(『世界の紛争イスラム・アメリカの対立』から抜粋)
部族社会とは、血縁および地縁で結びついている社会を指す。
アフガニスタンは部族社会のため、国家としてまとまっていく力が弱い。
アフガンには、一度も強力な中央集権国家はできた事がないと言われている。
アフガンでは、部族が各地にばらばらに散在している。
同じパシュトーン人でも、西部のパシュトーン人は「ドゥーラニ」、東部のパシュトーン人は「ギルザイ」と、呼び分けられている。
かつてアフガンを支配していたタリバンは、ドゥーラニが主体であった。
同じパシュトーン人でも、統一感を保持しているわけではない。
アメリカは、ザヒル・シャーがドゥーラニ・パシュトーン人であるから、タリバン後のパシュトーン人をまとめる事ができると考えた。
ザヒル・シャーは元アフガン国王で、1933年11月から40年間もアフガンを治めた。
しかし、73年7月のクーデターにより、イタリアに亡命した。
ザヒル・シャーはかつて、パシュトーン人の国家『大パシュトーン』を創ろうとしていた。
このため、北部同盟から支持されていない。
(2013年4月4日に作成)