(『コロンビアを知るための60章』から抜粋)
コロンビアへのコーヒーの伝来は、18世紀末~19世紀初頭とされる。
コーヒーが輸出品として確立したのは、20世紀初頭だった。
コロンビアで生産されるのは、高級種とされる「アラビカ種」である。
コロンビアは数年前までは、ブラジルに次ぐ世界第2位の輸出大国だった。
1980年代には輸出の5割弱をコーヒーが占めていたが、現在は10%台となった。
「コーヒー危機」を経て、政策転換を強いられている。
コーヒーは、国際コーヒー協定の「経済条項」によって、生産と輸出量との調整が働いていた。
しかし、1989年6月にこの条項が停止された。
すると、90年代はコーヒーの国際価格が市場メカニズムによって暴落した。
そして、「コーヒー危機」となったのである。
コロンビアの『全国コーヒー生産者連盟(FNC)』は、「価格保証制」をとっていたが、暴落に対応できず、2001年1月に「自由価格制」への移行に踏み切った。
同時に大幅な人員削減も行い、FNCはピーク時の3分の1の規模となった。
コーヒー生産のコストは、人件費が7~8割に相当する。
コロンビアでは伝統的に、コーヒーの収穫は手摘みで行い、それが高品質につながっている。
価格保証制が廃止されたことにより、農家の二極化が促進され、企業経営に収斂されることが懸念されている。
(2013年4月3日に作成)