タイトルスポーツ界の不祥事

(以下は『毎日新聞 2014年6月8日』から抜粋)

🔵アイスホッケー

内紛で混迷を深める日本ホッケー協会は、2014年6月7日に総会で吉田大士・会長らを解任した。

不正を指摘している反執行部派の「新しい日本のホッケーを考える会」の代表である、中村康夫・理事らは、連名で会長の解任を求めていた。

総会において、93票のうち57票が賛同したため、解任が可決された。

他に解任されたのは、吉田体制を支えてきた3副会長らだ。

解任理由は、2009年に日本オリンピック委員会からコーチに支給されたカネを、不正に協会へ還流したこと。

疑惑を指摘した理事を謹慎処分にした事も、不当だと訴えていた。

今回の総会では、「新しい日本のホッケーを考える会」の13人を、理事に選ぶ案も可決された。

(以上は2025年1月6日に作成)

(以下は『Number 2007年9月13日号 津川晋一の記事』から抜粋)

🔵野球

ジャイアンツのバリー・ボンズは、本塁打数がハンク・アーロンのメジャーリーグ記録に迫るにつれて、禁止薬物を使用していた事が批判された。

2007年8月4日にアロンの記録755本に並んだ際は、「*(アステリスク)」のプラカードを掲げるファンが多く取り上げられた。

アステリスクは、疑義を示す記述符号である。

ハンク・アーロンは、新記録達成の場に立ち会わないと公言した。

セリグ・コミッショナーも、ボンズの755号に際し、両手をポケットに入れたまま拍手しなかった。

メジャー・リーグは、1980年代の後半から薬物に汚染されてきた。

1998年のマグワイアとソーサの本塁打競争の時も、 ビジネスを優先して薬物の規制強化をしなかった。

筋肉増強剤(ステロイド)の本格的な罰則規定は、ようやく2004年からである。

ブレーブスのジョーンズ選手は、「多くの選手がステロイドを使用したが、誰も755号を打てていない」とボンズを擁護した。
(※これは擁護ではなく、リーグ全体への恥の上塗りだろう)

現在、アレックス・ロドリゲスが32歳という史上最年少で500本塁打を達成し、ボンズの記録を抜くと期待されている。

(以下は『Number 2007年9月13日号 杉下茂典の記事』から抜粋)

🔵高校野球

1992年夏の甲子園で、星稜高校の松井秀喜は、明徳義塾高校から「5打席連続の敬遠」を食らった。

松井は言う。
「20球のボールを見送り、僕は伝説になったんです。この試合はバットを1回も振らずです。そんな選手はこれからも居ないでしょう。」

1992年の春のセンバツ大会は、ラッキーゾーンが撤去された初めての大会だったが、松井は本塁打を3本打った。

そしてマスメディアから「ゴジラ」のニックネームが付けられた。

この年の夏、甲子園の全国大会において、2回戦で星稜と明徳義塾が対戦した。

明徳の馬淵史郎・監督はこう話す。

「こっそり星稜の練習を見に行った。ライトのポール際で見たのだが、松井がぽんぽんと打球を飛ばしてきた。飛距離もスピードもモノが違った。

バットの芯でとらえると、ほとんどがホームラン。
こりゃ、勝負を避けるしかないと思った。」

明徳の主将の筒井健一は、馬淵監督から「松井は居ないものと考えろ」と指示された。

捕手の青木貞敏も、「松井をのければウチが上や」と監督から言われた。

星稜と明徳の試合後、日本高野連の牧野直隆・会長は、こう話した。

「ランナーがいなかった7回は勝負してもよかったと思う。

勝つことより大事なものがある。高校野球はフェアプレーの精神でやるものです。」

この試合は、3対2で明徳がリードして9回に入った。

この回も松井は敬遠された。

捕手だった青木が証言する。
「松井の打席では、次の5番・月岩のことを考えていました。
5番と6番にはインコースのまっすぐと外のスライダーで勝負しろと、監督から指示されてました。」

9回でも松井が敬遠されると、甲子園は騒然となった。
観客が次々とグラウンドにゴミを投げ入れた。

控え選手がゴミを拾いに行くと、「帰れ!」のコールまで出た。

結局、星稜は点が取れず負けた。

松井は言う。
「明徳の選手に『次がんばれよ」との声はかけられなかった。チームメイトもそうだった。

僕らは勝負よりも大切なものがあると教わっていた。
それが山下監督の説く『人間形成の野球道』でした。」

勝った明徳の校歌が流れると、観客たちの「帰れ!」コールはウェーブのように広がっていった。

そのパニックの中、松井の根上(ねあがり)中学時代にコーチだった高桑充裕は「松井は成長したなあ」と感心していた。

松井は中学2年の時、練習試合で敬遠に腹を立て、バットを投げ捨てた。

これに怒った高桑は、「何考えとんじゃ」と叱り、松井の頬を平手で打ち、足蹴りも加えた。

驚いた審判が高桑を退場処分にした暴力事件である。

星稜対明徳の試合後のインタビューで、勝者となった馬淵監督は饒舌だった。

「勝負ですから。星稜は松井君の後はそんなに振れてるバッターはいないし、松井君以外はウチが上と思ってました。
全部が私の指示です。選手はよくやってくれた。」

対して、星稜の山下監督はがっくりしていた。

「高校野球ですから、正々堂々と勝負してほしかった」と言い、唇をかんだ。

山下には忘れられない出来事があった。
1991年の秋に台湾遠征した時、松井は特大ホームランを打ったせいで、翌日の試合で不利にあった。

審判が松井の打席でボール球をストライクとわざと判定し、三振にしたのである。

この時も松井はバットを投げ捨てた。

山下は帰りのバスの中で松井を説得した。
「お前は日本代表にも入っている。球界のトップを目指すなら、智、徳、体の三拍子そろった選手になれ。」

5打席連続の敬遠にあった時バットを投げ捨てなかったことについて、松井はこう話す。

「過去の経験は大きいが、一番はチームのキャプテンという自覚です。範を垂れなければと思ってましたから。」

試合後に山下監督は、なぜ打撃の良い山口を5番に置かなかったのかと責められた。

それだけに国体は勝ちにいき、優勝を遂げた。

松井はあの事件を、こう総括した。

「あの敬遠劇は、僕へのメッセージでした。
僕は甲子園で5回も敬遠されるに足るバッターだと、証明しなきゃと思ってきました。
それがとてつもない大きなエネルギーになりました。」

(以上は2025年6月28日に加筆)

(以下は『週刊文春 2023年11月23日号』から抜粋)

🔵高校野球、早実

早稲田実業学校の高校部、いわゆる「早実」は、野球部が有名である。

この野球部で、部員の不祥事が続いている。

2023年10月に、部員が他校の女子高生のスカートの中をスマホで盗撮して、警官に捕まった。

調べたところスマホには20件ほどの盗撮動画があった。

2021年10月にも、別の野球部員が、トレーニングジムで女性を盗撮し、警察に捕まった。

この部員は、半年くらい前から盗撮をくり返していた。

2019年には、部員の性交動画が流出している。

この動画は学校中に拡散し、映っていた部員のガールフレンドが警察に被害届を出した。

この件で同野球部は、秋の大会を辞退した。

不祥事が続くのは、野球部を特別扱いしているからだと、早実の関係者は言う。


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