(『コロンビアを知るための60章』から抜粋)
コロンビアでは内戦が長く続いているため、国内避難民は370万人以上もいると言われている。
その多くが、貧しい農民、黒人、先住民などの、富の分配から排除されてきた人々である。
なお、コロンビアの国内避難民には、自然災害の被害者は含まれていない。
総人口は4550万人なので、8%ほどの人が避難民になっている。
コロンビアは、スーダンに次いで世界で2番目に国内避難民が多い。
だが、難民キャンプは無い。
難民たちは、大都市に来て、物乞いをしたり政府の支援を受けたりしている。
国内避難民は、1985年頃から深刻化していたが、政府が具体策を検討するようになったのは95年からである。
97年に法律第387号が発布されて、具体的な支援に取り組むことになった。
それまでは、政府の支援は全くなかった。
2004年にコロンビア憲法裁判所は、「政府が必要な支援を行っていない事は、憲法違反だ」と判決を下した。
従来は、国内避難民は身分を明かすことで命に危険が及ぶこともあるため、インタビューでも顔を隠したりする事があった。
近年は、表に出るリーダーも出てきている。
(2013年6月11日に作成)