(『コロンビアを知るための60章』から抜粋)
コロンビアにいるアフリカ系の人は、2005年時点で426万人で、人口の10.5%を占めている。
別の調査だと、780~1160万人だという。
彼らは、太平洋沿岸、大西洋沿岸、都市部、に集中して居住している。
16世紀に、スペイン人たちによる虐殺と酷使で、コロンビアの先住民は激減してしまった。
そこで、労働力として連れてこられたのがアフリカ人だった。
アフリカ人は主に、鉱山労働やサトウキビ栽培に従事されられた。
16世紀後半以降は、逃亡によって自由を手にするアフリカ人が現われ始めた。
彼らは「シマロン」と呼ばれ、逃亡先で「パレンケ」と呼ばれる小規模な居住地を形成した。
このため、アフリカ系の人々はしばしば、「パレンケロ(パレンケの人々)」と呼ばれる。
スペイン植民地の政府は、パレンケを放置することも多く、1691年のスペイン国王の勅令では、逃亡奴隷に自由さえ認めている。
18世紀末になると、コロンビア生まれのアフリカ系人口が増加して、奴隷の輸入は減少した。
また、人口の増加で「奴隷の取引価格」も下がった。
1851年に、政府は奴隷制の廃止を決めた。
奴隷を使用していた人々には補償金が支払われたが、奴隷だった人々には何の補償もなかった。
この後、アフリカ系の人々は、各地へ拡散していった。
現在、先住民たちは全国組織を運営しているが、アフリカ系住民たちは全国組織を持っていない。
(2013年6月21日に作成)