森保ジャパンの5バックに対する批判

(ネットにあがった杉山茂樹さんの2023.9.15.の記事から抜粋)

(以下は『サッカーの競技性、歴代の日本代表と5バックとの関係。それでもなお、森保監督は維持するつもりか』という杉山茂樹さんの記事の抜粋です。

とても共感できる内容なので、ここに書いておきます。)

日本男子代表(森保ジャパン)は、親善試合でドイツに4ー1で勝利した。

だが筆者は、後半から見せた5バックの守備的なサッカーに賛同できない。

2002年の日韓W杯の時は、日本代表はグループリーグの突破が至上命題だった。

そこでトルシエ監督は、5バック同然の守備的なサッカーをした。

これは「フラット3」と称されたが、フラット5と同然だった。

2001年4月にスペインと試合した時、トルシエ監督は試合前に「フラット5」と宣言し、ひたすら守り通した。

この試合は0ー1で負けたが、スペインの記者から「日本はスペインまで守りを固める練習に来たのか」と皮肉られた。

トルシエの次のジーコ監督の時代は、5バックとブラジル式の4バックの併用だった。

ジーコの次は2006年にオシムが監督になったが、オシムは5バックで守ろうとするサッカーを「監督の保身。それはチームではなく、自らを守るための戦術だ」と斬って捨てた。

イタリアのアリゴ・サッキ監督が1980年代後半に始めた「プレッシング」というサッカー・スタイルは、最終ラインを高く保ち、できるだけ高い位置でボールを奪うことを目指すものだった。

これは、1974年のW杯でオランダ代表が見せた「トータル・フットボール」の延長線上にあるスタイルだ。

プレッシングは、日本では導入が大幅に遅れた。

これは代表監督が5バックになりやすい守備的なサッカーをしていたからだ。

現在の森保監督も、まだ5バックを使っている。

だが日本代表が強くなってきた今、5バック同然の3バックは姑息な手段に見える。

先日のドイツとの親善試合では、日本が5バックに布陣を変更した瞬間、試合がつまらなくなった。

代表監督は、その国の規範となるサッカーをする必要がある。

なぜなら国内リーグや学生リーグで、代表の戦い方が真似されるからだ。

強豪国と高い位置からぶつかり、バチバチと撃ち合うことが、日本や世界のサッカー・ファンから「攻撃的で面白いね」と歓迎される道ではないのか。

(2023年12月30日に作成)


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