パソコンのボタン電池を交換した、起動時のスピードが回復した
(2019.11.30.~12.7.)

1週間くらい前ですが、自宅パソコンのボタン電池を新品に交換しました。

今日はこれについて書こうと思います。

正直なところ、この電池交換は、経験者にとっては当たり前の行為で、すでに何回もしている方もかなり居るのだと思います。

私の場合は今回が初めてで、新鮮な体験でした。

一般的に、時計やテレビのリモコンなどは、電池交換するのが当然という認識が社会全体にあり、誰もが1度は交換した経験もあると思います。

とはいえ私は、町の電気屋さんがリモコンの電池交換が出来ないと相談を受けて出張し、それを処理したという話を耳にした事があります。

さらに言うと、自宅の照明の蛍光灯が交換できないので、電気屋に頼む人がいるというのも聞いた事があります。

世の中には色んな人が居るので、電池交換は全て誰かに任せて、自分では一度もした事がない人もいるのかもしれません。

とにかく、リモコンとか照明だと「一定期間で交換をしないといけない」との理解が全員にあると思うのです。

これに対し、テレビ本体とか、録画用機器なんかは、定期的に何かを交換する必要はなく、「トラブルがあったら壊れたのだと認識する」というのが普通でしょう。

で、パソコンというのも、テレビとか録画用機器と同じくくりで見て、電池交換が必要だとの認識が無い人がけっこう居るのではないでしょうか。

かくいう私も、パソコンに電池交換が存在し、5年ほどで電池が切れて交換時期が来るというのを、1年半くらい前まで知りませんでした。

繰り返しになるんですけど、これって知っている人には常識そのもので、「何で知らないの、そんな事」と思うでしょうが、実際に知らない人がそこそこ居ると思うんですよ。

パソコンってだいたい5年くらいで買い換える人も結構多いのではないでしょうか。
そうすると電池交換するタイミングがなく、次の機種に移行できてしまう。

その繰り返しになれば、電池交換に接することなく、月日が過ぎていきます。

私が今使っているパソコンは、2012年に買ったもので、もう使って7年になるのですが、まだきちんと機能し不自由を感じません。

だから「やるなあ、こいつ」と感心しているのですが、1年半くらい前から2~3回、時計が狂う症状が出ました。

パソコンって、正確な時間が表示されるのが当然なので、とても気になりネットで調べました。
そして狂った原因と、時計合わせの方法を学びました。

その時に、「パソコンに内蔵されている電池が切れてくると、時間がずれるようになる。電池切れは使用5年くらいから生じ始める」という事実を知りました。

電池が内蔵されてるなんて想像してなかったので、「おー、そんな事があるのか」と驚きました。

で、電池交換をしようかと思ったのですが、その時に読んだ記事だと、「電池が完全に切れると、毎回パソコンを起動する度に時計合わせをしなければならないが、別にそれ以外に使用上の問題はない」という事でした。

だから、「面倒くさいからまだいいや、まだ放置しよう」と決断しました。

それから気を付けて見てきたのですが、時刻がずれる症状はなかったのです。
正確な表示を維持し続けました。

なので「お、行けるじゃないか。電池復活したんじゃないの」なんて、楽観してました。

それが1週間前に、パソコンを起動したところ、最初の画面からいつもと違っていたのです。

7年も連れ添ってきたパソコンが、冒頭から様子が全く異なり、実にそっけない態度で、冷徹そのものの態度で、こんな言葉を吐いてきました。

「CMOS Date/ Time Not Set.  Press F2 to Entre BIOS Setup」

愛用してきて、かなり仲良くなっている実感があったので、とってもびっくりし、裏切られたような、謀反を起こされた様な気になりました。

「突然に何を言い出すんだ、お前。どうしたんだよ、そんな事を言ってきても読めないぞこっちは。会話になってないぞ、ここは日本だぞ。」と眉をひそめました。

突然に英語で語りだし、専門的な言葉遣いで愛想も全て失い、今までと全く違うじゃないかと。

もし以前にネットで調べておき、「完全に電池が切れると、毎回パソコンを起動する度に時計合わせをしなければならない」という知識を得てなければ、大混乱したでしょう。

「パソコンが壊れたのか」と思い、動揺しまくった可能性が大です。

でも知識があったので、「Time Not Set」のフレーズを見て、「このお方、どうやら時計合わせをしたいらしい」と推測できました。

で、F2キーを勇気を出して押してみました。

そうしたところ、全てが英語で表記され、なおかつ専門家じゃないと理解できないと感じさせる、非常に業務的な画面が出てきました。

はっきり言って、チンプンカンプンでした。

驚いたのは、マウスが一切使えず、キーボードでしか反応がなかった事です。
「やっぱりぶっ壊れたんじゃないか」と心配したのですが、キーボードでなら反応するし、そういう仕様なのかと思い直しました。

それから10分くらい画面とにらめっこし、適当にいくつかの項目を触ってみたのですが、下手にいじるとやばそうだなと感じました。
パソコンの根幹に関わる設定の画面っぽくて、いじる気になれなかったです。

やや考えた結果、シンプルに「Exit」を選ぶ事にしました。

ところが、それを選ぶと英語で「何もせずに終了するの?」という意味と思われる画面が出て、YesかNoの選択になるのです。

暗に、「何もせずに終えるなんて、お前はバカか」と、なじる空気がありました。

そこで又、少し迷ってしまいました。
そうして、時計の項目の所(日時の設定)を、すこしいじろうとしました。

しかし、数字の設定が上手くできませんでした。
後で調べて分かるのですが、数字の入力の後に「Enterキー」を押さないといけないのです。

それを知らないので、数字入力してから「→キー」で次の入力に移ろうとしたのですが、それだと別のページに移ってしまいます。
「Enterキー」を試そうかとも思ったのですが、怖くて出来なかったです。

結局、何も分からないのだから、そのまま退出しようと決めました。

パソコン的には「お前ちゃんとやれよ」と感じてしまうのでしょうが、退出すればとりあえず起動が進んで、インターネットに接続できる所まで行くだろうと考えました。

だから「Exit」を選択し、「Yes」を選んでみました。

そしたらいつもの起動画面になり、問題なく進んでいってネットにも接続できました。

やや意外だったのは、画面右下に常時出ている日時を確認したところ、全くずれてなかった事です。

「なんで設定してないのに合っているのか?」と不思議でしたね。
表に出ている日時とは別に、起動時の日時が設定されているのだろうか。

そのから3時間くらいは、ネットでいくつのもページを見て、必死に勉強しましたよ。

やはり人間って、必要に迫られると真剣に勉強しますねー。

まず文章のみのページに足を運び、基本的な情報を得ました。

予想通りに、トラブルの原因はパソコン内のボタン電池の切れと分かりました。

CMOS(シーモス)という部分が、電池不足になると情報保存できず、その結果、日時の再設定が必要になるとのことです。

私の症状である「CMOS Date/ Time Not Set.  Press F2 to Entre BIOS Setup」と出てくるのは、電池の残量が減ってきた状態で、完全に無くなるとこの画面すら出ず、いきなり真っ暗の画面が出る事もあるみたいです。

解説ページを読んでいて、電池交換の時期にきてるのだと、痛感しました。

で、電池をどうやって入手しようかと思ったのですが、一番スタンダードな電池は、なんとコンビニでも売っているというのです。

「本当かよ、そんなの見た事ないぞ」と思いました。

そんなにパソコンの電池交換ってメジャーな行為なのかと、カルチャー・ショックを受けました。
まだこの時点では半信半疑でしたが。

次に、どうやって日時などの再設定をすればいいかを調べました。

文章だけだとピンと来なかったので、ユーチューブに足を運び、BIOSの再設定方法を解説している動画を見ました。

そうしたところ、上級者でなければ再設定は日時の設定のみで良いと分かりました。

F2キーを押した時、色んな項目が出て来て、どれをいじればいいか分からなかったけど、時計の所だけ触ればいいのだと知りました。

上記した通り、日時の設定(時計合わせ)のやり方が分らなかったのですが、それも実演してくれている動画があり、「System Time」が時刻合わせ、「System Date」が日付合わせだと知りました。

それで「System Date」は、左から月、日、年の順で入力します。

パソコンの機種によっては、F2キーでBIOSの画面に入った時、全部が日本語で表示される事もあるそうです。

それだと混乱はかなり避けられそうですね。

私の機種は全部が英語なので、目覚めたらいきなりアメリカの民家のベッドの中で、起きぬけで居住者のわめいてくる英語に応じなければならないみたいな、途方にくれる状態になりました。

一通りの情報を得たので、いよいよ電池の交換をしようと思い、まずユーチューブの動画で交換作業のあらましを見ました。

どれが電池なのか、どうやって交換すればいいのかをチェックしました。

そしてパソコンの電源を切り、全てのコードを外して、パソコンの外箱(外蓋)を取り除きました。

ゴム手袋をはめてから、基盤を注視したところ、すぐにボタン電池を発見できました。

動画で見たとおりに、マイナスドライバーで爪の部分をずらしつつ、電池を外して指でつまみ取りました。

電池の表記を見たところ、やや消えかかっていたが、「CR2032」の文字が読み取れました。

これが最も一般的なパソコン用のボタン電池で、これならばコンビニにも置いてあると、解説ページでは述べていました。

こうなったら、コンビニに行くしかないじゃないですか。

で、自転車で向かい、セブンイレブンに着いて雑貨コーナーを見たら、本当に置いてある!

この時に、思いました。
「人間って、関心が無かったり、必要としてないものは、そこにあっても目に入れず、気が付かないのだな」と。

雑貨コーナーもたまには覗く機会があったんですけどね。
完全に視線から外してました。
存在に、全く気付かずにきてましたね。

CR2032の値段は、261円でした。

それにしても、消費税が10%もあるって、本当にキツイですね。

本来ならば238円で買えるものが、消費税のせいで261円にもなってしまう。

その一方で、大企業は様々な減税措置で無税で済む場合すらあります。
そうやって何百兆円も内部に溜め込んでいるんです。

こんな政治を許していいはずがありません。

今、人々は、買い物をするたびに、怒りを蓄積しているのではないかな。

その怒りを、政治を変えるための投票に、ぜひ用いてほしいです。

話を戻しましょう。

私は購入した電池をポケットに入れ、家に直帰しました。

帰宅して改めて確認すると、新しい電池はキラキラ輝いており、今まで長く使ってきてくすんで文字の消えかかっている電池とは明らかに違いました。

「こいつならやってくれる」、そう思わせるオーラが出ています。

すっかり気分を良くした私は、休憩を入れる事もせすに、次の作業に移りました。

ここに至るまで、パソコンのトラブルに直面してからすでに4時間です。

全く休憩なしのぶっ通しの作業で、疲労は限界にきていましたが、ここまで来たら最後まで走るしかありません。

新品の電池をカチッとはめてみました。
基盤上でキラキラ輝く丸いボタンを見て、なんだが我がパソコンが若返った気がしました。

外箱(外蓋)を元の通りに被せて、よっこいしょと持ち上げてパソコンをいつも安置している場所に移動させ、ケーブル類を全て差し込みました。

そうして祈る心境で電源を入れて起動してみたところ、きちんと立ち上がり、すぐに「CMOS Date/ Time Not Set.  Press F2 to Entre BIOS Setup」の表示が出ました。

とりあえず起動には成功しました。一安心です。

私は予習した通りに、F2キーからBIOSの画面に進んで、日時の設定を慎重に行いました。
部屋にある時計を見ながら、寸分の狂いも出ないほどかっちり合わせました。

それから「Exit」の項目に進んで、「Changes and Reset」を選択しました。

すると設定を保存して再起動となりましたが、今度は「CMOS Date~」の表示は出なくて、通常の立ち上がり方をしました。

ようやく元のシンプルな起動の仕方に戻りました^^

その後は問題なく使えてますが、嬉しい驚きだったのは、パソコンを起動してからネットに繋ぐなどの操作を行えるまでの時間が、劇的に短くなった事です。

このパソコンを買った当初は、起動してから30秒ほどでネットに繋げました。

それが使っているうちに徐々に遅くなり、最近では2分ほどもかかる状態でした。

要するに起動しても、使用できるまでに時間がかかる様になっていたのです。

パソコンは長く使用していくと徐々に動きが遅くなりがちで、起動に時間がかかるのも諦めていたのですが、実は電池交換で大幅に回復するようです。

使い始めて4~5年くらい経ち、「最近、起動に時間がかかるなあ」と感じる人は、電池交換すると良いかもしれません。

電池の値段の上記のとおり手ごろで、入手方法もCR2032ならばコンビニで売っています。

私が今回調べたところでは、ノートパソコンだとCR2032以外の電池が使われている事もあるようです。

パソコンの電池交換はそれなりに大変で、慣れないと外箱(外蓋)を開けるのも時間がかかります。

そもそもデスク用はかなり重量があるので、女性や高齢者だと持ち上げるのも難儀そうですね。

楽な作業ではないですが、上記の通り起動が軽快になるので、やる価値はあるなと思います。

私の場合、メモリの増設や内部の掃除をした事があり、外箱を開ける作業には慣れています。

それでも慎重にやらないとパソコンにダメージが出そうなので、ケーブルを抜く→作業場に運ぶ→外箱を開ける、という作業に10分はかけてますね。

初めて外箱を開ける人や、電池交換をする人は、ぜひユーチューブで動画を見て下さい。

動画で確認すると、作業で気を付けるポイントが分かります。
私も今回の電池交換で、非常に参考にしました。

余談になるのですが、今使っているパソコンは外箱がネジ止めになっておらず、突起をスライドさせると外せる仕組みになっています。

これだと楽だし、ネジを無くしてしまうミスも起きないしで、大変に優れています。

この仕組みを、パソコンだけでなく、オーディオ機器全般に拡大させてほしいですね。

オーディオ機器って、内部の掃除とかヒューズの交換で、たまに外箱を開ける事があります。

その時に、ネジを何本も外すのが面倒なんですよね。
たまにネジが1本、どこかに行って見つけるのに手間取るし。

業務用で頻繁に持ち運びする機器は、しっかりネジ止めした方がいいけど、家庭用ならば上記のスライド式でもいいんじゃないかなあ。

話のまとめに入りますが、パソコンの電池交換を初めてやってみて、その効果の大きさに驚きました。

使い始めて7年も経つので、「そろそろ買い替え時かな」なんて思ってたのですが、動きが軽やかになったので、「まだ行けるんじゃないか」と思い直しました。

32bit版なのですが、64bitにも対応できるスペックなので、メモリを増設した上で64bitに移行してやろうかと、野心まで生まれてきています。

とりあえずあと3年は行ける、そう感じています。


日記 2019年10~12月 目次に戻る