(以下は『サッカー・マガジンZONE 2016年4月号』からの抜粋
2026年3月8日に作成)
以下は、コンサル業をする松村卓朗のリーダー論である。
民間企業のリーダーは、一昔前は「けん引型」という、先が見通せて意欲旺盛で周りを引っ張るタイプが求められた。
しかし今は不確実性が高い世の中で、先を見通せないし、引っ張れない。
だから1人1人の知恵や力を引き出すリーダーが主流になってきた。
リーダーは大きく分けると5種類ある。
このうち「けん引型」が2つを占める。
けん引型は、先見力で先頭に立つ「洞察型」と、 強い意欲と実行力でけん引する「達成型」に分けられる。
サッカーの監督で言うと、オシムは洞察型で、オフトや長谷川健太が達成型だ。
リーダーの3つ目は「人格型」だ。
これは先頭に立つよりも上から見守るタイプで、周囲と群れず、良し悪しをはっきり示す。
サッカーの監督だと、岡田武史はこのタイプだ。
4つ目は「触媒型」で、自分を触媒として周囲の関係を築く。
皆が気持ち良く力を発揮するよう腐心し、そういう場を作るタイプである。
ザッケローニ監督はこのタイプだ。
5つ目は「奉仕型」で、自分よりもメンバーたちが主役と考え、メンバーの自主性を重んじるタイプだ。
なでしこジャパンの佐々木監督や、森保一監督がこのタイプだ。
最近のリーダーは、より多様性を求められている。
1人1人の考えや意欲が重視される社会になってきたからだ。
だから「触媒型」や「奉仕型」が注目されている。
あと最近は、社会貢献への意欲が強いリーダーが人気である。
自分の組織の拡大のみではなく、より良い世の中に変えるビジョンを持つリーダーの人気が高まっている。
最近になって強く求められ始めたリーダーシップの1つが、対話の促進である。
良い組織に仕上げるには、話し合いの混乱期があるべきで、それを避けてはいけない。
リーダーは話し合いの重要性を理解して、議論を交わす場をつくるべき。
ガンバ大阪でキャプテンをする遠藤保仁・選手は、「全ての人がリーダーシップを発揮しないとサッカーにならない」と言っていた。
地位や権力で人を従わせるのは、限界がある。
真のリーダーになるには、周りの人からリーダーと認められるしかない。
リーダーシップとは、自分の中にある何かで周りに影響を与え、周りが付いてくることだ。
リーダーは「内省すること」で自分と向き合い、自分がどう周りに影響を与えることができるかを見つめることが大切だ。
それぞれの人が色んなリーダーシップを持っており、その時々に必要なリーダーシップをそれぞれが発揮するのが大切である。