(『毎日新聞2014年6月17日』から抜粋)
初戦のコートジボワール戦で敗れた日本代表だが、出場した長友佑都は「(その夜は)悔しくてなかなか寝れなかった」と言う。
左サイドでホットラインを形成してきた香川真司と、改善策を模索していると言う。
日本代表は、この2人で左サイドを崩す「必勝パターン」がある。
しかしコートジボワール戦では2人は押し込められて、自陣から出られなかった。
長友は、「真司はDFラインに吸収される時もあったし、守備で動く分、前に行く体力はなかった。相手の戦術に完全にはまった」と反省を述べた。
(『毎日新聞2014年6月19日』から抜粋)
日本代表はギリシャとの第2戦に向かうが、攻撃で有効なのは裏への抜け出しで、大久保嘉人がポイントになりそうだ、
初戦のコートジボワール戦では、大久保は逆転された直後の後半22分から出場したが、試合後にこう語った。
「もっと攻撃に行ってもよかった。
俺が(代表に)加わってからの(強化試合)3試合とは、全く違う(ダメな)チームになっていた。」
ギリシャ戦について大久保は、「ギリシャは激しく当たってくると思うので、スピーディにパスを回してどう裏に抜けるか」と話す。
(『ナンバー2014年6/25臨時増刊号』から抜粋)
三都主
「(僕が出場した)2006年W杯の初戦(オーストラリア戦)の逆転負けについては、気持ちの面ではなく、終盤に足が止まってしまった事が敗因です。
相手のリズムに対応できず、どんどん下がってしまって、一番恐れていたパワープレーに持ち込まれてしまったから。」
今回のW杯で対戦するギリシャも、パワープレーを仕掛けてくる事が予想される。
対策はあるのだろうか。
三都主
「パワープレーをされたら日本は難しいので、その展開は絶対に避けたほうがいい。
僕らがいけなかったのは、1点リードした後に、2点目を取るチャンスを生かせなかったこと。
もっとボールを回して、オーストラリアの選手を走らせるようにすべきだった。
パワープレーをさせないゲーム運びに持っていく事が、一番大事だと思います。」
○ 村本尚立のコメント
ギリシャ戦では、前半の日本は相手に前線からプレッシャーを掛けて、1人を退場に追い込むなど、素晴らしい対策を見せたと思います。
ギリシャは日本の圧力に押されてしまい、全体を押し上げられず、パワープレーに持ち込めませんでした。
しかし後半になり、ギリシャがどん引きの守備重視の戦いを始めると、状況が変わります。
日本は攻めあぐねてしまい、攻撃は単調かつ緩慢になり、サイドからの単純なハイ・ボールによるセンタリングに頼るばかりで、ギリシャに守備面でパワープレーをさせてしまいました。
つまり日本は、ギリシャのパワープレーによる攻撃は封印したのですが、守備面でのパワープレーは封印できず、相手に合わせた戦いをしてしまったのです。
後半の日本は、数多くのパスを回しましたが、頭脳的なボール回しではなく、相手に合わせた消極的なものでした。
もっと頭脳的にプレイして、相手の嫌がるように(疲れるように)ボールを運んでいたら、最後には得点を取れたのではないでしょうか。
ボールを回して相手を疲れさせよう、と考えたところまでは良かったんですけどねー。
最適な場所(得点の匂いのする場所)にボールを運び続ける事はできなかったし、サッカーIQや戦術眼が足りなかったと思います。
(2014年11月9日に作成、2022年11月21日に加筆)