DFの話

(以下は『サッカーマガジンZONE 2014年2月号』から抜粋)

○ハビエル・サネッティ

1995年にセリエAの名門インテルに加入した時、サネッティは22歳だった。

練習でパス交換のパートナーになった10歳年上のベルゴミは、サネッティの技術を見て驚愕した。

ベルゴミは言う。
「ボールが足に吸い付いていた。この男はインテルで歴史を作ると確信した。」

サネッティの長所の1つは、スタミナだ。

セリエAの若手たちは、サネッティと対戦すると何キロ走ろうが呼吸が乱れないのに愕然とさせられる。

そして「超人だ」と畏怖し始める。

インテルで長く主将をつとめてきたサネッティは、これまでインテルで19人の監督に仕えてきた。

サネッティが2013年10月に出した自伝では、歴代の監督について率直に述べている。

リッピ監督が率いた2000-01シーズンは、インテルは初昇格のレッジーナに開幕戦で負けた。

激昂したリッピは、「私が会長ならば、監督と選手を全員クビにする」と言い放った。

実際にリッピはクビになった。

サネッティは、「リッピの発言はかなり癪にさわった。選手たちに対して、あの言い草はない」と書いている。

タルデッリ監督についても、「歴代最低の監督だと思う」と手厳しい。

監督の采配に迷いがある時、サネッティ主将は、同胞(同じアルゼンチン人)のカンビアッソ選手と共に、自主的に戦術や布陣の修正を行ってきた。

マッシモ・モラッティ会長らは、そんなサネッティのプロ精神を信頼してきた。

インテルは2013年秋に、経営権をインドネシア資本に売り、43歳の大富豪エリック・トヒルが会長になった。

サネッティは主将を続けているが、2013年4月の左アキレス腱の断裂から復帰したばかりだ。

今季の終了後、クラブと引退するか話し合う予定だ。

(2024年6月10日に作成)


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