(『2018年6月29日の毎日新聞』から抜粋)
2018年ロシアW杯は、グループ・リーグの全試合が終わった。
驚いたのは前回王者のドイツが、F組で最下位になったことだ。
ドイツは最終戦となった対韓国も、0-2で負けた。
ドイツは、現行制度になってからはグループ・リーグでの敗退は初めてである。
ドイツ代表は、昨年のコンフェデ杯では主力を温存しながら優勝した。
しかし今大会では3試合で2得点に終わった。
負ける予兆はあった。昨年10月以降、6度の親善試合で勝ったのは1度だけだった。
前回の優勝国がグループ・リーグで敗退するのは、今回のドイツで3大会連続となった。
(『しんぶん赤旗日曜版2018年7月8日号』から抜粋)
日本代表は、2018年ロシアW杯のグループ・リーグ第3戦で、ポーランドと対戦した。
この試合で日本は、0-1の負けている状況で、残り10分間、ベンチ(西野朗・監督ら)の指示で時間稼ぎのボール回しをした。
これは勝ち点や得失点差を計算したもので、16強に進出するためとはいえ、得点や勝利を目指すことなく時間を費やした。
国際サッカー連盟には、「フットボール行動規範」があり、サッカーの憲法と言われている。
この行動規範の最初の項目に、「勝つためにプレーする」がある。
日本代表の行動は、スポーツの精神や、スポーツの原則に反するものだった。
だからこそ客席からブーイングが止まず、世界の人々から批判されたのである。
〇村本尚立のコメント
ポーランド戦における日本代表の卑怯かつ弱気な振舞いと、その後にあった日本サッカー界の関係者による「あの自陣でのボール回しは、勝つための戦術であり、正しいものだった。問題はない」という擁護発言の山は、私にとって本当にショックでした。
これを機会に、日本代表・男子の試合を観ることが減り、今では全く観なくなりました。
2018年W杯のポーランド戦における、負けた状況での自陣でのボール回しは、日本サッカー史上の黒歴史でしょう。
おそらくこの試合は、2度とまともに放送される事はないです。
日本代表が決勝トーナメントに進出を決めた試合ですが、日本サッカー界は無かった事にし続けると思います。
この試合での日本代表の恥ずかしい振舞いを、勝つための良い選択だったと褒める者はかなり居たのですが、その1人が湘南ベルマーレの曺貴裁・監督でした。
私は小田原に住んでいて、湘南エリアの近くなので、湘南ベルマーレを応援していて、曺貴裁・監督の闘うサッカーと熱い指導を高評価していました。
だから、曺貴裁がポーランド戦のボール回しを「勝つための戦術として正しかった」と肯定した時、すごく残念でしたね。
その後、湘南ベルマーレにおいて、曺貴裁・監督のパワハラが告発され、彼は辞任し謹慎生活に入りました。
「ああ、なるほど。彼は勝利至上主義に毒され、おかしな思想にとらわれていたから、ポーランド戦の負けている状態での自陣ボール回しを肯定したのか」と納得しましたよ。
ちなみに湘南ベルマーレは、その後にライザップに買収されてしまい、それまでの市民チームの雰囲気が無くなってしまいました。
大企業のカネが入ってないのに、Jリーグやカップ戦で存在感を示す、そこが湘南ベルマーレの魅力だと思っていたので、これも私にとって本当に悲しい出来事でした。
結果的に、それ以降はJリーグも全く観なくなりました。
(2022年11月21日に作成)