(『ナンバー2014年6/30臨時増刊号』から抜粋)
グループリーグの半分の戦いが終わった。
ここまでは、体格で劣ってもよく走り素早いパスワークを見せる、中南米のチームが好結果を残している。
日本が4年間積み重ねてきたのは、そういうサッカーだったはずだ。
だが日本は、ギリシャ戦でも攻めてはいたが、3人目、4人目と攻めるリスクを冒したサッカーではなかった。
1戦目(コートジボワール戦)と違い、ラインを高く保ち、プレスを掛けてボールを奪うことは出来ていた。
しかし、ドリブルの場面が目立ち、細かいパスワークで相手を翻弄するサッカーは出来なかった。
選手同士の距離が遠く、攻撃に連動がない。
大迫、大久保、岡崎は、それぞれ孤立していて、大久保の突破も単発に終わっていた。
本来は大迫の近くでプレーしなければならない本田は、ハーフライン辺りまで下がり、FW陣との距離が開いていた。
そのため、日本らしい流れるような細かいパスが出なかった。
後半の頭から長谷部に代えて遠藤を投入したのは、リズムの悪さを修正しようと考えたからだろう。
だが、中盤にリズムは生まれたが、そこから先は改善されないままだった。
後半12分に香川を投入したが、交代したのは大迫だった。
大迫は懐が深いので、味方を待つプレーができる。
彼を残して岡崎を代えた方が、攻撃に幅が生まれたような気がする。
後半になると、ギリシャは完全に引き分けを狙って、守りに入った。
そのギリシャを崩すための、連係もアイディアもチャレンジも無い。
後ろからの崩しも、ダイレクトプレーも無いので、ギリシャは10人でも守りやすかったのではないか。
(2014年11月14日に作成)