(『コロンビアを知るための60章』から抜粋)
コカとは、南米原産の常緑の小低木である。
19世紀半ばに、コカの葉に含まれるアルカロイドから、コカインの精製に成功した。
コカインは、やがて麻薬として流通し始めた。
2009年にコロンビアは、世界のコカイン生産の51%を生産した。
コカの栽培地の半分が、コロンビアに存在している。
コロンビアは、多くの先住民がコカを利用してきたペルーやボリビアとは異なり、昔からのコカ生産国ではなかった。
コカインビジネスが盛んになった1980年代でさえ、ペルーやボリビアのコカが密輸入されて、それがコロンビアでコカインに精製されていた。
1990年代後半に政府の取り締まりで密輸入が途絶えると、国内でのコカ栽培が急増した。
コカは、最初の葉の摘み取りまで8ヶ月を要し、その後は年間に2~6回の収穫ができる。
コカには、数多くの品種がある。
コカ栽培は多くの人の手を必要とするため、賃金労働者が欠かせない。
収穫されたコカの葉は、ガソリン・石炭・アンモニアなどを使って、コカ・ペーストへと加工される。
コカ・ペーストからコカインへの精製は、精密な加工プロセスを必要とするため、農村では行われない。
コカ対策は、大きく2つに分かれている。
一つは「除草剤の飛行機による散布」である。
これは、環境破壊をまねいている。
もう一つは「農家のコカ放棄を促すプログラム」である。
これは、代替作物を導入できるように支援をするものだ。
(2013年4月3日に作成)