(以下は『週刊文春 2023年11月16日号』
池上彰の記事から抜粋)
カタールは、世界有数の天然ガスの採掘量を誇り、日本の岸田首相が訪れて天然ガスの安定供給を求めた国である。
エネルギー資源を抱え、金持ちの国のイメージがある。
2022年にはサッカーW杯を開催をした。
カタールは、中東のアラビア半島の東側にある、小さなカタール半島を国土としている。
その面積は秋田県ほどで、300万人が住んでいるが、人口の9割は出稼ぎに来た外国人である。
カタールのトップは、タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長だ。
本当は王様なのだが、隣りの大国サウジアラビアに遠慮して、1ランク下の首長を名乗っている。
カタールは1916年にイギリスが保護国にして支配した。
イギリス軍が撤退することで、1971年に独立を果たした。
カタールは現在、1万人の米軍の駐留を認めている。
アフガニスタンに親米政権がいた時は、その政権と戦うタリバンの代表部を首都ドーハに受け入れていた。
米国のトランプ政権は、米軍をアフガンから撤退させる時、ドーハでタリバンと協議した。
カタールは、パレスチナを支配するハマスとも良好な関係にある。
ハマスの政治部門の事務所はカタールにある。
一方でカタールは、イスラエルとも経済関係を築いてきた。
カタールは「アルジャジーラ」というニュース専門のテレビ局を持つが、この放送局は1996年に首長のポケットマネーで設立された。
なおアルジャジーラは「半島」という意味のアラビア語で、カタール半島を指している。
アルジャジーラは2010~12年に盛り上がった「アラブの春」では、その活動家たちを積極的に取材し、アラブの春の原動力となった。
(2025年6月25日に作成)