が提案していた岩清水の代表復帰をやってほしかったんですけどね。

正直、韓国戦で市瀬の代わりに岩清水か高木、隅田の代わりに猶本か宇津木を先発させていたら、勝てたと思う。

あと、前から気になっているのですが、高倉監督には試合中に状況を見極める力がほとんどない。
だから交代選手を入れるタイミングや入れる選手にアイディアがないし、フォーメーションを状況に合わせて替えたりする事もできない。

韓国戦でいうと、隅田が明確に通用してなかったし、長谷川の出来が良くなかった。

長谷川は体調不良で別メニューだったというし、あれだけ低調なプレイをしていたのだから後半開始くらいで交代させたほうが良かった。

長谷川は守備で全く貢献しておらず、そのために左サイドから崩される事が多かった。

後半の頭くらいで隅田と長谷川を下げて、猶本もしくは宇津木と増矢を入れていれば、かなり状況は改善したはず。
もっと言うと、そもそもこの2人を先発起用すべきではなかった。

アルガルベ杯の第4戦を振り返ると、あの試合では阪口の出来がひどかった。

それまでの試合の疲労があったのか、体調を崩したのか分からないが、ミスを連発していた。

あの試合も、阪口が現代表で最も上手い選手だから先発させたのは理解できるが、阪口のプレイを見て後半から交代させるべきだった。

こういった冷静な采配をして、私を唸らせてほしい。

韓国戦では、後半で韓国がバテてきた時に上手く動けば得点できた。

明らかに日本のペースだったのに、高倉監督は状況を傍観していた。
見ててもどかしかった。

名将だったらあそこで目の覚めるような采配をし、韓国を破っていたはずだ。

高倉監督には試合中に的確に動く力がないのだから、そういう能力を持った人をコーチに呼ぶのが良いと考えてます。

人にはそれぞれ持ち味があるから。刻々と変わる状況を正しく判断して手を打てる人を雇い、サポートさせればいいのです。

でも有能なコーチを呼ぶとかする前に、もしW杯の出場を逃したら高倉さんはクビになっちゃうかもですね。

ハリルホジッチも数日前に解任になったし。

正直、高倉監督の首はどうでもいいが、日本がW杯に出場できない事態だけは避けたい。

なでしこリーグをテレビ観戦してますが、最近また一段と盛りが下がっている気がしてならない。
なんとかここで踏みとどまり、人気復活の足掛かりを得たいところなのです。

なでしこの選手たちは、昼は別の仕事をしながらサッカーを続けている。

大したプレイをしてないのに数億円も稼ぐ男子選手たちはどうでもいいが、なでしこは応援したい気持ちで一杯です。

隅田さんと市瀬さんを先発から外してほしいと切に願ってます。
あの2人を見てると、不安になる。

ボールタッチとパスの軌道を見てるだけで、足元の技術が足りないの分かるじゃない。

CBは熊谷と高木が良いと思うけどなー。


日記 2018年4~6月 目次に戻る