(『誰にでもわかる中東』小山茂樹著から)
イスラム教の聖典は、『コーラン』である。
コーランは、ムハンマドが610年~632年に渡って受けた神の啓示を、第三代カリフであるウスマーン(在位644~656年)の時代に編纂したものである。
さらに、教友(サハーバ)によって語り伝えられた、ムハンマドの言行や教え「スンニ(慣行・慣例)」を編纂したのが、『ハディース(伝承)』である。
イスラム法(シャリーア)の根幹は、コーランとハディースである。
時代を経るにつれて、コーランとハディースだけでは律しきれない問題が出てきた。
そこで、教典を解釈する中で『イジュマー(同意)』と『キャース(類推)』が生まれた。
イジュマーとは、「代表的法学者(ウラマー)の意見で一致したもの」である。
キャースとは、「理性による類推」である。