なでしこジャパンについて思う事①
(2019.4.26&30.)

もうすぐ、女子サッカーのW杯が始まります。

私はすごく楽しみにしているので、久しぶりに「なでしこジャパン」をテーマにして書く事にします。

なお今記事は、選手達を出来るだけ下の名前で記していこうと思います。

理由ですか。
やってみたいから、です。

そんな事をしている記事を見た事ないので、やったらどうなるのか試してみたくなりました。

なでしこの選手達は、常識人ぶってるけど、一皮むくと変人だらけだと見てます。
だから、たぶん大丈夫でしょう。変わった行動への耐性があるはずです。

では、始めましょう。

振り返ると、前回なでしこジャパンを取り上げたのは昨年の4月で、当時はアジアカップの開催中でした。

その時の記事で書いたけど、あの当時、試合に出るメンバーが改善されてきて、良い試合をするようになり、私は一安心したのです。

「だいぶチームとして上向いたな、この方向で進んで行けば問題ないだろ。あとはどこまで完成度を高められるかだなあ。」と思いました。

で、その後、なでしこジャパンは『アジアカップで優勝』を成し遂げ、続いて行われた『アジア大会でも優勝』をしました。

女子サッカーをよく知らない人だと「そんなもんだろ、なでしこジャパンって強いじゃん」なんて思うのでしょうが、澤穂希さんらがいてW杯に優勝した頃でも、アジアのチームに負ける事がかなりあったんですよ。

実のところ、『アジアで2連覇』というのは、偉業と言っていいです。

私はそれを達成したメンバーを尊敬し、チーム作りに提言を通して関われた事を誇りに思いました。

私としては、アジア2連覇をするチームが誕生したのだから、そこからは選手達はほぼいじらず、迫って来るW杯に向けて戦術を練っていくのだと考えてました。

それが普通でしょ。1年後にW杯なのだから、「ここからはチームの仕上げに入る」と見ていました。

ところが、おかしな事が始まったんです。

その後のなでしこジャパンの試合を観ていたら、どんどん新しい選手が招集されて、試合で起用されていくのです。

逆にいうと、せっかくアジアを連続制覇する中で作り上げたチームを、あっさりと解体してしまった。

本当に、心底からズッコケましたね。

「高倉麻子監督って、やっぱ異常だわ」と、目を白黒させるしかなかったです。

結果的に、戦術面は全く向上せずにここまで来ちゃいましたね。

選手をぐちゃぐちゃ変えてるだけで、ダラダラとここまで来てしまった。

W杯が近いし、強豪国との連戦も組まれてたから、最良のメンバーでガチンコの試合を常にしてほしかったのですが…。

初招集の選手を出して経験を積ませるのは、今じゃないだろと。

アジア2連覇した後の、定見なしに思える選手起用には不満たらたらなんですが、ボランチとセンターバックに関してはそれも仕方ないと思ってます。

というのも、ボランチでは大黒柱の阪口夢穂さんが大怪我をして長期離脱してしまい、センターバックでは熊谷紗希さんの相棒がいっこうに決まらないからです。

もともと私は、ボランチは阪口夢穂さんと川村優理さんを一番評価してます。

この2人が2019年W杯のスタメンになるだろうと期待してました。

ところが、2人共、大怪我しちゃったんですよ!

大誤算ですね、これは。

で、次に来るのは宇津木瑠美さんと猶本光さんなのですが、光さんはドイツ・リーグに移籍したまでは良かったが「体調不良で代表辞退」という事に。

「今が最大のチャンスなのに体調不良で離脱って…。なにしてんの、光ちゃん…」と、一番大事な所で見事なボケをかます彼女のセンスに完敗し、天を仰ぐしかなかったです。

夢穂、優理、光の3人が離脱し、残った瑠美も怪我がちです。

ボランチがスッカスカになっちゃったのです。正に緊急事態。

だから、杉田妃和さん、三浦成美さんを代表に呼んで試したのは、理解・納得してます。

妃和さんについては、前に「ボランチの若手の中で期待してる」と書いた事があります。
良い選手だと思ってたけど、やはり代表で試合に出ても持ち味(視野の広さをいかしたパスセンス)を発揮してますね。

三浦成美さんは、ここ1年くらいで一気に頭角を現した日テレ・ベレーザの選手ですが、ボールをもらった時に置く位置が素晴らしくて、前を向ける時には必ず向くなど判断力に優れています。

パスのセンスと技術に優れていて、ポジショニングも良く、攻撃面はすごい。
でもまだ守備力が低いです。1対1で弱い。

高倉麻子・監督は就任当初、ベレーザでボランチをしてる中里優さんと隅田凛さんに期待を寄せ、スタメンで使っていました。

でも私は、将来なでしこジャパンでスタメンになっていけると思いませんでした。
優さんと凛さんには悪いと思ったが、それを記事で指摘もしました。

今になって見ると、2人はなでしこジャパンに居ないし、ベレーザでもスタメンから外れているので、私が正しかったのは明らかだと思います。

ちなみに凛さんは、今記事作成の過程で調べて知りましたが、ベレーザから出てベガルタ仙台に移籍してますね。

厳しい事も書いてるけど、私はなでしこの全選手を応援してるし、凛さんも新天地で活躍する事を願ってます。

ベレーザは、阪口夢穂さんが怪我で居なくなりどうするのかと思ったら、2ボランチをやめてアンカーを1枚置くだけにし、そこにまだ20歳の三浦成美さんを抜擢しました。

それで上述したけど、成美さんの攻撃面は素晴らしくて、ベレーザのパス・サッカーにばっちりのタイプで、完全にレギュラーに定着しました。

ベレーザは、前に書いた事があるんですけど、とにかく守備陣が素晴らしいんですよ。

岩清水梓さんを中心にして、緊密な連携を4バックが取り、崩される事が少ないです。
オフサイド・トラップにかけるのも上手いですね。

バックの4枚が良いから、成美さんはまだ守備が甘いのだけど、何とかなっちゃうんです。

若手では杉田妃和さんと成美さん、それに長野風花さんが、ボランチでは才能あるなと思ってます。

風花さんは、アンダーの代表で見て、良い選手だと知りました。
ボール技術があるのも評価点だけど、根性ありそうな顔と態度で、そこを一番評価してます。

でも韓国リーグに居て、あまりプレイを見た事がないので、まだ能力を把握しきれてないです。
(つい最近、風花さんはエルフェン埼玉に移籍し、日本に戻ってきました。だからこれから見ていこうと思ってます。)

阪口夢穂さんは怪我から復帰したばかりだし、川村優理さんはまだリハビリ中。

それを考えると、妃和さんは選んどいた方がいいかも。
彼女も守備力がまだ物足りないんだよねー。守備時のポジションの気が利いてないと思ってます。

本来なら猶本光さんに頑張ってほしいのだけど、あの人、動きが読めません。
一番必要な時に「体調不良で辞退」を経験して以降、なんか信用しきれないのです。
ドイツに行ってるので今どんな状態かも分からないし。

ちなみに優理さんは、「えらく復帰に時間かかるなあ」と思ってたのですが、なんと!
片膝を壊して、よくやくそれを治したら、今度はもう片方の膝をやってしまっていました。

その怪我コンボさえなければ、W杯に間に合ったと思うのですが…。

夢穂さんの体調が良ければ、文句なしにメンバー選出ですが、もし怪我が治りきってなければ、連れて行かないのも手ですね。

W杯って日程がきついので、状態が悪いと途中で離脱する事になりかねないからです。

無理して再び怪我なんて事になったら、本人も辛いし。

ボランチは、想定外のトラブルにより、難しい選出になりそうです。

これで宇津木瑠美さんまで離脱になったら(彼女は今までけっこう離脱することが多かった)、W杯で早期敗退もあり得るな。

まあ、こればっかりは私にはどうしようもないです。

ボランチ問題はここまでにして、次の「センターバックで熊谷紗希さんの相棒がいつまでも見つからない問題」に移ります。

もともとこのポジションは、麻子監督が期待していた選手は市瀬菜々さんでした。
しばらくの間、紗希+菜々でセンターバックは固定されましたよね。

でも私は以前の記事で激しく反対しました。菜々さんは代表でスタメンになれる技量の選手ではないから。

菜々さんは、怪我して一時離脱した後、所属するベガルタ仙台でスタメンに定着できなくなりました。
要するに、なでしこリーグで目立つ活躍してないんです。

もう日本代表に呼ばれなくなって久しいし、この件でも私の見立ては正しかったと思います。

麻子監督が他にセンターバックで起用した選手は、國武愛美さんと三宅史織さんです。

鮫島彩さんも使われましたが、あれは一時的な代役だったと思います。

私としては、國武愛美さんのほうが良い動きをしていると思いました。

冷静にプレイしてたし、ポジショニングが良いと思いました。

でも、彼女はノジマステラに所属しているのですが、そこで全く目立っていません。
ノジマステラの試合を観て、良い働きしていると感じた事が一度もないです。

三宅史織さんは、このところ代表に定着し、それなりに試合にも出てますが、「まあまあ」でしかないと感じてます。

彼女は背が高く、そこは売りだと思うけど、それ以外に魅かれる所がないです。

所属するINAC神戸では、周りがみな良い選手なのもあり、そこそこ活躍してますね。
でも代表入りするレベルとは思わないです。

私が期待し推している選手は、1年くらい前にも書いたのですが、岩清水梓さんと村松智子さんです。

この2人は日テレ・ベレーザでコンビを組んでいて、素晴らしい活躍ぶりでした。

でも智子さんは大怪我をして、復帰後も調子が上がらないのか、今もベンチ要員に留まっています。

で、智子さんの代わりに土光真代さんが台頭して、梓さんとコンビを組んでます。

ベレーザの守備は安定していて、見ていて清々しい気分になれるほどの連係の見事さです。

それがあるからこそ、攻撃陣も安心して爆発でき、リーグ4連覇も達成できた。

その守備の中心にいるのが、岩清水梓さんなんです。

はっきり言って、いま日本一のセンターバックです。

梓さんのプレイで特に好きなのは、いつでも背筋がしゃきっと伸びていて、顔が下がる事がなく、広い視野を維持している事。
サッカーをする上で理想的な姿勢を維持していると思うし、体幹を鍛えているのと、自分に自信があるのが見てとれます。

彼女を見ていると、往年の西ドイツの名選手ベッケンバウアーを思い出すんですよね。

試合中の姿勢の美しさが似ている。そうして芸術的な佇まいがある。

いまの梓さんは、かつて代表で活躍していた頃よりも凄い。

本当に大好きなんですよ。日本男子のどのセンターバックと較べても、知的で技術的な美しいプレイは上回っていると思います。

そんな選手が、なぜか代表に呼ばれない。
怪我してるわけでもないのに、呼ばれないのです。

で、澤穂希さんと一緒に代表戦の解説をしていたりする。
なんですか、これ。

センターバックでスタメンが固まらず、もやもやしているのだから、日本一のセンターバックを呼べよ!

W杯では「サプライズ招集」が大抵ありますが、ぜひ梓さんを呼んでほしい。

彼女なら、熊谷紗希さんと組んだ経験が豊富だから、いきなりでもちゃんと連係がとれるはずです。

それに、今の代表はベレーザの選手が多いけど、ベレーザで主将格の梓さんが入れば、チームに好影響が出るでしょう。

もう一人、いまベレーザで梓さんとコンビを組んでる土光真代さんも、出始めた頃は「大丈夫かいな」と思う動きでしたが、今ではかなりのものです。

すでに、日本トップクラスなのではないかな。

國武愛美さんや三宅史織さんよりも良いと思うし、代表で試すなら彼女の方が良かったのだけど…。

もうW杯本番前なので、いまから試すのはきついかな。

でも梓さんを呼ぶなら、真代さんも一緒に呼べば、右サイドの清水梨紗さんもベレーザだし、一体感のある守備を見せてくれると思います。

まあ結論としては、「人選で苦労しているなら、なでしこリーグで4連覇してるチームから選べよ」という事です。

最初に市瀬菜々さんを選んだ時に、おかしな事になりそうな予感はあったんですよね。

菜々さんは背が低くて接触プレイに弱いから、よほど技術に優れる選手でないと代表のセンターバックを任せられないのに、ボール捌きやポジショニングを見たら普通だったから。

高倉麻子監督は「頭が良く冷静沈着な選手」とベタ褒めしていましたが…。

長文になってきましたが、まだ書きたい事があります。

というわけで、今記事は2回に分けることにします。

GWに入りましたが、出来るだけ早く続きをアップしたいと思います。


日記 2019年4~6月 目次に戻る