サッカーの八百長の話
ベンゲルとボロは八百長と闘った

(以下は『ZONE 2014年4月号』から抜粋
2014年9月12日に作成)

アーセン・ベンゲルは、イングランドの名門チームであるアーセナルの栄光のために情熱を注いできた、サッカーの名監督だ。

彼の活躍には、ボロ・プリモラツの陰ながらの貢献が見逃せない。

ボロ・プリモラツは、アーセナルのトップチームのコーチをしている、ボスニア生まれの指導者である。

名古屋グランパス時代から、ベンゲルの右腕を担ってきた。

ベンゲルの代わりに選手とコミュニケーションを重ねて、不満やトラブルの芽を摘むのが、ボロの重要な仕事である。

ベンゲルは、「私の練習だけをやっていれば上達する」と言い、若手以外には居残り練習を許さない。

そんな厳粛な指揮官とは180度異なる気さくな態度を、ボロはする。
そしてチームの雰囲気を明るくするのだ。

ボロには、対戦相手のスカウティングという大事な役割がある。

対戦相手の戦術や選手の特徴を徹底的に研究する。

アーセナルのGKコーチをしていたボブ・ウィルソンは、こう証言する。

「ボロは、フットボール界の生き字引だ。
どの選手のことを聞いても、身長から利き足まで知っているのだから。」

ベンゲルとボロは、欧州を揺るがした巨悪と闘った過去がある。

1993年に、フランス1部リーグのヴァランシエンスの監督だったボロは、DFのジャケス・グラスマンから「オリンピック・マルセイユから八百長を持ちかけられている」と相談された。

ボロは告発するようにアドバイスした。

この八百長を主導していたのは、ベルナール・タピだった。

タピは欧州王者だったマルセイユの会長で、都市担当大臣を務める政治家だった。

タピに反旗をひるがえした結果、ボロへの嫌がらせは想像を絶するものとなった。

ボロは、「フランス・スポーツ界の裏切り者」という誹りを受けた。

ASモナコの監督をしていたベンゲルは、ボロの行動を公にサポートしたため、同じ非難を受けた。

ベンゲルは当時を振り返って、こう言う。

「規則を無視する人間と闘っていたから、我々は非常に難しい時期を過ごした。

八百長や不正を受け入れてはいけない。
それはスポーツにとっての死を意味する。

ボクシング界の現状を見れば、それは明らかだろう。」

捜査の末、ベルナール・タピは懲役2年となり、マルセイユは2部降格となった。

この事件を通して、ベンゲルとボロは固い絆で結ばれたのである。

(以下は『フットボリスタ 2011年6月29日,7月6日合併号』から抜粋
2024年6月27日に作成)

イタリアの2部リーグであるセリエBで、2010-11シーズンに36試合で不正の疑いがかかり、選手を含めて16人が逮捕される八百長事件となっている。

セリエBで優勝したアタランタは、昇格を取り消されるかもしれない。

アタランタのキャプテンのクリスティアーノ・ドーニは、マフィアと選手の間で口利き役をした容疑者となっている。

容疑者たちは、「アタランタはクラブぐるみで八百長をしていた」と証言している。

同じく八百長を疑われているピアチェンツァは、3部降格が決まり、ガリッリ会長は来シーズンに3部リーグに登録しない意向を示した。

今回の八百長は、元スター選手のジュゼッペ・シニョーリも容疑者だ。

イタリアでは、1998年にサッカー賭博が政府公認となった。

2006年からは、選手や監督が賭けるのは禁じられた。

イタリア代表・正GKのブッフォンは、友人を介して賭けていたのが発覚したが、2005年までだったと主張して無罪となった。

他にもアンドレア・ピルロが、かつては賭けに熱心だった。

ちなみにイングランドでは、自チームでなければ賭博をしても大丈夫だ。

マイケル・オーウェンとウェイン・ルーニーは、ギャンブル好きで、年に200万ポンド(2.6億円)も負けたと言われている。

(以下は『AFPBB News』2026年1月29日配信から抜粋
2026年2月2日に作成)

1100万ドル(約17億円)相当の賄賂を受け取ったとして、中国サッカー協会(CFA)の会長だった陳戌源は終身刑が言い渡された。

CFAは29日に、李鉄・元中国代表監督を含む73人に対し、永久追放処分を科した。

さらに八百長などの不正行為を行った、プロリーグに参加する13クラブにも、勝ち点剥奪や罰金を命じたと発表した。

近年、中国サッカー界では大規模な反腐敗運動が展開され、プロサッカー界にはびこる不正の実態が明らかになった。

これまでにCFAの複数の幹部が職を追われ、数十人の選手が八百長やギャンブルのために出場停止処分を受けた。

2019年から2021年まで中国代表を率い、現役時代にはイングランド・プレミアリーグのエバートンでプレーした李鉄は、2024年12月に収賄罪で20年の懲役刑を言い渡され服役中だ。

中国トップリーグ(CSL)の2025年シーズンに参加した16クラブのうち、11クラブにも勝ち点剥奪と罰金の処分が下された。

天津津門虎と昨シーズンの準優勝チームである上海申花には、2026年シーズンの勝ち点10剥奪と罰金100万元(約14万4000ドル)という最も厳しい処分が下された。


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