2021東京オリンピック、という悪の大会(後編)
(2021.9.1.~9.13.)

「2021東京オリンピック」が、かつてない悪の大会(運動会)だった事を、後世に語り継ぐための記事。

その後編になります。

語り継ぐべき事実を書き連ねていきます。

〇東京新聞2021年7月11日から抜粋

東京オリンピック&パラリンピックの大会組織委員会が、大会で働くボランティアに対して、活動日は自宅からユニフォーム姿で通うよう指示している事が分かった。

コロナ・ウイルスの感染拡大でオリパラ開催への批判は根強く、ボランティアは「途中で嫌がらせを受けかねない」と心配している。

ボランティアの男性は、こう話す。

「6月上旬と下旬にボランティア用の研修会に参加したが、その時に大会組織委員会の担当者から『ユニフォーム姿で会場に来るように』と言われた。

会場に更衣室がない、というのが理由だった。

複数の参加者が『ユニフォームを着て通いたくない』と伝えたが、見直しはなかった。」

ビーチバレー会場でボランティアをする予定の女性

「ユニフォームで通う理由として、『街に祝祭的な彩りを与えてほしい』と言われた。

参加者たちは唖然としていた。」

ボランティア達は、ワクチン接種を始めているが、オリンピックの開幕までに2回目を打てない人が多い。

オリンピックに参加するボランティアは、8万人が決まっていたが、これまでに1万人が辞退している。

〇東京新聞2021年7月13日から抜粋

女性の医療従事者や、性暴力に抗議するフラワー・デモの主催者らが、東京オリパラの開催中止を訴える記者会見をした。

松尾亜紀子(フラワー・デモ呼びかけ人)

「コロナ禍でDVや妊娠の相談が増えている。

非正規雇用の7割が女性で、5人に1人が休業を余儀なくされている。
自殺者も増えている。」

青木正美(日本女医会の理事)

「選手たちが集まるのは、感染拡大の下ではやってはいけない。
オリンピックを開けば、医療が崩壊する。」

前田佳子・医師

「現状は、オリンピックありきで突き進んだ日本政府による人災だ。」

市民の有志が、東京地裁にオリンピック中止の仮処分を申し立てた。

申し立ては、小池百合子・都知事と橋本聖子・大会組織委員会・会長を相手に行った。

緊急事態宣言下でのオリンピック開催を「愚の骨頂だ」と批判している。

原田文植・医師

「オリンピックの中止は当然だ。
ワクチン接種は在庫不足でストップしたし、安心・安全の目標はクリアできなかったから、中止しかない。」

申し立ては、福島原発の大事故で『原子力緊急事態宣言』が現在も発令中で、福島から避難している人々が未だに居る事も強調している。

武藤類子(福島原発告訴団の団長)

「聖火リレーの出発地として使われたJヴィレッジでは、東京電力が除染しきれなかった場所に、子供たちが動員されて芝生が植えられました。」

申し立ては、新国立競技場の周辺にある都営アパートから住民を退去させた事や、建設用地とされた明治公園から野宿者を排除した事も挙げている。

明治公園では、日本スポーツ振興センター(JSC)の申し立てにより、野宿生活者が強制退去させられた。

山本志都・弁護士

「退去を求めるには本来は裁判手続きが必要だが、警察力も使って一方的に公園から追い出した。」

〇東京新聞2021年7月17日から抜粋

東京オリンピックは無観客となったため、仮設された観客席は使われずに取り壊すことになった。

このため、「早めに開催中止にしておけば、多額の税金が使われずにすんだ」との声が挙がっている。

首藤久美子(反五輪の会メンバー)

「馬事公苑は、地元の人に愛されているが、ずっと入れないままだ。」

馬事公苑は東京オリンピックの会場になったため、2016年末から閉鎖し、17年1月から工事が始まった。

そして9300人を収容できる仮設の観客席や、夜間用の照明を整備したが、無観客で使われなくなった。

しかもオリンピックの閉幕後に、仮設した観客席などの撤去が行われるので、馬事公苑の再開は23年の秋になるという。

つまり市民は7年近く入れないのだ。

首藤久美子

「昨年に延期ではなく中止にしていれば、馬事公苑の閉鎖はこんなに長引かなかった」

スケートボードなどが行われる「有明アーバンスポーツパーク」や、スポーツクライミングなどが行われる「青海アーバンスポーツパーク」も、仮設のスタンドが使われなくなった。

オリパラの大会組織委員会のホームページを見ると、「仮設等」の費用として、同委員会が1280億円、東京都が2410億円を負担している。

本間龍(作家)

「無観客になり、900億円のチケット収入は返金することになった。

オリンピックを開催すれば、コロナ感染防止の対策費用もかかる。

オリンピックの終了後に、数千億円の追加費用が明らかになるだろう。
そこには税金がつぎ込まれ、ツケは市民に回ってくる。」

〇東京新聞2021年7月17日から抜粋

東京オリンピックとパラリンピックで来日する、選手や関係者の合計は、10万5千人にも上る。

倉持仁(医者)

「空港での検疫は、抗原検査で行っているが、一部は(コロナ陽性)でもすり抜ける。

多くの感染者が確認され、オリンピックが終わる頃の状況は、相当に悪化する。」

すでに6月19日に来日したウガンダ選手団から、2人の陽性者が見つかっている。

IOC(国際オリンピック委員会)の会長であるトーマス・バッハは、7月13日の橋本聖子・大会組織委員会・会長との会談で、「日本人」を「中国人」と言い間違えた。

森功(作家)

「バッハには、そもそも日本への関心は無い。

彼の頭の中は、オリンピックのビジネスで一杯で、IOCの収入源である放映権料さえ入ればいいと考えている。

オリンピック開催が決まり、放映権料が確保できる見通しになったので、緊張が緩み切っているのだろう。」

トーマス・バッハは、悪評が高く、「ぼったくり男爵」とも呼ばれている。

緊張が緩んでいるのは、日本の菅政権も同じである。

西村康稔・経済再生相は、7月8日の記者会見で、酒を出す飲食店の情報を金融機関に提供して、「金融機関から働きかけてもらう(金融方面から政府の方針に逆らうなと圧力をかけていく)」と発言した。

これには各界から批判が相次いで、翌日に西村は撤回した。

酒の販売業者に依頼した、取引停止の要請も、批判が相次ぎ13日に撤回に追い込まれた。

驚くことに、菅義偉・首相は、「(西村の発言は)承知していない」と知らんぷりを決めこんだ。

金融機関への働きかけは、菅も出席した7月7日の閣僚会合で了承されたものだ。

オリンピックの開幕まで1週間となったが、東京都のコロナ新規感染者は連日1千人を超えており、「第5波」が来ている。

しかも人の出は、あまり減っていない。

五十嵐仁(法政大学の教授)

「人出が減らないのは、国民が政府を信頼せず、政策に納得していないから。

政府は感染を抑える策を提示できてないし、リスクに目をつぶってオリンピック開催にこだわっている。

国民に危機感を伝えるには、オリンピックの中止が最も効果的だ。

開催して感染を拡げれば、国内外に恥をさらす。」

〇東京新聞2021年7月20日から抜粋

東京オリンピックの開会式で楽曲制作を担当した、小山田圭吾の「いじめ自慢」の問題。

小山田は、1994年と95年に発行された2つの雑誌のインタビューで、自らが行ったいじめを語っている。

そのいじめは陰惨で、同級生を段ボール箱に閉じ込める、裸にする、大便を食べさせる、を行っていた。

被害者は障害者だったといい、さらに悪質である。

そのいじめを、笑い話のように披露していた。

このため、小山田圭吾の解任を求めるオンライン署名が始まった。

小山田は謝罪文を公表しつつ、楽曲担当の続投を表明した。

いじめ問題に取り組む「ジェントルハート・プロジェクト」の小森美登里・理事

「彼の謝罪文は、『ごめんなさい、でもこのままやらせて』の内容だった。

直接に被害者に謝りたいとも綴っているが、被害者の傷に塩を塗る行為だ。
心に深い傷を負わせた自覚が感じられない。

彼を選んだ大会組織委員会の責任も重大だ。」

小田嶋隆(コラムニスト)

「1990年代のサブカルチャー系の有名人は、自分の尖った面をアピールし、思いあがった面がある。

彼のいじめ問題は、オリンピックの楽曲担当に起用される前から何度も話題になっていたが、彼は無視してきた。

そんな人が、なぜ起用されたのか。」

大会組織委員会の武藤敏郎・事務総長は、7月17日の会見で小山田を続投させる考えを示した。

だが世間の批判はやまず、19日に小山田の辞任が発表された。

〇東京新聞2021年7月23日から抜粋

東京オリリンピックとパラリンピックの大会組織委員会。

同委員会の関係者が、東京オリンピックの開幕直前に複雑な思いを語った。

この男性は、オリンピックの開会式を担当したが、オリンピックの延期が決まってから秘かに「中止になってくれ」と願ってきたと言う。

そう願ったのは、オリンピックの闇の深さを知ったからだ。

男性は語る。

「開会式の演目と出演者が固まった後に、大会組織委員会と東京都の有力者や、JOC(日本オリンピック委員会)から、唐突に『この人を使ってくれ』といった依頼が来た。

有力者ごとに、〇〇案件と囁かれた。

有力者が便宜を図った依頼は、絶対だった。

だからその度に、無理矢理に演目をいじって当てはめた。」

もともと開会式の演出は、2017年に狂言師の野村萬斎らの8人体制でスタートした。

その後、8人のトップは山崎貴(映画監督)やMIKIKO(振付師)に変更された。

大会組織委員会は、2020年12月になって、突然に8人体制を解散させて、「佐々木宏(CMディレクター)に演出を一任させる」と発表した。

佐々木に一任した理由は、「開会式の簡素化のため」と説明されたが、男性は「嘘だ」と言う。

実際には、2020年夏の時点で、佐々木宏がトップになり、それまでトップだったMIKIKOに何の連絡もしなかった。

MIKIKOは10月になってこれを知り、辞任届けを提出した。

しかし大会組織委員会は、この交代劇を隠して、12月に体制変更の発表をしたのだ。

その後、佐々木宏はタレントの渡辺直美を「豚」に見立てる演出を提案し、それが週刊誌で明らかになって、猛批判を食らい辞任となった。

男性は語る。

「大会組織委員会は、MIKIKOさんだけでなく、他の演出家にも何度も不義理を働いた。

それなのに武藤敏郎・事務総長らは、何もなかったかの様に仕事を続けている。
これが許せない。」

開会式は、今春から都内や千葉県でリハーサルが続けられてきた。

緊急事態宣言が出て、県をまたぐ移動の自粛が要請される中、100人以上の出演者が各地から集まってきて、リハーサルをしてきた。

男性

「社会と矛盾する事ばかりしている。もうオリンピックが嫌いになった。」

改めて大会組織委員会を振り返ると、2013年に発足したが、会長に就いたのは森喜朗で、事務総長に元大蔵省・次官の武藤敏郎を起用した。

そして大会組織委員会の要職は、財務省や文科省の出向組で固められた。

重大な決定は、これらの5~6人で秘密裏に行われてきた。

そして多くの利権が絡み合った結果、様々なトラブルと混乱が続き、『国民不在のオリンピック』という印象が出来上がった。

〇東京新聞2021年7月26日から抜粋

東京・日本橋近くにあるホテルの「住庄ほてる」。

東京オリンピックとパラリンピックの期間中、帰宅できなくなった大会組織委員会のスタッフたちの宿泊先の1つに指定された。

だが、ほとんど利用されていない。

同ホテルには、オリンピックの開幕日だった23日は、予定では11人の宿泊だった。
だが実際は1人だった。

普段より3時間遅い、午前3時まで大浴場を開けておいたが、肩透かしを食らった。

24日は10人が泊まる予定だったが、結局は誰も来なかった。
準備していた料理は台無しになった。

角田隆(住庄ほてるの社長)

「宿泊料を支払っているからいいだろう、と考えているらしいが…。

今日は15人泊まる予定だが、実際はほとんど来ないだろう。

宿泊料はもらえるが、オリンピック経費の無駄使いではないかと、複雑な気持ちだ。
やりがいを感じない。

子供たちのスポーツ大会は、コロナで2年続けて中止になった。
でもオリンピックは始まっちゃった。」

〇東京新聞2021年7月27日から抜粋

東京オリンピックで働くスタッフたちに、格差が生まれている。

ボランティアたちに支給されるのは交通費のみだが、特別な能力を必要としないアルバイトたちは時給をもらっている。

トライアスロン競技の自転車のために、交通整備を行ったボランティアの男性スタッフに取材した。

男性は、午前1時に集合のため、終電を使って現地入りした。

そのまま沿道の安全を夜通しでチェックし、競技が終了後の午前9時まで働いた。

しかし手当は無くて、地方から出て来たため航空代とホテル代の5万円は自腹である。

同じ沿道に、「観戦自粛」と書かれたプラカードを下げた、アルバイトが数十m置きに立った。

取材すると、「時給は1400円で、深夜帯は1800円だ」と言う。

彼らも終電で現地入りし、未明には沿道に柵を設置して、午前10時まで働いた。

ボランティアの中からは、「無償を条件に応募したとはいえ、(我々の待遇は)かなりブラックだ」との声が出ている。

オリパラの大会組織委員会は、派遣会社を通じてアルバイトを集めた。

他方で、一部のボランティアは無観客が決まってから配置転換の連絡もなく、待機状態で困っている。

〇東京新聞2021年7月30日から抜粋

「どんな賃金体系になるかの説明もないまま、東京オリンピックの警備に突入した」

都内の競技場を警備した男性の証言である。

この男性は、会場に出入りする車や人の誘導をしたが、連日30度を超す猛暑で、アスファルト上の体感温度はそれを遥かに超えた。

さらにマスクを着けているため呼吸しづらい。

人手不足のため、決められた勤務時間以外にも追加で働くよう求められた。

丸1日半や丸2日も連続で働く人も出ていると言う。

「追加で働いた賃金の説明も受けていない。断りきれずに働かされ続けている人もいる。」

全国から集められた警察官とは別に、配置されている警備員たち。
東京オリンピックは無観客での開催になったが、交通誘導などの人数はさほど減っていないという

笹山尚人・弁護士

「オリンピック警備の場合、超過勤務を想定して事前に取り決めをし、労働条件をあらかじめ明示しておくのが必須だ。」

〇東京新聞2021年7月31日から抜粋

東京オリンピックの開催中だが、コロナウイルスの新規感染者は、東京都では4千人弱、全国では1万人超となって、過去最高を更新している。

だが感染急増とオリンピックの因果関係について、菅義偉・首相は「人流は減っている」と語り、否定した。

小池百合子・都知事も、「テレビ観戦でステイホームが進んだ」と説明し、同じく因果関係を否定した。

IOC(国際オリンピック委員会)のマーク・アダムス広報部長に至っては、「オリンピックはパラレルワールドみたいなもので、全く関係はない」と述べた。

本当に関係はないのか。

オリンピックの選手と関係者は、来日時の隔離などから除外される、特例の扱いになっている。

この特例で入国した者は、6月までの時点で3551人に上った。

7月に入ると、一気に特例で入国した者が増えた。

オリパラの大会組織委員会によると、すでに選手・関係者から225人のコロナ感染が判明している。

ところが感染者の国籍や変異株の種類を、組織委は公表していない。

濃厚接触者の有無も分かっていない。

選手と関係者が、選手村を出て街中ですごす姿は、何度も目撃されている。

だがIOCは処分を下していない。

選手村で毎日行われる抗原検査も、実態は不明となっている。

オリンピックの開催は、日本国民の心理に及ぼす影響も大きい。

広瀬弘忠(東京女子大学の教授)

「オリンピックは華やかで、人々の心を開放的にする。

外出を控えてきた人達には、出掛ける人もいたはずだ。

オリンピックの開幕後は、コロナ関連のニュースは減り、マスメディアは各競技を報道した。

そのため人々はコロナを意識する機会が減り、心理が楽観的になった。

そして楽観に拍車をかける発言が、菅首相らから相次いでいる。」

「テレビ観戦でステイホームが進んだ」という小池都知事の発言は、本当か怪しい。

ビデオリサーチ社が公表する関東地区の世帯視聴率を見ると、開会式こそ56.4%だったが、その後の多くは10%台である。

南部義典(元慶応大学の講師)

「菅氏や小池氏が楽観論を触れ回るのは、自分自身に大丈夫だと言い聞かせたいだけじゃないのか。」

〇東京新聞2021年7月31日から抜粋

東京オリンピックの開催中止を求めて、市民の有志が東京地裁に差し止めの仮処分を申し立てていた。

(※この件は、今記事の上の方で取り上げています)

東京地裁は、申し立ての却下を決めた。

その決定文は、実質わずか4ページだった。

却下をした目代真理、網田圭亮、瀧田佳代の3人の裁判官は、「オリンピック開催で個人の生命や健康が侵害されるとは認められない」とした。

武田真一(成蹊大学の教授)

「オリンピックでコロナ感染は爆発的に拡がっており、生命や健康を脅かすという訴えはかなり現実味がある。

それでもオリンピックを止めるだけの人権侵害はない、という事だろう。」

鵜飼哲(一橋大学の教授)

「2024年のパリ・オリンピックでも、開発をめぐって住民訴訟が起きている。

だが司法は役目を果たせていない。

オリンピックという人災は明らかだが、司法が人権救済に機能できていない。

この問題を法律家たちは重く受け止め、どうすればいいかを考えてほしい。」

〇東京新聞2021年8月3日から抜粋

東京オリンピックに向けて建設された新国立競技場は、日本政府や東京都がカネを出し、1569億円で建設された。

この競技場の維持費は、毎年24億円かかると見込まれている。

パラリンピック後にトラックを撤去して、8万人を収容する球技専用の競技場に改修する計画だったが、トラックを残す案が出てきた。

陸上のある代表コーチは、冷めた目で語る。
「陸上で観客が埋まるのは、10年に1回ほどだろう」

オリンピックに向けて東京都が建設した競技場は、新国立の他にも6つある。

(※6競技場の建設費の総額は、下記のとおりで1435億円にも上る)

このうち有明アリーナをのぞく5競技場の年間の赤字総額は、10億円を超える見込みである。

「東京アクアティクスセンター」は、競泳用で、建設費は567億円かかったが、年間収支は6億3800万円の赤字の見通しだ。

「海の森水上競技場」は、主にボート用で、建設費は363億円かかったが、年間収支は1.6億円の赤字の見通し。

「有明アリーナ」は、バレーボールなどを行うが、建設費は370億円かかり、年間収支は3.5億円の黒字の見通し。

「カヌー・スラロームセンター」は、主にカヌー用で、建設費は78億円で、年間収支は1.8億円の赤字の見通しだ。

「大井ホッケー競技場」は、ホッケー用で、建設費は48億円、年間収支は1億円の赤字の見通し。

「夢の島公園アーチェリー場」は、アーチェリー用で、建設費は9億円、年間収支は1170万円の赤字の見通し。

〇東京新聞2021年8月5日から抜粋

東京オリンピックで初めて「選手村」でのコロナ感染のクラスターが発生した。

だが大会組織委員会の武藤敏郎・事務局長は、「想定内のレベル」と言う。

東京オリンピックのルールでは、コロナ陽性者は隔離や入院となり、大会に出場できない。

8月4日までに陽性となった選手は28人で、陽性のため来日すら出来なかった選手も多い。

来日できなかった選手には、世界ランク1位の者もいる。

元ラグビー日本代表の平尾剛

「陽性になり棄権する選手が出ることを想定した上で、開催された大会だ。フェアネス(公平性)が担保されないまま、大会が行われている。」

〇しんぶん赤旗日曜版2021年8月8日・15日合併号抜粋

リオ・オリンピックで体操女子の5冠だったシモーン・バイルス選手は、東京オリンピックの団体総合・決勝で「精神的ストレス」を理由に棄権した。

彼女は、連覇のかかった個人総合も出場しなかった。

彼女は、「1年延期した上に、無観客の大会。慣れない事が多くて、非常にストレスがかかった」と語った。

東京オリンピックでは、すでに大会前から、野球では台湾とオーストラリアのチームが最終予選を辞退している。

ボクシングも6月の最終予選がコロナ流行で中止になり、世界ランキングで出場選手が決まった。

また、日本で行う各国の事前合宿も、122件が中止となった。

日本の環境に身体をなじませる期間が少ないまま、本番を迎える選手が出たはずだ。

競泳に出場したロシアのエフィモア選手は、コロナ陽性で出場できない選手がいる事や、アメリカの視聴者のために午前に決勝種目が始まる事を挙げて、「不公平なオリンピック」と批判した。

拓殖大学・柔道部師範の正木照夫の話

柔道では日本がメダルを多く獲っているが、稽古や調整が上手く行ったのだと思う。

日本代表は選手村に入らず、トレーナーなどのスタッフを引き連れてホテルに宿泊している。

選手村に入った各国の選手は、感染対策のため同行したスタッフが限られ、食堂が混むと食事時間をずらす事もあるという。
外出も許されず、練習時間も限られている。

選手村では感染者が出ているし、精神ストレスになるだろう。
これに対し日本の選手は高級ホテルに陣取ることができる。

東京オリンピックは、公平さに大きな歪みをもたらした。

それに、東京では1日の感染者が4千人を超えているのに、オリンピックを強行している。

ジャーナリストの青木理の話

コロナの感染爆発の中で、オリンピックの開催を強行したのは、もはや狂気です。

日本政府と東京都は、世界から何万人も集まる祭典を開催しておきながら、人々には外出の自粛や我慢を要求している。

東京では、自宅で療養する人が1.4万人を超えたが、菅政権は肺炎の兆候がある中等症でも「自宅療養」とする方針への転換を公言しました。

東京オリンピックの開会式では、障害者いじめを公言していた音楽担当者(小山田圭吾)が辞任し、ホロコーストを笑いのネタにしていた演出家(小林賢太郎)が更迭されました。

森喜朗(大会組織委員会・会長)は、女性蔑視の発言で辞任しました。

開閉会式の演出統括者(佐々木宏)は、女性タレントを侮辱する発言で辞任しました。

類は友をよぶという事でしょう。

東京オリンピックは、日本選手は練習環境などが保証されているが、外国選手はバブルの中に入れられ、ろくな準備も練習もできません。

その不平等の下で、日本が「史上最高のメダル数」とはしゃぐのは、外国選手たちに失礼ではないか。

しかしテレビは、日本のメダルラッシュの報道一色です。

〇東京新聞2021年8月5日から抜粋

東京オリンピックの外国人の大会関係者が、ボランティアの運転する車で、レストランや商業施設へ出掛けている。

ボランティア・ドライバーの女性が証言した。

大会のプレー・ブックでは、選手や関係者は観光施設やレストランに行ってはならない。

しかし女性ドライバーは、家電量販店やレストランに行くように言われ、選手村から乗せていった。

大会組織委員会からは「車両の現在地は記録している」と説明を受けたが、注意された事はない。

女性ドライバーは、「(選手村の)バブル方式は嘘ばかり。ルール違反を手伝うためにボランティアになったわけじゃない」とこぼす。

この女性は、選手村の裏口から一般のタクシーで出掛けていく関係者を何度も見ている。

彼女によると、ボランティア・ドライバーの中には2回目のワクチン接種を受けてない人もいる。

〇東京新聞2021年8月12日から抜粋

東京オリンピックの陸上女子1万mに出場した新谷仁美は、中盤すぎに周回遅れとなり、21位に沈んだ。

少なからぬ人々が望んでいないオリンピックだという、心の葛藤を抱えたままの走りだった。

新谷は言う。
「アスリートがどういう目で見られているか、街中を走ると痛いほど分かる」

世論の反対を押し切って開催されたオリンピックに、新谷は強い違和感を覚えていた。
「どういう意図で今年にやろうとしているか、(主催者側から)説明がない」

コロナ禍でスポーツ界と社会に溝が生まれている。

〇東京新聞2021年8月12日から抜粋

東京オリンピックの閉会式の日に、あの問題が再び表に出てきた。

「東京オリンピックを、日本の招致委員会がカネで買った」との問題である。

フランスの裁判所が、竹田恒和(招致委員会の理事長だった人)を捜査する手続きに入ってから、すでに3年が経過した。

この間に、裁判で竹田側の費用を負担してきた者が明らかになった。(8月8日付の朝日新聞)

それによると、竹田恒和には日本とフランスの弁護士チームがつき、2018年度は6千万円、19年度は1億円、20年度は4千万円のカネがかかった。

この費用のすべてを、JOC(日本オリンピック委員会)が負担した。

もし竹田が有罪となった場合、組織をあげて擁護しカネを出したJOCはどうなるのか。

なおリオ・オリンピックでは、BOC(ブラジルオリンピック委員会)の会長が、竹田と同様な問題ですでに逮捕されている。

〇しんぶん赤旗日曜版2021年8月22日号から抜粋

東京オリンピックは閉幕したが、NHKは開催中にBSを含めて約1230時間ものオリンピック放送をした。

1998年のソウル・オリンピック以来、IOC(国際オリンピック委員会)はビジネスとして、放送権料やスポンサーシップを肥大化させてきた。

NHKと民放キー局でつくる「ジャパン・コンソーシアム」は、2018年の平昌オリンピックと2020年の東京オリンピックの放送権料を、総額660億円で購入した。

その金額は、前回の冬夏オリンピックの1.8倍である。

谷口源太郎(スポーツ・ジャーナリスト)

「NHKも民放も、放送権料に見合う放送をする。

総額の7割を負担したNHKは、朝から晩まで東京オリンピックを放送した。

その結果、何が社会で起きているのか分からなくなった。」

NHKでは、定時の報道番組が削減されて、本来60分のニュースウォッチ9は15~30分に短縮された。

コロナウイルスの感染拡大が起きている中で、である。

新聞も、朝日・毎日・読売・日経の4紙が、東京オリンピックの「オフィシャル・パートナー」としてスポンサーになった。

谷口源太郎

「新聞は報道機関として、オリンピックの問題点を批判的に検証する役割がある。

だがスポンサーになっては、批判など出来るわけがない。

テレビ局には(新聞社にも)以前のような資金力はなく、高騰する放送権料を払うのは限界にきている。

この先のメディアの在り方を含めて、真剣な議論が必要です。」

〇東京新聞2021年9月3日から抜粋

東京パラリンピックの「学校連携観戦プログラム」に参加した千葉私立・貝塚中学校。

この学校で、コロナ感染のクラスター(集団感染)が発生している。

千葉市は「新たに教諭2人と生徒2人の感染が判明した」と発表した。
この教諭2人はプログラムには参加してなかった。

同校では、8月25日に幕張メッセに観戦に行き、その後に生徒を引率した2人を含む教諭6人の感染が判明した。

パラリンピック組織委員会は、外国選手の1人がコロナ陽性で入院したと発表した。

さらにパラ関係者の13人が、新たに陽性になったと発表した。

パラリンピックで判明したコロナ陽性者の累計は、282人に上っている。


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