ついに4年に1度のサッカーW杯が始まりました。
私は大のサッカーファンなので、2ヵ月くらい前からワクワクしていました。
世界最高の選手達が集い、技と戦術と精神力を競うのは、何度みても飽きない素晴らしさがあります。
正直、いつもこの大会中はテレビ観戦がメインになって、他がおろそかになっています。
W杯には期待している反面、そこに出場する日本代表には全く期待できない状況です。
あまりの迷走ぶりと弱体ぶりに、もはや自分達の代表だと認識できません。
多くの国民も同じ気持ちらしく、大手メディアと企業スポンサーは危機感で一杯で(世論調査で酷い数字が出ているのでしょう)、テレビでは司会者やサッカー解説者が「日本代表を応援しましょう、お願いします」と懇願するほどです。
サッカー男子・日本代表がこれほど惨めな状態に落ちたのは、振り返ってみるとアギーレを監督に起用したのが出発点です。
八百長に絡んだと噂されるアギーレを、サッカー協会はよく調べもせずに代表監督に起用してしまったのです。
そして、アギーレが告発されるに及び、解任せざるを得なくなりました。
急遽、後任の監督を探すことになりましたが、すでに実績ある監督のほとんどは就職していて、フリーの人は少ない状況でした。
で、数少ない選択の中から、協会はハリルホジッチを選んだわけです。
言っちゃ悪いが、残りものの中から選んだのだから、良い監督でなくても仕方ないです。
ハリルの采配を見たら、やっぱりいま一つで、私など一部のファンはすぐに「これじゃあ駄目だ、別の監督を探したほうがいい」と語るようになりました。
しかし、協会も選手達も解説者も、ハリルを擁護しました。
彼らは、「この守備的なサッカーが、この体力勝負のサッカーが、今の日本には足りないものであり、ハリル監督が日本を強くしてくれる」と力説しました。
で、ハリル監督の下で日本代表は試合を重ねていきましたが、私の見るところさっぱり強化は進みませんでした。
アジア予選では勝ち上がりW杯出場権は手に入れたけど、強化は進まなかった。
ところが、W杯出場を決めたことでサッカー関係者もスポンサー達も満足したらしく、「ハリルよくやった」の論調が中心となり、疑問を口にする解説者はわずかでした。
私は深く失望しましたよ。
真の強豪国と全く試合をせず、アジア相手に勝ったくらいで大騒ぎし、W杯のアジア枠が倍増されて易き道になったからこそ出場できるのに、そこに気付かないのだから。
セルジオ越後さんくらいじゃないかな。この時点で危機感を口にしていた硬骨の解説者は。
彼も「強い相手と試合していない。アジア枠が増えたからW杯に出られるけど、こんなチームじゃあ昔なら出られない。日本は強くなってない。」と言っていました。
私やセルジオ越後さんみたいなシビアな評価は、少数派だったんですよ。ちょっと前までは。
ほとんどのサッカー関係者が、「ハリルのサッカーはつまらないけど、この守備重視のスタイルがW杯で勝つ最良の道なんです。きっと結果を出してくれます」と擁護していました。
たぶんセルジオ越後さんもそうだと思うのですが、私は守備的なのが悪いと言っているのではないのです。
単純に、強くなってないなと。
『アジアではそれなりの結果も出てるけど、このサッカー内容
だと強豪国とやったら必ず失点するし、今の攻撃力では
得点できないから、負けちゃうじゃない。
そもそも、選手達が上手くなっていない。
ザッケローニ監督の頃のほうが、技術も連係も良かったし、
戦術も練れていた。』
これなんですよ。
危機感と失望感で一杯でしたが、それを日本の皆と共有できないので、私は男子代表についてドンドン関心を失っていきました。
そうして2018年になってW杯が近づく中で、「もういいや。ハリルジャパンはW杯で0勝だろうし、たぶん3敗するだろうけど、もういいや。オイラにはなでしこジャパンがある。」と覚悟も固まってました。
結局のところ、W杯の楽しみは自国のサッカーだけじゃなくて、色んな国のサッカーを堪能できるところにあるしね。
私として、つまらなくて弱いハリルジャパンがロシアに行く(W杯に出場する)と思ってたんですよ。
そこで惨敗して、日本サッカー界は恥をさらし、それを契機に少しはまともになればいいと思ってました。
ところが!
W杯まであと3ヵ月くらいになって、ハリルが解任されたんですよ。スキャンダルもないのに。
いやあ驚きました。サッカー協会も思い切ったことをすると。
私としては、ハリルを更迭した事には賛成なんですよ。
でも、皆が言ってるけど、遅すぎましたね。
それに、さんざんハリルのサッカーを擁護してきた連中が、手の平を返して、「やっぱりあのサッカーは駄目だった。西野朗・新監督に期待です。」と臆面もなく言うのを聞いて、「何なんだよ、こいつら」とさらに白けてしまいました。
ハリルのサッカーを褒めていた解説者は、沢山いたんですよ。
その人達は、なぜ「この解任は残念です、サッカー協会は間違った選択をした」と言わないのか。
今のサッカー界の駄目ぶりがモロに見えた瞬間でしたね。
今回の解任劇を見ていて、『日本のサッカー解説者のほとんどは、協会のやる事を追認するだけで、サッカーを知らない人だ』と痛感しました。
元日本代表という肩書きを看板に、テレビで色々と解説しているが、結局は自分の意見が無いんですよ。
まあ、衛星放送のマイナーな番組では、けっこう本音でズバッと言う人が多いんですけどね。
でも地上波のメジャーな番組では猫を被るんですよ。つまり根性なしなんです。
ハリルの解任理由について、サッカー協会は「成績不振」と「選手との意思疎通がうまく行ってない」ことを挙げました。
さらにテレビ解説では、男子代表の人気が落ちていて「スポンサー達が、このままだとまずいとサッカー協会に圧力をかけた」のを挙げていました。
この3つが理由なんでしょう。
はっきりいって、サッカーファンの気持ちが反映された解任ではありません。
私もそうでしたが、ファンは皆、もうここまで来たらハリルで行くのだと思ってましたから。
私の目には、この解任は『小さなクーデター』に見えるんですよ。
西野監督になることで、それまで当落線上にあった本田圭佑や岡崎慎司らが、メンバー入りを確実にしました。
そしてサッカーの内容が攻撃的に変わり、それが話題にもなって、やや世間の注目度が上がり、スポンサー達も安心したはずです。
この流れを見ると、『本田ら不満を持っていた選手たちと、それを後援しているスポンサーが組んで、サッカー協会に圧力をかけた。で、ハリルを評価していると言い続けながらも、本心ではこの監督では勝てそうにないと思っていたサッカー協会が、そのクーデターを承認した』という絵が浮かんできます。
繰り返しになるけど、この事件にはサッカーファン達は何も絡んでいません。
ファン達と全く別の所で起きたといっていい。
冷静に考えると、とんでもない事が起きましたね。
私が今の男子代表に期待できないのは、サッカーの内容の他に、精神面の弱さに呆れているのがあります。
一言でいって、やる気を感じない選手が多いのです。
本田圭佑と長谷部誠を筆頭に、口ではあれこれと期待を抱かせることを発言しますが、肝心のプレイに覇気がありません。
本気で取り組んでいる感じがしないのです。
日本代表の人気が落ちているのは、それを国民が嗅ぎ取っているからだと見ています。
ここを是非、国民には冷静に見てもらいたいのですが、本田ら代表で中心面をしている選手たちは、すでに名声も大金も手に入れています。
日本サッカー界で活動している監督や解説者を見れば明らかですが、「W杯に出場した」というのは、選手を引退後にサッカー関係の仕事をする上で、肩書きとして凄く有利に働きます。
この肩書に加えて本田らは、年棒で数億円も稼いでおり、資産額はゆうに10~15億円を超えるでしょう。
つまり、W杯に出場経験のある海外組は、もう成功者としての地位を確立しており、満足しきっておかしくない状況なのです。
で、私のみることろ、彼らのほとんどは(口では言わないが)もう満足していて、向上心はありません。
本人は決して声に出さないし、もしかしたら本人自身も気付いていないかもしれないが、本田、香川、吉田、川島、長谷部は、すでに情熱を失っています。
「怪我しない程度で、もう一儲けしにロシアに行こうか」、こんな気持ちなんですよ。
そうじゃなかったら、あのプレイになりません。
私の見たところでは、過去にW杯に出たベテランでまだ情熱が消えてないのは、長友と岡崎だけです。
この2人は、サムライだよ。やる気と根性があります。
先日のスイスとの親善試合。
出場した選手はベテランが中心でしたが、良い動きをしていたのは長友、槙野、武藤、柴崎でした。
つまり、長友以外のベテランの出来はひどかったし、やる気を見せたのは過去にW杯に出ていない選手たちです。
この試合に出た川島と吉田は、とてもA代表の選手と認められないプレイの連続でした。
私は数年前から、この2人の失点に直結するミスの連発に失望し、「代表から外していいのでは」と言ってきました。
スイス戦では吉田は、緊張感のない守備でPKを取られたし、2失点目もサイドからセンタリングが来て、吉田はボールの受け手に一番近かったのに、その選手を全くチェックしておらず寄せが遅かったです。
川島も、ボールがゴール前に飛んでくると考えなしに飛び出してしまい、ボールに触れずゴールをがら空きにしてピンチを招いていました。
吉田も川島も、この手の深刻なミスがしょっちゅうです。
「おなじみの光景」と言っていいほどで、スイス戦でも「またやったか、いつも通りだな」との感想しか持てなかった。
この2人が21歳だったら、私はこんな事は言いませんよ。
「ああいうミスは誰でもする。この失敗から学んで、もうしないようにしろよ」と、むしろ温かい目で見守りますよ。
でも吉田と川島は、もう代表戦で何十試合も出てきたじゃない。
ものすごいチャンスを与えられてきたんですよ。
それでずっと同じミスを続けてるなんて話にならないでしょ。
私は、吉田とか川島とか香川とか、ちっとも良いプレイをしないのに代表に選ばれ続ける選手がいるのが不思議で、ある時に同じくサッカーファンの友達に言ったんですよ。
「川島って、ミスばかりでちっとも良くないよね。
最近は西川がスタメンで出る事も多いけど、川島が使われる
時もあるし代表からなぜか外れない。
あれって何なんだろう、分からないな。」
そうしたら、友達はこう答えたのです。
「川島とかは、スポンサーから気に入られてるんだ。
だから外れないし、大きな試合ではこれからも川島が
使われると思うよ。
いや、俺もサッカー界のこの状態は腐ってると思うけど、
たぶん変わらないだろうね。」
この話を聞いた時は、半信半疑でした。
そんな事、ホントにあるのかと。
スポンサーの意向がそこまで強いとは、さすがに思えなかった。
しかし、その後に正GKが西川から川島に戻り、「やっぱり本当なのか」と思い直しました。
西川は良いGKだと思うんですけどね。とりあえず川島よりは良い。
それで、今回のハリル解任のクーデターがあって、メンバーから外れかけてた選手が大量に代表復帰したでしょ。
大企業スポンサーの好きそうな、見栄えが良くてCMでは輝くけど、チームが勝つためにはあまり貢献しない選手が復帰した。
残念だけど、スポンサーの力が強く働いていますね。メンバー選考に。
男子代表は、日本のサッカーを代表しているのではなく、スポンサー達を代表しているらしいです。
川島は、最近にどこかの記事で知ったけど、所属するリーグアン(フランス・リーグ)で「今シーズンのワースト1位のGK」に選ばれたそうです。
リーグで最低のGKと評価された選手が、日本代表の正GKなんだよ。
私は恥ずかしくてつらいです。
川島のスイス戦でのプレイは、Jリーグでも通用しないと思います。
彼が日本に帰ってきたら、Jリーグではプレイできずに、J2でやっていくのがやっとだと思います。
そんな選手が、スポンサーに気に入られているからロシアW杯でもフル出場して、引退後は「W杯に何度も出場した名GK」として我が物顔で日本サッカー界を闊歩するのだろうか。
…かなり悲観的な話になってしまいましたね。
でも、スタメンに吉田と川島が居ると、それだけでもの凄くがっかりするんですよ。
テレビを消そうかと本気で思うんです。
苦しいんですよ、日本代表が汚されてる気がして。
今の男子代表は、中心になってる選手の意識と、後ろにいて金儲けと宣伝に躍起になってる大企業スポンサーにより、商人気質になっています。
サムライの心意気はなく、闘う気持ちがないし、サッカーがビジネス対象なんですよ。
だからサムライブルーではなく、『商いブルー』なんです。
私の目は誤魔化せません。
本田や長谷部や吉田や川島は、日本代表が勝つことよりも、W杯に出たという肩書を得るのを重視しているし、W杯で目立って知名度を上げることを考えています。
彼らはすでにW杯に出ており、それで得た利権で美味しい思いをしてきて、すっかり味をしめて、今回さらに利権を得ようなんて甘い気持ちでいます。
だからプレイに必死さがないし、いざという場面で自分勝手なプレイを見せるのです。
仲間と一体になろうという姿勢が見えません。
この『商いブルー』は、結局のところ、商売も上手くいかないでしょう。
当然ですよ、他の国は真剣に勝ちにくるのだから。
相手国が甲冑に身を包み、研ぎすました刀を持って入場するのに、こっちがソロバン片手で「儲かりまっかー」なんて言っても、一刀のもとに切り捨てられてしまいます。
誰の心も動かせない陳腐なサッカーをして、ビジネスとしても失敗するしかないでしょう。
このままだと、スタメンに商人気質の選手が使われる可能性が高いです。
その裏には、スポンサーの意向が働いてるのかもしれない。
それでは日本は惨敗しますよ。
『商いブルー』には、「ロシアで商売に失敗し、ブルーな心になって帰ってくる」という意味が、裏メッセージとして込められています。
日本がW杯が活躍するには、スタメンにサムライを起用する必要があります。
「商いブルー」を脱して、「サムライブルー」に覚醒する必要があります。
というわけで、次回は『私の考えるスタメン構成』を書こうと思います。
長文になったので、今日はここまでにします。