(以下は『毎日新聞 2013年6月5日』から抜粋)
トルコで起きているデモの軸足は、「反政権」から「反エイドアン首相」へと移りつつある。
デモが拡大したきっかけは、2013年5月31日から6月1日にかけての、警察による催涙ガスや放水車による弾圧である。
エイドアン首相は、6月3日の会見で、「警官の対応はゆるやかだ」 「自分の支持者は国民の5割になるが、私は彼らを自宅にとどめている」と発言した。
この発言は、デモをしている人達への脅しと受けとられ、 反エイドアンが燃え上がっている。
(以下は『毎日新聞 2013年6月8日』から抜粋)
トルコで大規模デモが続いている。
デモ隊は各地でエイドアン首相の退陣などを求めてデモをしている。
トルコ経済への影響も出始めている。
エイドアン首相は3期連続で務めており、10年にわたって「公正発展党(AKP)」の単独政権を率いてきた。
前回(2011年)の総選挙では、5割の支持を獲得した。
トルコは10年間でGDPが3倍に増えており、エイドアン政権は穏健なイスラム主義を掲げて経済重視の政策を採っている。
ファトマギュル・バークタイ教授
「このデモでAKPやエイドアン首相が政権を奪われることはないだろう。
だがAKPの強固な支持率は35%程度で、最近は減少きみだ。」
(以下は『東京新聞 2016年5月の記事』から抜粋)
トルコのダウトオール首相が退陣を表明し、エルドアン大統領に極めて近い運輸海事通信相のユルドゥルム氏の首相就任が決まった。
トルコ政府の最高権力者はエルドアン氏で、政権運営に変化はないと見られる。
トルコの与党、公正発展党は22日に臨時党大会を開催し、党首選に一人だけ立候補したユルドゥルムを新党首に選出した。
トルコは議院内閣制を採用しており、党首が首相となり内閣を発足させる。
だが事実上は、与党出身のエルドアン氏が首相を交代させる形だ。
ユルドゥルムは党大会で、「政府の使命は憲法を改正し、大統領制を実現することだ」と述べ、改正により大統領権限の強化を目指すエルドアン大統領への忠誠ぶりを示した。
5月5日に退陣表明したダウトオールは、エルドアンの腹心だったが、議院内閣制から大統領制への変更を目指すエルドアンと意見対立があったとされる。