(以下は『世界の紛争 イスラム・アメリカ対立の構図』から抜粋)
アフガニスタンには、北東から南西にかけて、非常に大きな山脈が走っている。
そこでは一番低い峠でさえも、標高3000mを超える。
首都カブールのある北部は、標高6000mの山岳地帯である。
かつてアフガンを支配していたソ連は、1964年にサラン・トンネルを造り、アフガンの南北をつないだ。
しかし1990年代の中頃にトンネルは爆破され、不通になってしまった。
再び開通したのは、2002年1月20日のことである。
アフガンは、大山脈が横たわっているため、南部と北部では地質的にも民族的にも大きく異なっている。
アフガンでは人口調査が行われていないため、人口の正確な数字は分からない。
アメリカのCIAは、2000年時点で2500万人としている。
一方、国連は2000万人としている。
CIAによると、パシュトーン人が人口の38%を占め、最大の民族となっている。
パシュトーン人は、アフガン南部に住んでいる。
次に多いのはタジク人で、25%を占める。
タジキスタンは、アフガンの北東にある。
アフガンは北東部が飛び出たような形をしており、タジキスタンに食い込んでいる。
その地域は、ほとんどがタジク人である。
3番目に多いのはハザラ人で、19%を占める。
ハザラ人は、バーミヤンの高原に住むモンゴル系の民族。
4番目に多いのは、ウズベク人で6%。
アフガニスタンは、12の民族、20の言語がある、多民族国家だ。
(2013年4月3日に作成)