(『アルジェリアを知るための62章』から抜粋)
アルジェリアの3386万人の人口のうち、80%がアラブ人で、20%がベルベル人である。
「ベルベル人」は、北アフリカの先住民を指す言葉である。
ベルベルとは、「野蛮な言葉を話す人々」を意味するギリシャ語で、ローマ人がアルジェリアに侵入した際に、そう呼んだらしい。
彼らは、「自由人」を意味する「アマズィグ」と呼ばれることもある。
北アフリカの民族文化の多くは、ベルベル人を起源としている。
アラブ人(アラビア語を話す人々)は、7世紀のイスラーム軍による征服以後、長い歴史を経て北アフリカに定着していった。
ベルベル人をルーツに持つ、現代の北アフリカのアラブ人は、非常に多い。
現在にベルベル人と呼ばれる人々は、ベルベル語を母語とする人々である。
ベルベル人の政治機構には、2つの類型がある。
1つは「階級制の政治」で、貴族・宗教人・従属者・奴隷の階級に分かれている。
もう1つは「評議会の政治」で、代表者が評議会を構成し、立法・司法・行政を担う。
アルジェリアのアラブ人とベルベル人の大多数は、イスラム教スンニ派のマーリク法学派に属している。
他には、ハワーリジュ派の流れを引くイバード派や、ハナフィー法学派も存在する。
ユダヤ教徒もかつては居たが、フランスから独立した後に、ほとんどのユダヤ教徒はフランスやイスラエルに移住した。