(以下は『週刊サッカーマガジン 2008年1月22日号』から抜粋)
○北澤豪の話
僕は高校時代、異端児でした。
当時は、高校選手権はサッカーファンにとって頂点の大会で、日本リーグよりも注目されてました。
(※まだJリーグが無い時代の話である)
僕はその事を「どうなのかな」と疑問に思ってました。
僕は中学時代、読売クラブのジュニアユースに所属してましたが、父の転勤で読売でのプレーをあきらめて、修徳高校のサッカー部に入ったのです。
でも読売で良しとされた足技や横パスの遊びが、部活動では否定されました。
横につなぐと「縦に急げ」と怒られ、浮き球でパスをすれば「転がせ」と怒られるのが不満でした。
僕は「読売は日本一のチームで、そこのユースにいた」というプライドがありました。
(※読売クラブは、社会人のクラブの中でも強いチームだった)
だから高校サッカー部の人達と仲良くなれませんでした。
サッカー部の皆が、寄せ書きに「打倒帝京」と書いても、「最後の目標が帝京高校を倒すことなのか?」と思ってました。
僕は高2の途中までは、サッカー部に友達がいませんでした。
でも同じ時間を共有するなかで、ようやく「皆が高校選手権を目指すなら、僕もそこに乗っかる」と思えました。
僕にとっての最終目標は、高校選手権ではありませんでした。
志を高く持つのであれば、高校選手権は最後の舞台にはなりません。
(2024年6月26日に作成)