なでしこジャパンのW杯メンバーが発表された、その感想
(2019.5.23&27~31.)

今月の10日の事ですが、なでしこジャパンのW杯出場メンバーが発表されました。

私はW杯メンバー選考についての意見を2回にわたって書いてきています。
なので、顔ぶれ決まったのでその感想を述べます。

23人のメンバー見て、まず思ったのは『才能のある選手が選ばれたな』でした。

実績や経験よりも、素晴らしい技術を持っている人を優先して選出しています。

なにしろ4分の3がW杯に初出場なのだから、非常に挑戦的だと思います。

W杯にたまにしか出ない国ならば初出場の選手が多いのも分かるけど、日本はこのところ毎回出ているし結果も出しているから、普通だと複数回目になる選手が半分くらいは占めるんですけどね。

高倉麻子監督は、ユース代表を率いて結果を出しフル代表監督に昇格したから、ユース世代への愛着がありますね。
就任以来ずっとそれが見て取れましたが、最後まで貫いたなあ。

正直なところ、あと2~3人は経験豊富な選手が入ると思ってました。

私は、岩清水梓、川澄奈穂美、高瀬愛実、田中美南を推してましたし。

特に梓さんと美南さんは、なでしこリーグで連続優勝をし続けている日テレ・ベレーザの中心になっており、「その二人を入れないで、日本代表と言えるのだろうか?」とまで思いますね。

梓さんと美南さんは、なでしこリーグのためにも入れた方が良かったと思うな―。

美南さんは、昨年は得点王になっているし、年間MVPにも輝いた人。
そのリーグを代表する選手を、怪我とかの問題を抱えておらず、今期も得点を量産しているのに外すのは、いかがなものか。

こんな事をしちゃうと、「どれだけリーグで頑張っても、高倉麻子監督に気に入られなければ使われないんだね」と思い、やる気を減じる人達が出てしまうと思うのです。

私は2名、今回の代表メンバーは入れ替えたほうがいいと思ってます。

日本人の社会では、「やや今回の人選には満足がいっていません。数人の選手はもっと違う選択肢もあったと思う。」なんて曖昧にぼかして言い、それで終わりにするのがマナーある態度とされています。

私はそういうぼかしが礼節に適っているとも、世の中を良くするとも感じないです。
だからあえてはっきり言いましょう。

FWの小林里歌子さんに替えて田中美南さん、DFの市瀬奈々さんに替えて岩清水梓さん、を入れたほうが良かったです。
そう思いました、強く。

ある程度以上の関心や知識のあるファンなら、皆がこういう独自の意見を持っているはずです。

それなのに日本だと、「そういう個人意見は出さないほうがいい」とか「もうメンバーが決まったのだから、団結して応援しよう」と言い、当人は説得しているつもりなのでしょうが、異論を排除する全体主義の論調を展開しがちです。

皆が意見を持ち、それをきちんと口にしたほうが、成長が見込めると私は考えてます。

例えば私が上記のように語れば、小林里歌子さんと市瀬奈々さんが活躍すれば私の眼力不足だったと分かるし、活躍しなければ麻子監督と周りのスタッフに正しい選択が出来てなかったと分かります。

前々回の記事では、阪口夢穂さんの怪我からの回復具合を心配し、「もし回復してないなら外したほうがいいのでは」と書きました。

結果的にはまだ回復途中で試合にも出られてない状態ですが、麻子監督らは選出しました。

麻子さんとスタッフは、大会が始まるまでに戦力になる所まで行くと見込んでいるわけですが、どうなるのか。

こういった事も、私のように意見を述べる者がいるからこそ、大会後に検証ができるわけです。

意見が無いと、優勝できずに終わっても、「仕方なかった」とか「選手は全力で頑張った」と言うだけで、それで反省も検証もなく終了してしまいます。

今回の代表メンバーについては、我が家がとっている東京新聞では、「3世代の融合」との見出しを掲げ、上手く世代が融合しているかの様な印象を与えています。

だが私に言わせると、明らかに若手を重用した内容であり、前回大会で準優勝した国にしては経験のある選手の選出が少ないです。

その選出が悪いと言っているのではありません。
きちんと「どういうチームになったか」を報じないメディアに、問題があるし、視点が浅いと感じるのです。

今回のなでしこジャパンは、俗にいう「今大会の次を見据えた布陣」に見えないこともないです。

代表のチーム作りには、思い切って若手を投入し、目の前にあるW杯ではなく、その先にあるW杯に照準を絞った状態で進めていくスタイルもあります。

私は今回のなでしこジャパンがそれを志向していると見てないのですが、惨敗した時に「このチームは先を見据えたもので、今回は結果が出なくても仕方なかった」と言い訳できる布陣になっているので、それをするんじゃないかとやや心配しているのです。

意図しているわけではないだろうが、逃げ道のある状態になったなと。

もし岩清水梓と田中美南が入ってたら、そういう言い訳は確実に出来なかったです。
いま最高になでしこリーグで輝いている、リーグを代表する2人だから、入ってたら逃げられない。

私は、A代表は逃げられない状態に常に置いておくべきだと思います。

それが国を代表する責任だと思うのです。

これは政治家なども一緒で、国を代表する首相や大臣らは逃げるべきではありません。
それなのに安倍晋三・首相らは逃げまくり、言い訳しまくるので、見苦しくて見ていられません。
最悪の政権だと思うのですが、なぜか支持率が40%くらいで安定している。めちゃくちゃです。

ああいう悪い手本は真似しないでほしい。
もしなでしこジャパンが惨敗した後に、「若手主体だったからだ。次の大会が期待できる」と日本サッカー協会やメディアが主張したら、私は激しく幻滅し、もうなでしこジャパンを応援できなくなるでしょう。

それだけはしないでくれ、頼む。
私は女子サッカー界を応援し続けたい。

ここまで読んでもらえたら分かると思うのですが、今回のメンバー構成にやや悲観的です。

ぶっちゃけた話、植木理子という天才は別にして、代表歴の浅い、まだ数試合しか代表戦に出てない選手(代表歴が二桁になってない選手)は、W杯で活躍できるか不透明すぎます。

才能は皆あると思うけど、才能があったら活躍できるほどW杯は甘くないので。

あと2~3人は、経験豊富な選手が必要だったと思うのですが…。

今回は、グループリーグの対戦相手も強い国が揃っているし、チームが上手く仕上がらないとグループリーグで敗退する可能性もかなりあると見てます。

前向きな話もしないと良くないので、ここから少し書きます。

まず、メンバー見ると分かるのですが、このチームは「日テレ・ベレーザを軸にした構成」になっています。

ベレーザはずば抜けた成績を挙げているので(昨年はリーグとカップ戦の3冠を達成している)、当然の事です。

上記したように、ベレーザの中心選手が2人漏れたのが痛いですが、やはりベレーザの選手を基盤にして代表のサッカーも仕上げねばならないと思います。

ベレーザのサッカーは完成度が高く、攻守のバランスもかなり良いので、それを代表にも導入・注入するのが基本。

もちろんベレーザ以外の選手も多いので、そこにも配慮しなければならないですが、なでしこリーグの選手なら誰もがベレーザのサッカーの素晴らしさを十分に知っているでしょう。

正直なところ、高倉麻子監督になってから、これといった戦術を築いていません。
だから、ベレーザーのサッカーを大胆に取り入れていいのではないか。

いま代表合宿が始まりましたが、そのコンセプトでいったらいいと思うんです。

まあ阪口夢穂さんが(怪我が治らず)出場できないと、他のベレーザの選手たちは皆が若いので、チームをリードする事が難しいです。

岩清水梓か田中美南が居ればねー、違ったのに。

私は梓さんか美南さんが選出されるだろうと踏んでたので、『ベレーザの選手が多く選ばれたし、ベレーザのサッカーは素晴らしい内容なので、あのサッカーを代表に思いっきり持ち込もう。
ベレーザのサッカーは世界レベルで通用すると、かねてから思っていました。』と書こうと決めてたんですよ。

予定狂うなー、ほんと。

『ベレーザのサッカーで代表チームを仕上げるが、代表は様々な
 チームから選手が集まってくるので、ベレーザの選手達は
 他のチームから来た選手に配慮し謙虚でいなければならない。

 ベレーザ閥が作られず、どんな派閥も出来ずに代表チームが
 一つになれば、ベレーザのサッカーは世界トップクラスだと
 思うのでW杯優勝も狙える!』

こう書こうと思ってたんですけどね…。

高倉麻子監督に手腕があるなら、こんな事を提案する必要はないです。

だが今までの試合を見る限り、戦術を練り完成させる力を感じないのです。

だから、すでに完成されていて結果も出しているベレーザ・サッカーに頼ったほうがいいんじゃないかと思ったのです。

『国内最強チームの良さを代表にも活かす』というのは色んな国で行われてきた事だし、別にやったら恥ずかしい事ではないから。

話を次の事に移しますが、このところなでしこジャパンの課題として『サイドからのセンタリングで失点する事が多い』と指摘されています。

で、いま代表合宿が始まったのですが、そこでは「守備時のスライドを練習したり、サイドバックが1対1を強化している」と東京新聞の記事にありました。

確かにこのところの試合では、サイドからセンタリングを上げられて失点する事が多いです。

これは男子代表でもずっと弱点で、結局のところ強くてでかくてポジショニングと読みの上手いCBが居ない事が根本原因です。

私が思うに、日本人は諸外国に比べて身体のサイズが小さいから、ペナルティ・エリア内に人数集めるしかない。

サイドで厳しくプレッシャーをかけてセンタリングを上げさせないとか、スライドをきれいに行って穴を作らないとかしても、絶対にセンタリングはある程度入るし、1対1でCBが競り負けたら意味ないじゃない。

重要なのは、「日本のCBは弱い」と認めた上で、ボランチとかSBがサポートし、人数をかけてペナルティ・エリア内を守る事だと思います。

なでしこジャパンでいうと、CBで長くスタメンを任されている熊谷紗希は、どの国のFWとやってもかなり競り勝ってくれます。

だから紗希クラスがもう1人いるなら、かなり安心できます。

でももう1人のCBが、誰だか未だに確定しないくらいに安定性を欠いています。

そのため、SBの選手はどうしても、無意識でもCBのサポートがしやすい位置に入るんですよ。

例えば左サイドから攻撃を受けた場合、右サイド(逆サイド)を守っているSBは、CBがFWと1対1だとやられる可能性が高いのに気付いているから、無意識にでも内側に絞っちゃうんですよ。

CBのサポートに入ってしまうのです。
それはとても正しい判断だと思う。

で、その時に相手チームが逆サイドにボールを運んだら、右SBは中に絞っていたぶん少しマークが遅れるけど、それは仕方ないじゃない。

マークが遅れた結果として、センタリング上げられたとしても、ドフリーにして精度の高いボール上げられるんじゃなければOKだと思います。

むしろ最近の代表戦では、ボランチの守備時の位置取りの悪さが気になっています。

若手の杉田妃和さんと三浦成美さんは、CBのサポートとかバイタルエリアを埋めるのがまだ上手くないです。

そっちの方が問題なのではないだろうか。

ボランチが1枚ペナルティエリア内でCBをサポートすれば、カウンター食らってサイドから早いセンタリングが来ても、何とか守れるのではないか。

阪口夢穂や宇津木瑠美だと居てくれるんですけど、若手ボランチだと居てほしい時に居ない事が多いのです。

「CBの事を考えて、いまは守備的な位置を保とう」とか「この状況だとカウンター食らうと危ないので、少し下がり目にいよう」と考えてないよね、妃和さんと成美さんは。

私が思うに、SBの守備はまず抜かれない事で、そこを重視したほうがいいです。

ドリブルでぶち抜かれてペナルティエリアに侵入されると失点リスクが高まるので。

サイドライン際に追い込み、そこからセンタリングが上がるのは問題ないし、追い込んでいる間にペナリティエリア内に人数揃えてボールを弾き返してほしい。

現状だと、CBのサポートでSBが中に絞っていたり、左の長谷川唯みたいな攻撃的SMFが上がってて居ない時に、サイドからやられてしまって、SBが悪者にされていると思います。

サイドからのセンタリングによる失点といっても、そこには様々な要素が絡んでいるわけだから。

あとはお試しで使われた代表歴のないSBが出た時に、そこから何度もやられた事があり、その印象が強いのかもしれない。

私としてはSBよりも、CBのコンビネーションやボランチの守備意識のほうが修正しなければいけないと思うのですが…。

CBの熊谷紗希さんの相棒を誰に決定するのか知らないですが、早めに決めて連係を高めないと、結局試合ではSBは中に絞ると思うよ。

なでしこジャパンの守備は、サイドライン近くでボール奪いにいくよりも、中央エリア寄りの人が密集している所で、ボール保持者を囲んで奪うスタイルだったはずです。

澤穂希さんがボランチをしていた頃は、彼女がスイッチ入れて「ここでボールを奪うぞ」と決め、ボール保持者に厳しく寄せる事が多かったです。

高倉麻子監督になってからは、どこでボールを奪いに行くかが曖昧になり、守備時の意思統一ができてない気がします。

SBの所で勝負してボールを奪いに行くなら、それはそれでいいと思います。

後ろの人数が足りていて、誰かがフォロー入れる体勢になっているなら、SBがガツッと寄せてボール取りに行ってもいい。
で、ボールがこぼれたらフォローに行った選手が拾う。

ただしその戦術なら、SBの攻撃参加は少なめでもOKにしないといけないよね。
攻撃と守備でフル稼働させるのは可哀相だから。

SBの控えが優秀なら、SBに思いっきり飛ばさせて、疲れてきたら途中交代させる手もあるけど、今のなでしこジャパンはSBの層が薄いから厳しいな。

私の推した高瀬愛実さんが選ばれていたら、層厚くなったんですけどねー。

ボランチの守備時の位置取りについて言うと、私の好きな川村優理さんや男子の青山敏弘さんは、カウンターを食らった時にCBがやられそうなら最終ラインまで下がってサポートしていました。

ボランチが最終ラインまで下がるとCBの前のスペースが空いてしまうけど、センタリングが絶対にCBのマークしてるFWに入ると分かる状況なら、こうしたほうが失点を防げます。

ボランチが最終ラインに加わってスペース埋めてくれるから、CBはかなり負担が軽減していました。

こういうプレイは杉田妃和さんと三浦成美さんでは見た事がないです。
経験がないから仕方ないのだろうけど、守備力足りないなあと感じてしまう。

守備に関しては、熊谷紗希さんがもっとリーダーシップを見せたほうがいいのではないかな。

妃和さんと成美さんは、年齢的にも代表歴から見ても、まだ何も分かってないのに等しいと思います。

だから紗希さんや、宇津木瑠美さんがボランチで出た時は、「ボールに寄せて」とか「そのスペース埋めて」とか「この選手をマークして」と指示したほうがいいです。

私としては岩清水梓さんを代表入りさせて、彼女に守備の統率をしてほしかったんですけどね…。

紗希さんはキャプテンを任されていて、それだけで大変だから、守備の統率は梓さんがやってくれたら負担減ってバランス取れたと思うのですが。

あと思うのは、田中美南さんが外れた事で、前線で相手選手とぶつかりながらボールをキープしてくれる人が菅澤優衣香さんしか居ないのが心配です。

もし優衣香さんが怪我で離脱したら、大変な困難に直面するでしょう。

優衣香さんを大事に使いたいね。代えがきかないから。

それと、高倉麻子監督は「若い選手達はユース代表で世界一を獲り、強豪国にも全く物怖じしていない」と言っており、それを若手を大量にメンバー入りさせた理由にしているのですが、かなり危険な考えだと思ってます。

というのは、日本の場合、男子に顕著なのですが、ユース世代だと(※U-23のオリンピック代表まで含めます)世界大会で好成績を残せるのですが、フル代表になると同じようにいかないからです。

ユース代表の結果を鵜呑みにして、女子のU-〇〇で世界一になった選手達をA代表に上げたら同じ成績になると考えているなら、大間違いです。

厳しい事を書いてきましたが、選ばれた選手達は才能があるとは思っているし、ある程度は期待もしています。

すでに書きましたが、好成績を挙げられるかの鍵は、ベレーザのサッカーを上手く導入できるかだと見ています。

さて。ここからはおまけとして、3つの話をしたいと思います。

まず1つ目ですが、前回の記事でもおまけで取り上げた川村優理さんのことです。

先日になでしこリーグのホームページに足を運び、彼女の所属するアルビレックス新潟の試合結果を確認したところ、途中出場で何試合かに出ており、すでに復帰を遂げているのを知りました。

試合の動画が無かったので、どんなプレイをしているか、身体の状態はどうなのかは確認できておりません。

2年くらい怪我で休んでいたので、本来の状態まで時間がかかるはず。焦らずにやってほしいです。

2つ目は、すぐ上で触れた「なでしこリーグのホームページ」についてです。

そこに行くと、リーグで行われた試合の結果が、毎節ごとに分かるページに入れますが、各節に2試合ずつ、試合の一部始終が見られる動画が置いてあります。

この事は、私は2年くらい前に知りました。
前はやってなかったと思うんですよね。

最近は、なでしこリーグの無料TV放送がほとんどありません。

なのでPCで見ることになり、画質の点でかなり不満があるのですが、たまに「なでしこリーグのホームページ」に行って、アップされてる試合を観ています。

試合結果が分かった状態なのでドキドキ感は少ないですが、1試合まるごとアップされてるので、興味のある方はチェックしてみて下さい。

3つ目は、岩清水梓さんについてです。

つい数日前に、テレビの「勝利の条件」という番組で、なでしこジャパンを取り上げました。

内容は現代表についての分析でしたが、分析・解説を担当しているのが梓さんでした。

で、彼女の解説の素晴らしさにすっかり参ってしまった。

最近は女性監督や女性解説者も増えてきて、戦術を語れる日本女性も多くなってきました。

女子サッカー界の底上げを感じるのですが、女性解説者の話を聞いていて「この人、凄い。私には無い視点でサッカーを解いてる。目からウロコが落ちた」と思えた事は今まで一度もなかったのです。

それが梓さんの解説を見てて、「これは凄い、男性の解説者たちよりも良い」と感動しました。

梓さんはまだ現役選手で、長くプレイしていってほしいが、将来的には監督か解説者になるといいね。

彼女の解説を聞いてて、「名監督にも名解説者にもなれるな」と直感しました。

こういう選手がW杯メンバーに入っていれば、安心して観られるんですけどね。

ちなみに、男性解説者のほとんどは評価していません。

がっかりする解説が多く、実況と合わせて耳障りなだけなので音声ゼロにして観戦する事すらあります。

例えば、松木安太郎は騒いでて煩いだけだし、中山雅史は力んで目を剥いているだけだし、木村和司は無口すぎてやる気がないし、宮澤ミシェルは笑顔振りまいているだけだし、中田浩二は意見が対立するとすぐに相手に合わせて折れてしまう。

こんな仕事してて恥ずかしくないのか?と問いたいですね。

松木安太郎さんは失点しそうな場面になると「あぶなーーい!」とか「うおいっ!」とか言い、攻撃時に良いパスが出ると「いいねー!」と言うけど、これって単なる感想でしょ。

「感想」ではなく「解説」してくれないと。

まともに聞けるのは、都並敏史さんと岡田武史さんくらいです。

山本昌邦さんは、深刻な声音で重々しくしゃべるので内容がありそうに聞こえるが、精神論ばかりで実はほとんど内容がないです。
煩い解説ではないので、音声ゼロにする対象ではないですが、私は完全に飽きています。

もう15年くらい前になるのかな、WOWOWで解説していた信藤健仁さんが好きだったんですけどね。
分かり易いしマニアックな視点もあるし、知識が豊富だしで、彼が解説だといつもワクワクしたものですが、指導者の道に行ってテレビから消えてしまいました。

彼が解説していた頃、WOWOWはスペインリーグを大々的に取り上げ始めた時期でしたが、ロナウジーニョとかがいるバルセロナの解説などがとても面白かったです。

当時の日本では、まだスペインリーグがそれほど注目されてなくて、詳しく解説できる人が少なかったんですよ。
信藤さんはスペインリーグに詳しくて貴重な人材でした。(当時はイタリアリーグやドイツリーグのほうに日本人選手が多く居たし、そっちに詳しい人が多かった)

あとセルジオ越後さんは、文章だと鋭い指摘がバンバン出て素晴らしいですね。
日本の頂点にいる解説者の一人だと思います。

それなのに、この人はテレビに出ると案外大人しくて、本音を語らずに過ごしてしまうのです。

セルジオさんは辛口解説で鳴らしていますが、たぶん本当はものすごく優しい人なのだと思う。
だから文章という人と距離を置いた形だとズバッといけるが、テレビ解説になり誰かと一緒で相手が困るのが分かる状態だと舌峰が鈍るのでしょう。

彼の話を何度も聞いていると、辛口の裏にある繊細さが見えてきます。

サッカーにあまり興味のない人達から見ると、松木安太郎とか宮澤ミシェルのほうが愛想良くて優しく思えるのでしょう。
だが、嫌われるのを覚悟で本音でズバッと語ってくれるセルジオ越後のほうが本当の優しさがあると思うのです。

私自身も、厳しい事ばかり書いていますが、本当はものすごく優しい奴なのです。

優しいからこそ、皆が逃げてしまう所でも逃げずに嫌われ役を引き受けてしまうのでしょう。

セルジオ越後さんの心情は、痛いほど分かるなあ。


日記 2019年4~6月 目次に戻る