(『韓国歴史地図』から抜粋)
近年の韓国は、グローバル化が進んでいる。
グローバルな市場競争は、新自由主義の論理の下で、資本を前面に押したてる、「無限の競争」を意味する。
またグローバル化は、実際はアメリカ中心であり、大国中心の世界秩序でもある。
貿易自由化の名の下に、ウルグアイ・ラウンド協定やWTOが創設され、貿易協定が進んだのは、これをよく示している。
韓国では、1980年代の後半以降、農産物市場の開放が加速して、ウルグアイ・ラウンドにより農業は危機に直面している。
工業では、市場開放の恩恵を享受できると期待された。
実際に、輸出は活性化した。
しかし、IT分野は今も、アメリカや日本の技術に依存している。
中国は、ほとんどの産業で韓国を圧迫している。
資本市場の開放により、外資系の銀行が進出・拡大しており、証券取引では外国人が占める比重が高くなっている。
1997年には、通貨危機に見舞われて、IMFの融資に依存せざるを得なかった。
この危機の後は、資本の開放がさらに進んでいる。
今や、外国資本は制限なく流入し、金融機関や大企業を支配する大株主になることも珍しくない。
一方で、文化の開放も急速に進行している。
禁止されていた日本のマンガ・映画・音楽も、解禁された。
しかし、国内の音楽・映画産業はむしろ活気を帯びており、海外へも進出している。
(2013.10.21.)