タイトルイスラエルの侵略行為、ガザ地区を攻撃

(以下は『毎日新聞 2012年11月16日』から抜粋)

2012年11月14日にイスラエル軍は、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」のトップ司令官を殺害した。

これにより、ガザ地区の緊張が高まっている。

ハマスはイスラエルにロケット弾を放っているが、イスラエル軍は空中で迎撃している。

イスラエル軍は、ハマスの軍事施設などを攻撃している。

(以下は『毎日新聞 2012年11月17日』から抜粋)

イスラエル軍は11月14日以降、パレスチナ・ガザ地区の少なくとも450ヵ所を空爆した。

パレスチナ人の死者は21人となった。

ハマスは約280発のロケット弾で反撃している。

この反撃では、イスラエル最大の商業都市テルアビブの海にも着弾した。
2008~09年にイスラエルがガザを攻撃した際は、ガザからの反撃はテルアビブには及ばなかったので、ハマスの軍事力強化が実証された形だ。

エジプトのカンディール首相がガザ入りした。

エジプトのモルシ大統領は、ハマスの源流であるムスリム同胞団の出身で、パレスチナ寄りだ。

とはいえモルシ政権は、1979年にイスラエルと結んだ平和条約は維持する方向。

(以下は『毎日新聞 2013年3月15日』から抜粋)

リクードの党首であるネタニヤフ首相は、3党との連立政権を組むことで合意した。

パレスチナ国家の樹立に反対する「ユダヤの家」が、連立政権に加わる。

1月の総選挙で第2党に躍進した中道新党の「イエシュアティド」と、中道新党の「ハトヌア」も加わる。

この4党で国会の定数120議席のうち、68議席を占める。

(以下は『週刊文春 2023年11月16日号』から抜粋)

パレスチナのガザ地区は、イスラエルによって2007年から封鎖されてきた。

2023年10月に、ガザ地区にイスラエル軍が侵攻し、ガザ保健当局によるとすでに1万人以上の死者が出ている。

この侵攻は、イスラエルで2022年に極右の第6次ネタニヤフ政権が発足したことも影響している。

侵攻の前、パレスチナのガザ地区は、種子島ほどの面積に230万人が暮らしていた。

ジャーナリストの藤原亮司が解説する。

「2002年にガザの人口は150万人と言われていたから、20年で80万人も増えている。

失業率は8割で、娯楽もなく、地区内に自前の発電機は1つしかなくて、1日に4時間しか電気を使えない。」

テルアビブ大学のダニエル・バータル名誉教授は、次のように解説する。

「イスラエルは2020年に、UAE、バーレーン、モロッコ、スーダンと国交正常化した。

この時、パレスチナ問題は置き去りだった。

サウジアラビアも国交正常化に前向きだったが、パレスチナ問題は無視だった。

このことにパレスチナを支配するハマスは焦り、軍事行動(テロ)を起こしたのだろう。」

パレスチナ人の男性は次のように証言する。

「私はガザ北部の住民ですが、地区全体がイスラエル軍に爆撃されて、全ての家が破壊されました。

今はガザ南部にいますが、避難民のいるモスクやキリスト数の教会、大学までもがイスラエル軍の空爆の標的になっています。

イスラエル軍が攻めてきたため、電気も水道もガスも止まり、原始的な方法で火を起こしています。」

カタールのテレビ局「アルジャジーラ」に雇われた、ガザ在住のシャーナリストであるマラム・フメイドは言う。

「カザ中部の病院には、爆撃で殺された遺体がトラックで運ばれてくる。

救急車すら爆撃されるので、トラックを使うしかない。

犠牲者の大多数は子供や女性です。

毎秒ごとに空爆の音が聞えている状態で、電話がかかってくる度に誰かが殺された知らせです。」

パレスチナ問題に詳しい、静岡県立大学・講師の山本健介は言う。

「ハマスはゲリラ戦が得意で、2014年にイスラエルがガザに侵攻した時もゲリラ戦をした。

ただし今回のイスラエル軍は、空爆で建物を徹底的に破壊している。
ネタニヤフ首相は徹底的にやると言っている。」

ガザの人口の半数以上は18歳以下で、彼らはハマスの戦闘員にスカウトされている。

前述のダニエル・バータルは言う。

「ガザの若者たちは閉鎖された世界で暮らし、未来に希望がもてない。

その一方で、イスラエルへの強い怒りや復讐心を植え付けられている。」

軍事ライターの稲葉義泰は次のように解説する。

「イスラエルは情報収集にドローンを多用している。

ドローンで上空から偵察して、ミサイルなどでピンポイント攻撃をする。」

軍事ジャーナリストの黒井文太郎もこう話す。

「イスラエルはドローン大国と呼ばれ、建物の壁に張り付いて偵察するドローンや、建物内の人間の熱を感知する赤外線ドローンも持っている。

今回のパレスチナ侵攻にも投入しているでしょう。」

一方で、パレスチナのハマスもドローンを使っており、イスラエルの救急車や戦車を爆撃している。

ただしハマスが使っているのは民生用で、簡素なものだ。

ハマスの指導者たち(幹部たち)は、カタールでセレブの生活を送るなど、莫大な資産を持ち、豪華な暮らしをしている。

これは、外国からの支援を着服しているからだ。

ハマスの政治部門の現トップのイスマイル・ハニヤも、前トップのハーリド・マシャアルも、個人資産は数十億ドルと言われている。

(以下は『週刊文春 2023年12月7日号』から抜粋)

パレスチナ・ガザ地区の最大の病院であるアル・シファ病院が、イスラエル軍から激しく攻撃された。

病院への攻撃は戦争犯罪だが、イスラエル政府は病院の地下にハマスの司令部があると言い訳した。

その後にイスラエル軍はこの病院を占領し、ハマス司令部の入り口とする穴の映像を公開した。

だが、イスラエルが今まで公表してきた証拠は、どれもインチキばかりである。

例えば11月11日にイスラエル政府は、アル・シファ病院で働く看護師が撮ったという映像を公開した。

そこでは看護師が、ハマスを病院を支配していると泣き声で訴えていた。

しかし彼女の化粧が完璧で、白衣も全く汚れていないのが怪しかった。

フランス国営テレビがこのビデオを解析したところ、鳴っている爆音の波形がどれも同じで、サウンド・エフェクトだと分かった。

11月13日にイスラエル政府が公表したビデオでも、テロリストたちの当番表だとイスラエル政府が説明した壁紙を、フランス国営テレビは解析してただのカレンダーだと見抜いた。

イスラエル政府は、パレスチナ側の発表することはヤラセだと言ってきた。

例えばイスラエル軍の攻撃で死んだパレスチナの子供の写真について、「ただの人形だ」とイスラエル政府は発表した。

だがインドのメディアがその写真を調べて、イスラエル軍の攻撃で死んだ4歳のオマル君だと突き止めた。

イスラエル軍の攻撃で、パレスチナの死者数はすでに1万人を超えており、その4割が子供である。

(以下は『週刊文春 2024年5月16日号』池上彰の記事から抜粋)

今、イスラエルがパレスチナのガザ地区を攻撃し、住民が殺されている。

アメリカ各地の大学では「反イスラエルの集会」が開かれているが、コロンビア大学では「反ユダヤ主義で危険」として警察を呼び、学内で学生たちが逮捕された。

コロンビア大学は、ユダヤ教徒の卒業生から寄付金がもらえなくなるのを恐れての行動だった。
アメリカの多くの私大は、寄付金でやりくりしている。

ガザ地区では、2024年4月時点で3.4万人が、イスラエル軍に殺されている。

4月22日にはガザ地区のナセル病院で多数の遺体が発見された。
遺体は310体で、女性や子供もおり、遺体が地中に埋められていた事から、「イスラエル軍が住民虐殺を隠ぺいした」との見方が出ている。

パレスチナのヨルダン川西岸地区では、イスラエル人の強硬派が入植地を作り、それをイスラエル政府が支援している。

イスラエルのネタニヤフ政権は、ヨルダン川西岸に侵入して入植地をつくり、大規模な住宅団地を作っている。

入植者たちはパレスチナ住民を襲撃し、死者も出ている。

入植者たちは、「ここは神から私たちに与えられた土地だ」と主張している。

(以下は『週刊文春 2024年6月20日号』から抜粋)

イスラエルは一院制で、議席は120だ。
比例代表制をとっていて、全国を1つの選挙区にし、得票率が3.25%以上の政党が得票率に応じて議席を得る。

結果として、多くの政党が乱立し、連立を組まないと政権をつくれない。

2021年の総選挙では、反ネタニヤフ(反リクード)でまとまった政党たちの連立政権が誕生した。
しかし上手く運営できず、2022年にまた総選挙となった。

2022年の総選挙では、ネタニヤフのリクードは32議席をとった。
ネタニヤフは、5つの政党と組んで全64議席の連立政権をつくった。

ネタニヤフ連立政権に入った極右政党は、「ヨルダン川西岸地区もガザ地区も、我々ユダヤ教徒が神から与えられたものだ」と言って、侵略戦争を始め、奪いとった土地にユダヤ教徒の入植を進めている。

これは明らかに1993年にまとまった「オスロ合意」に違反している。

ネタニヤフは現在、汚職で起訴されて裁判中である。

もし首相の座から降りれば、有罪判決が出るかもしれない。彼はそれを恐れている。


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