(『ナンバー2014年6/25臨時増刊号』から抜粋)
日本は、ゲームの入り方は悪くなく、リスク管理をして16分には先制点を取った。
直前のテストマッチが、前半の戦いぶりには活かされていた。
前半を1-0で折り返した要因に、最終ラインの押し上げが挙げられる。
象徴的なのは34分で、失点しかねない場面だったが、日本は(ラインを上げて)ボニーをオフサイドポジションに置き去りにした。
自陣でとはいえコンパクトさを意識する事で、守備で互いがサポートできる距離感が保たれていた。
しかし後半に入り、62分にドログバが登場すると、最前線でボールを収められて、DFラインの押し上げがままならなくなっていく。
吉田と森重の両CBが警告を受けていた事も、ドログバへの対応を困難にしたのだろう。
日本の2つの失点は、どちらも右SBのオーリエのクロスボールからだった。
そして、彼にはプレッシャーが掛かってなかった。
香川と長友のいる左サイドを執拗に攻められ、日本は攻撃の要である「左サイドからの崩し」も封じられてしまった。
コートジボワール戦に似た失点は、ザンビアとのテストマッチでも見られた。
立て続けにゴールを許すのも、同じくレシフェを舞台にしたコンフェデ杯のイタリア戦で見た。
世界の強豪との対戦ではお馴染みのパターンで、準備不足では片付けられない。
前半終了時のボールポゼッション率は、43対57だった。
後半途中には、41対59にまでなった。
コートジボワールのシュート数は20だが、日本はわずか7だ。
得点シーンを除いた日本の決定機となると、20分の内田のシュートしかない。
日本は主導権を握れず、長所にしている敏捷性と連動性が出せなかった。
ザッケローニ監督の戦術も効果的ではなかった。
疑問符がつくのは、後半のシステム変更だ。
大迫に代わった大久保は、そのまま1トップに入ったが、ほどなくして2列目の左へ下がり、本田が最前線へ上がった。
そして柿谷の投入後は、本田はトップ下に戻った。
度重なる配置の変更は、ピッチ上に混乱をもたらしていた。
(2014年11月6日に作成)