(『プーチン 人間的考察』木村汎著から抜粋)
ロシアでは、最高指導者はほとんど万能に近い。
この特徴は、帝政期から現在までほぼ一貫している。
ロシアの歴代指導者は、法律によって拘束される事がなかった。
これは別の言葉で言うと、『未だに政治の制度化が進まず、公式のルールが確立していない。思い切って言うと、制度や法を尊重しようとする精神がない』のである。
エリツィン大統領もプーチン大統領も、国会や国民の意向を無視し、気まぐれな準独裁の統治を強行して、一向に恥じるところがない。
有権者と議会は、それに強く抗議しない。
エリツィンは己の後継者を探す時に、1年半足らずの間に4人もの首相の首をすげかえた。
プーチンが後継者を選んだ時も、誰にも相談することなくメドベージェフに決めた。
国民の一部は抗議の集会やデモをしたが、効果は上がらなかった。
(2017年4月7日に作成)