(『世界がわかる!』から抜粋)
現在では、マカオのカジノ収入は、ラスベガスを抜くまでに成長している。
中国に返還された後も、カジノは増え続けている。
2006年9月にオープンしたカジノ「ウィン・マカオ」は、ラスベガスのカジノ王であるスティーブン・ウィンが建設した。
他にも、ラスベガスの会社がいくつも進出している。
今やマカオは、アメリカ資本を抜きには考えられない。
返還前のマカオは、スタンレー・ホーが12のカジノを独占営業していた。
しかし返還後の2002年に、マカオ自治政府はカジノに外資の導入を認めた。
その結果、ラスベガスから資本が流入して、07年には総収入がラスベガスを上回った。
マカオの成長率は、年20%という異常な好景気となった。
2005年にマカオを訪れた観光客は、1871万人である。
そのうち1046万人は、中国本土からの客だった。
マカオ自治政府の税収は、7割がカジノからである。
カジノは、マネー・ロンダリングに利用される。
汚れた金を持ち込んで、カジノのチップに替え、少し遊んで現金に戻す。
そしてカジノに預ける。
カジノは銀行に預金をして、汚れた金は洗浄されてマカオの銀行に入る、こういう仕組みである。
北朝鮮は、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」を、秘密資金の口座として利用していた。