(『コロンビアを知るための60章』から抜粋)
コロンビアの首都ボゴタは、2010年時点で800万人の人口を擁する大都市である。
ボゴタへの人口集中は、1980年代から始まった。
現在は一大経済都市だが、スペイン植民地だった時代には行政管理都市だった。
行政都市として不動の地位を築いたのは、ヌエバ・グラナダ副王領の首府となった、18世紀以後のことである。
19世紀末までは、コロンビアの主産業は金などの採掘だった。
ボゴタは、金や銀の交易の中継地として栄えた。
全国の金銀採掘には、「5分の1税」が課せられて、ボゴタ市にその納税所が設けられたためである。
ボゴタが急激に都市化したのは、1950年代以降である。
人口増加率は、1951~64年にピークを迎えた。
その理由は、幼児死亡率の低下と、内戦による避難民の増加だった。
他にも、工業化の進展、女性の労働市場への進出などもあった。
現在は、ボゴタ、メデジン、カリ、バランキージャの4大都市に、総都市人口の4割以上が集中している。
総人口4500万人のうち、800万人がボゴタに住んでいる。
ボゴタの人口のほぼ半分は、外部から流入していきた人である。
ボゴタに住む国内避難民は、2007年時点で60万人を超えているという。
07年以降は、住宅建設ラッシュが続いている。
(2013年6月21日に作成)